センソ(蟾酥)・・六神丸・救心に含まれる強心成分
強心成分として知られる。
センソ(蟾酥)は、ヒキガエル科のシナヒキガエル、ヘリグロヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量でも強い強心作用(ブファリン)を示すとされています。
↓餅状蟾酥(上海中医薬博物館にて)
なお、江戸時代に売薬として有名だった、いわゆる「ガマの油」には、このセンソ(蟾酥)が使用されていたことでも知られています。(医薬品成分のため、現在筑波山で売られているお土産には含まれていません)
↓蝦蟇(ガマ)の油は生薬の蟾酥(センソ)【寄り道・脱線 生薬雑話】
医薬品としては、古くから動悸・息切れ等に用いられている「六神丸」や「救心」に含まれています。
登録販売者試験では強心薬の分野で出題されますが、頻出と言っていいでしょう。以下は問題作成の手引きからの抜粋です。
①「皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示し、センソが配合された丸薬、錠剤等の内服固形製剤は、口中で噛み砕くと舌等が麻痺することがあるため、噛まずに服用することとされている。」
②「有効域が比較的狭い成分であり、1日用量中センソ5mg を超えて含有する医薬品は劇薬に指定されている。一般用医薬品では、1日用量が5mg 以下となるよう用法・用量が定められており、それに従って適正に使用される必要がある。なお、通常用量においても、悪心(吐きけ)、嘔吐の副作用が現れることがある。」
①その局所麻酔作用から、中国では外用薬の痛み止めにも使用されているそうです。
②「劇薬」に関する内容も頻出です。なお、救心においては、センソの1日量(6粒)は5mgと、一般用医薬品の上限量含まれています。
なお、六神丸は複数の製薬会社から発売されていますが、各社によりセンソの成分量は様々で、最高量の5mg含むものもあれば、亀田六神丸のように1.3mgと、少なめの製品もあります。
このように、センソは微量で強心作用を示す生薬として知られており、救心や六神丸などに含まれています。