今回は2025.3上海滞在中に訪れた、雲南キノコ火鍋(Huǒguō)のベジタリアンレストランをお店を紹介します。
実は、上海でいかにも薬膳チックなお店を見つけようと、中国版食べログ:大衆点評(大众点评:Dàzhòng Diǎnpíng)で色々探してみたのですが、なかなか思うように見つからず、それなら台湾で食べ損なったベジタリアン食(素食 :sù shí)を食べてみようということで行ってみたのが、今回訪れた雲南雪菌老火鍋・焱格格(Yàn gégé)というお店です。

場所は、上海中心エリアの静安寺(Jìng’ānsì)地区にあり、外観や店内の様子も、なかなか小洒落た感じですが、月曜日ということもあってか、わりと空いていました。

今回は現地の中国人ガイドさんと予約なしでお昼の時間帯に訪問しましたが、コースメニュー1択のようでした。
コースは一人198元(約4,000円)なので、昼飯にしてはかなりいいお値段です。
なお、お客さんは何故か半分以上が日本人女性でした。

この雲南キノコ火鍋のコースでは、好みのスープを色々選ぶことができて、他にもフレッシュジュースや、点心も好きなモノから選ぶオーダー形式でした。
今回スープは無難にSpicy Hotを選びましたが、薬膳に興味のある方は、南洋肉骨茶锅(BAK-KUT-TEH POT)を選ぶと良いかもしれません。こちらはキノコや虫夏草の他、12種類の漢方生薬を加えて煮込んだスープらしいです。但し、紹介の写真を見ると八角も見えたので苦手の人は確認した方が良いでしょう。
なお、キノコについては、雲南から空輸されているMatsutake等の特別なキノコがコース料理の中で提供されるほか、ビュッフェテーブルから好きなモノを自分で選び、色々なキノコを食べることができます。



↑雲南から空輸されている特別なキノコ。薄くスライスされているのが恐らくMatsutake。黄色いっぽいのが恐らくヤマドリタケで、中国語では黄牛肝菌 (huáng niú gān jūn)と書きますが、ウシのレバーのような食感から名付けられたようです。


火鍋は二層になっていて、中に練炭が入っており、火力はかなり強力です。
上段の鍋には4時間煮込んだ野生のキノコスープが入っており、先程の特別な雲南キノコの盛り合わせを店員さんが丁寧に入れてくれますが、10分程煮込むとキノコの香りも引き立ち、丁度おいしく食べれるんだそうです。



↑ビュッフェテーブルに並ぶ、キノコや新鮮な野菜類。見た目も美しく並べられています。


そして、忘れてはいけないのが、このお店はベジタリアン(素食)レストランということで、鍋に入れる具材の他、その他の料理も、全て肉や魚を使わないベジタリアン食となっています。


↑ガイドさんは肉だと思って食べていたそうですが、恐らく大豆でつくっているんだと思います。

麺料理も準備されています。

↑黒トリュフ(黑松露:hēi sōng lù)のチャーハン
このように、ビュッフェメニューも豊富ですし、結構飲み物(ジュース類やお茶など)がおいしく、時間とお腹が許せば色々な料理を楽しむことができます。但し、さすがに若い男性は、肉や魚がないので、多少の物足りなさを感じるかもしれませんが。
なお、中国語圏では、仏教の影響で古くから菜食の習慣があり、ベジタリアン食を表す「素食」という言葉が広く浸透しており、特に台湾で「素食」レストランを良く見かけますが、素食 (sù shí)は「肉類を使わない食事」「菜食」という意味合いを持ちます。
そして、「素食」には、肉・魚だけでなく、日本の精進料理のようにニンニク、ネギ、ニラ、ラッキョウなどの匂いの強い野菜(五葷:wǔ hūn)も避ける意味合いが含まれることも多いです(特に台湾)。
もし、特定の種類のベジタリアン食(ヴィーガン等)を伝えたい場合は、さらに具体的な表現が必要になります。
- 純素 (chún sù):ヴィーガン(完全菜食主義)
- 奶蛋素 (nǎi dàn sù):乳製品と卵を食べるベジタリアン
- 蛋素 (dàn sù):卵は食べるが乳製品は食べないベジタリアン
- 奶素 (nǎi sù):乳製品は食べるが卵は食べないベジタリアン
そして、中華圏におけるベジタリアン人口の割合は様々な報告がありますが、AIによると少なくとも5%前後はいるようです。また、台湾で聞いた話では、普段ベジタリアンではない人でも、特別な日(願いことを叶えたい時など)に、素食を食べることもあるそうです。
以上、上海で食べた素食レストランの紹介でしたが、特にキノコ料理が好きな人は、試しに訪れてみるのも良いかもしれません。なお、確認はしていませんが、お酒は提供していないと思います。