抗菌成分 サルファ剤と抗生物質の違い

 一般用医薬品及び登録販売者試験では、外用薬の成分として登場しますが、どちらも抗菌成分と言われながら、その違いが良くわからないという質問を受けます。

詳しい違いは、歴史的経緯や、新しい合成抗菌剤と言われるタイプも含めて理解する必要がありますが、大まかには「生物由来かどうか」が大きな違いであると考えて良いでしょう。


サルファ剤(sulfonamides)  ・・微生物由来ではない合成剤


最初の発見は、1930年代にプロントジルという染料から、抗マラリア、抗菌作用が発見されたことにはじまり、治療薬としての実用化は、抗生物質より早く普及しました。抗生物質とは異なり「微生物」由来ではない点が大きな違いです。

その抗菌作用は、サルファ剤の持つスルホンアミド構造が、細菌などの葉酸合成を阻害するとこによります。

一般用医薬品での代表例は、スルファメトキサゾールであり、市販の抗菌目薬には、通常これが使用されています。


抗生物質(antibiotics) ・・微生物由来の、他の微生物の発育を抑える物質


人類が発見した初の抗生物質ペニシリン(1928年)は、アオカビから発見されたように、当初の定義は「微生物由来の、他の微生物の発育を阻害する物質」です。但し、近年登場した生物由来ではない人工的に合成されたもの(合成抗菌剤)も、広い意味では「抗生物質」と呼ばれてます。
作用機序は、細胞壁合成阻害や、タンパク合成阻害など、いくつかのタイプがあります。

一般用医薬品での代表例は、フラジオマイシン硫酸塩(ベトネベート軟膏N、フルコートF等に配合)があり、皮膚用外用薬に使用されています。

一般用医薬品の分野では、これらの抗菌成分について、新しいものがスイッチ化される様子がありませんので、試験対策でも大まかな違いを知っておけば十分でしょう。





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