小建中湯(小児虚弱体質・疲労倦怠・慢性胃腸炎)

小児虚弱体質・小児夜尿症の漢方薬として知られる

小建中湯は、小児虚弱体質や慢性胃腸炎向けの漢方薬として知られています。

小建中湯の「中」は、補中益気湯の「中」と同じように「中焦」(中医学では胃腸あたり)を意味します。
胃腸症状としては、特に冷えからくるような腹痛に適するとされています。

また、小児関連で「小児夜尿症」の適応もありますが、OTCでの販売範囲としては難しい面があります。

構成生薬は以下の6種類。
桂枝湯がベースとなり芍薬の量を多めにして、膠飴(麦芽糖)という飴も一緒に溶かしたものです。

桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、膠飴(コウイ)

膠飴が入っており、漢方薬の中でも甘い味で、小児でも飲みやすいとされています。

登録販売者試験では、小児向けの分野で良く出題されていますが、他の漢方薬との区別はつけやすいでしょう。
出題の手引きの記載内容は以下のとおり

「体力虚弱で疲労しやすく腹痛があり、血色がすぐれず、ときに動悸、手足のほてり、冷え、ねあせ、鼻血、頻尿及び多尿などを伴うものの小児虚弱体質、疲労倦怠、慢性胃腸炎、腹痛、神経質、小児夜尿症、夜なきに適すとされる。」

⇒「小児虚弱体質」「小児夜尿症」が試験対策上のキーワードです。

「構成生薬としてカンゾウを含むが、乳幼児に使用される場合は体格の個人差から体重当たりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがあることに加え、小建中湯とは比較的長期間(1ヶ月位)服用することがあるので、特に留意される必要がある。」

⇒カンゾウの有無について問われる場合があります。

なお、より作用の強い「大建中湯」(人参、山椒、乾姜、膠飴)という腹痛向けの漢方薬も存在し、医療用では良く使用されています。しかし(知る範囲では)ドラックストア向けの一般用医薬品(OTC)製品はありません。

(参考資料)
・中医臨床のための方剤学 神戸中医学研究会編著 (医歯薬出版株式会社)

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