R4 関西広域連合 第4章 薬事に関する法規と制度(問91-100)

問96・濫用等の恐れのある医薬品は、令和5年度手引き改訂により、薬効・剤形の限定が削除されているので、過去問を取り扱う際は注意して下さい。正解が異なります。

問91
店舗販売業に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 店舗管理者は、その店舗の所在地の都道府県知事(その店舗の所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。)の許可を受けた場合を除き、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。

b 店舗販売業では、特定の購入者の求めに応じて、医薬品の包装を開封して分割販売することができる。

c 店舗管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その店舗の業務につき、店舗販売業者に対し、必要な意見を書面により述べなければならない。

d 指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から1メートルの範囲に、医薬品を購入しようとする者等が侵入することができないよう必要な措置が取られている場合、「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列する必要はない。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正


dは微妙な数字すぎて、かなり迷うが、他がわかれば正解選択には影響しない。

a 正しい。
b 正しい。関連記事:分割販売
c 正しい。「書面により」でOKです。
d 誤り。×1メートルの範囲⇒〇1.2メートルの範囲。なお、指定第2類医薬品の「情報提供を行うための設備から7メートル以内の範囲に陳列」「禁忌事項の確認」については頻出なのでしっかり押さえておく。

正解・・・3


問92
配置販売業に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 配置販売業者又はその配置員は、医薬品の配置販売に従事しようとするときは、配置販売業者の氏名及び住所、配置販売に従事する者の氏名及び住所並びに区域及びその期間を、あらかじめ、配置販売に従事しようとする区域の都道府県知事に届け出なければならない。

b 配置販売業者は、薬剤師が区域管理者として配置販売に従事していれば、すべての一般用医薬品を販売することができる。

c 配置販売業者は、購入者の求めに応じて医薬品の包装を開封して分割販売することができる。

d 配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正


配置販売業(いわゆる置き薬)に関する問題。イメージが湧かない受験生はリンク記事で確認を。
bは誤りがどこのポイントなのかがわかりづらい。

a 正しい。「あらかじめ届出」がポイント。
b 誤り。まず、前提として「薬剤師」が配置販売に従事していれば「第一類医薬品」も配置販売可能である(≒すべての一般用医薬品)。但し、配置販売業では「全ての一般用医薬品」を販売できるわけではなく、「一般用医薬品のうち経年変化が起こりにくい(中略)もの以外の医薬品を販売等してはならない」とされている。
(また、薬剤師が区域管理者でも、直接配置販売に従事してなければ「第一類」は販売できないので、ここでも誤りと判断できる)
c 誤り。配置薬販売業では、分割販売できない点は頻出。
d 正しい。

正解・・・2


問93
薬局開設者が行う、要指導医薬品及び一般用医薬品のリスク区分に応じた情報提供に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 要指導医薬品を使用しようとする者が、薬剤服用歴その他の情報を一元的かつ経時的に管理できる手帳(以下「お薬手帳」という。)を所持しない場合はその所持を勧奨し、所持する場合は、必要に応じてお薬手帳を活用した情報の提供及び指導を行わせることとされている。

b 第一類医薬品を購入しようとする者から説明不要の意思表明があり、その医薬品が適正に使用されると薬剤師が判断した場合であっても、情報を提供せずに販売することはできない。

c 指定第二類医薬品を販売する場合には、その医薬品を購入しようとする者が、禁忌事項を確認すること及び当該医薬品の使用について薬剤師又は登録販売者に相談することを勧める旨を、確実に認識できるようにするために必要な措置を講じなければならない。

d 第三類医薬品を購入した者から質問等がない場合であっても、薬剤師又は登録販売者に必要な情報を提供させることが望ましいが、法律上の規定ではない。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 正 正 正 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正


a 正しい。
b 誤り。まず前提として、要指導医薬品第一類医薬品は情報提供の内容を理解したことを確認した後でなければ、販売・授与してはならないとされている。
ただし、第一類医薬品については(購入希望者より)説明を要しない旨の意思の表明があり、薬剤師が適正に使用されると認められると判断した場合には、適用しない(つまり情報提供を簡素化・省略できる)こととされている。
例としては、第一類の発毛剤を販売する際、顔なじみの購入者でリピート購入しており、かつ注意事項もよく理解されているケース等を思い浮かべればよい。
c 正しい。
d 正しい。

