スルファメトキサゾール(抗菌目薬に使用されるサルファ剤)
ものものらい、結膜炎に。
スルファメトキサゾールは古くから知られているサルファ剤であり、OTCでは抗菌目薬の成分として使用されています。ものもらいや、結膜炎、目やにが出る時など化膿性の症状がある場合に用いられます。
その抗菌作用は、細菌のDNA合成に必要な葉酸(ビタミンB9)の生合成過程を阻害することによります。DNAが合成できないと細菌も細胞分裂を繰り返すことができなくなり、菌の増殖を抑えることになります。
なお、ヒトも葉酸は必須ビタミンですが、すべて食べ物からの摂取に頼っており、体内での生合成過程が存在しないため影響はありません。(葉酸は必須ビタミンB群)
そして、このスルファメトキサゾールは一般用医薬品の点眼薬における抗菌成分(抗生物質・サルファ剤)としては、ほぼ唯一の成分です。
その為、パッケージに「抗菌タイプ」の文字があるOTCの目薬は、必ずスルファメトキサゾールが使用されていると思って差し支えありません。
但し、古くからある成分のため、薬が効かない耐性菌も多く存在しています。もし数日使用して良くならない時は、躊躇なく眼科受診を勧めて下さい。なお、スルファメトキサゾールは、現在医療用の点眼薬成分としては使用されていません。
登録販売者試験では、割と良く出題されていますので、最低限の知識は憶えておいて下さい。
出題の手引きの記載内容は以下のとおり
「細菌感染(ブドウ球菌や連鎖球菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的として、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム等のサルファ剤が用いられる。なお、すべての細菌に対して効果があるというわけではなく、また、ウイルスや真菌の感染に対する効果はないので、3~4日使用しても症状の改善がみられない場合には、眼科専門医の診療を受けるなどの対応が必要である。」
⇒問われるポイントは多くあるので、一通り内容は理解しておいて下さい。