ヒビスコールA,S,SHの違い(クロルヘキシジン含有エタノール溶液)
クロルヘキシジングルコン酸塩の濃度・区分の違い
クロルヘキシジングルコン酸含有の無色のエタノール溶液は、速乾性の手指擦式消毒液として、医療現場や公共施設等で利用されています。特に、2009年の新型インフルエンザ流行を契機に、学校や商業施設など、あらゆる所で見かけるようになりました。
その中でも、良く見かける商品に、「ヒビスコール」があります。
このヒビスコールにはヒビスコールA、ヒビスコールS、そしてヒビスコールSHの3種類がありますが、その違いについて調べてみました。
ヒビスコールA(医療用医薬品)
有効成分:クロルヘキシジングルコン酸塩0.2w/v%
医療用医薬品扱いなので、店舗販売業では取扱いできません。薬局では可。
もちろん、ネット通販はできません。医療機関の自家用で使う場合は、こちらが主に用いられています。
(一般向けのヒビスコールSより、多少安く入手できる?)
なお、より高濃度0.5w/v%の、手術時手指消毒用「ヒビスコールA液0.5%」もありますが、一般の方が目にすることは、まずありません。
ヒビスコールS(第2類医薬品)
有効成分:クロルヘキシジングルコン酸塩0.2w/v%
ヒビスコールAと基本的に同じものですが、第2類医薬品扱いなので、ドラックストア等の店舗販売業でも取り扱うことができます。
また、第2類ということもあり、アマゾン、ケンコーコム等でネット通販が行われています。
ヒビスコールSH(指定医薬部外品)
有効成分:クロルヘキシジングルコン酸塩0.1w/v%
クロルヘキシンジングルコン酸塩の濃度が、A,Sの半分になっています。区分も「指定医薬部外品」扱いなので、流通面での幅が広くなります。例えばホームセンター等でも販売可能になります。
もちろんネット通販も可能です。
なお、クロルヘキシジングルコン酸含有のエタノール溶液は、広範囲の微生物群に抗菌力を持ち、インフルエンザウイルスにも効果があるとされていますが、通常、感染性胃腸炎の原因となる「ノロウイルス」には効果を示しません。
ここでは詳しく述べませんが、通常のクロルヘキシジングルコン酸含有のエタノール溶液は、エンベロープ型(インフルエンザウイルスなど)には効果を示しますが、ノロウイルスなどのノンエンベロープ型には効果をしめさない為です。
(2020.4追記)新型コロナウイルスについて
ヒビスコール製品は、主成分はクロルヘキシジングルコン酸になりますが、エタノールを83vol%含有していますので、エンベロープ型ウイルスである新型コロナウイルスへの効果も期待できると考えられます。(詳しくは各自で調べて下さい)