茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)
キーワードは「便秘するものの蕁麻疹、口内炎」。カンゾウを含まない。
茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)は、登録販売者試験では、蕁麻疹や体の痒みの緩和等、「皮膚の症状」に用いられる漢方薬として登場します。また、口内炎への使用についても、割と出題されています(H27.東京)。
一般用医薬品としては、漢方薬として販売しているメーカーは少なく、(皮膚病に関する漢方は全般的にそうですが)販売する側も、相当知識・販売経験がないと売りずらいでしょう。
それでも、茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)が蕁麻疹向けの漢方薬であるのを理解しやすい製品があります。それは佐藤製薬から販売されている「スラジンA」です。
一般用医薬品として「じんましん」や「湿疹」の効能を持つ、数少ない内服薬で、抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩と血管収縮作用のあるメチルエフェドリン塩酸塩、そして蕁麻疹に効果があるとされる茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)乾燥エキスを配合した製品です。
病医院でも、即効性が高いクロルフェニラミンマレイン酸は現在でも蕁麻疹に用いられていますし、その点では購入者にも勧めやすく、休日や夜間等に蕁麻疹への薬を求められた際には便利です。一般用医薬品に従事している方は是非知っておきたい製品です。(佐藤製薬さんからの購入チャネルが必要ですが)
なお、一般医薬品では対象外ですが、医療用では皮膚疾患以外に、肝機能の悪い方向けに用いられることがあります。
手引の記載内容は以下の通り
「体力中等度以上で口渇があり、尿量少なく、便秘するものの蕁麻疹、口内炎、皮膚の痒みに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。」
また、構成生薬は少なく
インチンコウ(茵蔯蒿)、サンシシ(山梔子)、ダイオウ(大黄)の3種類です。
ダイオウ(大黄)を含んでおり、「便秘するものの蕁麻疹」とも結び付けやすいでしょう。
また、試験対策上の知識として、「カンゾウ」を含まない漢方薬として問われることがあります。