正解・・・2


問94
特定販売に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 特定販売とは、その薬局又は店舗におけるその薬局又は店舗以外の場所にいる者に対する薬局製造販売医薬品、要指導医薬品及び一般用医薬品の販売又は授与をいう。

b 店舗に在庫がない場合には、特定販売を行う他店から直接発送することができる。

c 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告するときは、特定販売を行う医薬品の使用期限を見やすく表示しなければならない。

d 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告するときは、ホームページに薬局又は店舗の主要な外観の写真を見やすく表示しなければならない。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤


特定販売(いわゆるネット販売)に関する問題。
初めての受験生は、実際にネット販売を行っているサイトを確認してみると良い。
なお、cの「使用期限の表示」は迷うが、他がわかれば正解選択には影響しない。

a 誤り。(第一類を含む)一般用医薬品及び、煎じ用漢方薬に代表される薬局製造販売医薬品は(例外的に)特定販売可能であるが、要指導医薬品は特定販売できない
b 誤り。その薬局・店舗で貯蔵又は陳列していない医薬品は販売できない。
つまり、特定販売を行う実店舗で貯蔵又は陳列していない医薬品は販売できないとうこと。(販売サイトだけ作成し、配送等は外部に委託するような販売や、実店舗でも、本店で特定販売を行い、支店から発送するような方法は認められていない)
c 正しい。なお、実際にはホームページの店舗概要のページ等に、「使用期限まで〇〇日以上ある医薬品をお届けします。」というような形で記載すれば良いことになっている。
d 正しい。なお、ホームページには、(実店舗をもつ証明のため)薬局又は店舗の主要な外観の写真はもちろん、一般用医薬品の陳列の状況を示す写真も表示する必要がある。

正解・・・4


問95
店舗販売業者が、卸売販売業者から初めて医薬品を購入したときに、法施行規則第146条の規定に基づき書面に記載しなければならない事項について、誤っているものを一つ選べ。

1 品名
2 数量
3 購入の年月日
4 医薬品のリスク区分
5 卸売販売業者の氏名又は名称、住所又は所在地及び電話番号その他の連絡先


このタイプの問題は殆ど出題されていないので、難問である。
その目的を、関連記事:医薬品の購入等に関する記録等(H30.3改訂で追加)で確認を。

正解・・・4


問96
一般用医薬品のうち、濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(以下、「濫用等のおそれのある医薬品」という。)とその販売に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 濫用等のおそれのある医薬品を購入しようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて購入しようとする場合、店舗販売業者は、店舗で医薬品の販売に従事する薬剤師又は登録販売者に、その理由を確認させなければならない。

b 濫用等のおそれのある医薬品を購入しようとする者が、若年者である場合、店舗販売業者は、店舗で医薬品の販売に従事する薬剤師又は登録販売者に、購入者の氏名及び年齢を確認させなければならない。

c ブロモバレリル尿素を含有する解熱鎮痛剤は、濫用等のおそれのある医薬品ではない。

d メチルエフェドリンを含有する散剤のかぜ薬は、濫用等のおそれのある医薬品である。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正


厚生労働大臣が指定する濫用の恐れがある医薬品に関する問題。

(令和4年度まで)濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品は以下のとおり(その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤も含む)。

・エフェドリン
コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
ブロモバレリル尿素
プソイドエフェドリン
メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)

但し、この出題の翌年・令和5年手引き改訂により、濫用等の恐れのある医薬品の「薬効・剤形の限定」は削除されましたので、注意して下さい。dの正誤判断が変わります。詳細は記事のリンクで確認を。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。ブロモバレリル尿素が含まれていれば、濫用等の恐れのある医薬品に該当する。
d 誤り。令和4年までは、濫用等~は「鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る」ことから該当しない。(注:令和5年手引き改訂後は「正しい」になります

正解・・・1(但し、令和5年手引き改定後は「解なし」となります)


問97
医薬品の広告に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。

a 医師は未承認の医薬品の名称に関する広告を行うことが禁止されていない。

b 一般用医薬品の販売広告には、店舗販売業において販売促進のため用いられるチラシ、ダイレクトメール(電子メールを含む)も含まれる。

c 医薬品の承認されていない効果を広告する場合、明示的でない限り、虚偽又は誇大広告には該当しない。

d 医薬品の広告に該当するか否かについては、(1)顧客を誘引する意図が明確であること、(2)特定の医薬品の商品名が明らかにされていること、(3)一般人が認知できる状態であること、のいずれも満たす場合には、広告に該当するものと判断されている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


医薬品の広告に関する問題

a 誤り。何人も、未承認の医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告が禁止されている。
b 正しい。
c 誤り。明示的、暗示的を問わず、虚偽又は誇大広告に該当するおそれがある。
d 正しい。

正解・・・3


問98
医薬品等適正広告基準に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 一般用医薬品について、同じ有効成分を含有する医療用医薬品の効能効果をそのまま標榜する広告は、承認されている内容を正確に反映した広告とはいえない。

b チラシやパンフレット等の同一紙面に、医薬品と、食品、化粧品、雑貨類等の医薬品ではない製品を併せて掲載することは認められていない。

c 医療機関が推薦している旨の広告を行うことは、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。

d 医薬品の広告については、生命関連製品としての信用や品位が損なわれることのないよう、節度ある適切な内容や表現が求められる。

  a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正


医薬品等適正広告基準に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。チラシやパンフレット等の同一紙面に、医薬品と、食品、化粧品、雑貨類等を併せて掲載すること自体は問題ない。(実際のチラシで良く見かけると思います)
c 正しい。医薬関係者、医療機関、公的機関、団体等が、公認、推薦、選用等している旨の広告については、一般の生活者の当該医薬品に対する認識に与える影響が大きいことにかんがみて、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。
(例外)市町村が行う衛生害虫類駆除事業に際して特定の殺虫剤・殺そ剤の使用を住民に推薦するときのような、特別な場合を除く。
d 正しい。

正解・・・1


問99
医薬品の販売方法に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 医薬品の過度の消費や乱用を助長するおそれがある販売方法については、保健衛生上の観点から必要な監視指導が行われている。

b 購入者の利便性のため医薬品と他の物品を組み合わせて販売又は授与する場合は、体温計、ガーゼ、包帯、脱脂綿等、組み合わせる医薬品の用途に対して補助的な目的を果たす範囲においてのみ認められる。

c 薬局及び店舗販売業においては、許可を受けた薬局又は店舗以外の場所に医薬品を貯蔵し、そこを拠点として販売等に供することも認められている。

d 医薬品の販売等に従事する専門家は、医薬品を多量に購入する者等に対して、積極的に事情を尋ねるなど慎重に対処し、状況によっては販売を差し控えるべきである。

  a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 誤 正


a 正しい。
b 正しい。手引きの補足部分に記載されている内容で、迷ったでしょう。
c 誤り。認められていない。
d 正しい。

正解・・・5


問100
法に基づく行政庁の監視指導及び処分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。なお、本問において「都道府県知事」とは、「都道府県知事(薬局又は店舗販売業にあっては、その薬局又は店舗の所在地が保健所設置市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。)」とする。

a 都道府県知事は、薬事監視員に、薬局開設者又は医薬品の販売業者が医薬品を業務上取り扱う場所に立ち入り、無承認無許可医薬品の疑いのある物品を、試験のために必要な最少分量に限り、収去させることができる。

b 薬局又は店舗において従事する薬剤師及び登録販売者が、薬事監視員の質問に対して正当な理由なく答弁しなかった場合には、罰則の規定が設けられているが、薬剤師及び登録販売者ではない従業員には罰則の規定は適用されない。

c 都道府県知事は、店舗管理者が管理者として不適当であると認めるときは、その店舗販売業者に対して、その変更を命ずることができる。

d 都道府県知事は、緊急の必要があるときは、薬事監視員に、不正表示医薬品、不良医薬品、無承認無許可医薬品等を廃棄させることができる。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正


a 正しい。
b 誤り。薬剤師及び登録販売者ではない従業員も、この規定の対象者となる。
c 正しい。
d 正しい。

正解・・・5

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