酸化マグネシウム(便秘薬・制酸薬)

便秘薬として良く使用されている。習慣性も少ない。

酸化マグネシウムは、登録販売者試験では、胃酸を中和する成分(制酸成分)、瀉下成分(塩類下剤) 両方に登場します。

①制酸作用・・・酸化マグネシウムのアルカリ性の性質により、胃酸を中和する。
②瀉下作用・・・腸から吸収されにくいマグネシウムが腸管内の浸透圧を高めることで、水分が腸管内に移動し、便の水分量も増加し、便の軟化・増大につながり、蠕動運動の亢進にも働き、排便を促す。

この酸化マグネシウムは、医療用として良く使用されており、粉薬で通称「重カマ」「カマ」等と呼ばれ、錠剤では「マグミット」等の販売名で知られています。

その用途としては瀉下作用、つまり「便秘薬」としての使用がほとんどと考えて差支えないでしょう。 センノシドと比較し、習慣性が少ないことから便秘薬として頻用され、安価でもあり第一選択薬としての位置づけです。

一般用医薬品では、総合胃腸薬(多数の成分を含んだ薬)にも使われている一方、便秘薬としての認知度は低く、今まで店頭でもあまり目立った存在ではありませんでした。

しかしながら、2016年9月、健栄製薬から「酸化マグネシウムE便秘薬」が販売され、今後店頭でも良く見かけるようになるでしょう。菊川令を起用したCMも結構流れており、プロモーションも盛んに行われています。大腸刺激性成分よりも販売しやすい便秘薬ですので、販売現場ではぜひ押さえておきたい新製品です。
 

他にも従来製品として、「3Aマグネシア」「スラーリア便秘薬」等もあります。(スラーリアの商品を見ると、「ウォーターコントロール便秘薬」という名称の商標も持っています。)

このように、酸化マグネシウムは習慣性も非常に少なく、昔から使われ安全性も高く、便秘薬としては販売しやすい製品です。十分特徴を理解しておきましょう。
 
但し、腎機能の落ちている高齢者等では、連用するとマグネシウムの貯留により、高マグネシウム血症になる恐れもあるため、通院しているような高齢者の連用は一応注意が必要です。

(追記)
2015年6月に発売された「ロキソニンSプラス」は従来品に、酸化マグネシウムが少量配合された製品です。この場合の酸化マグネシウムは、制酸作用を目的に配合されています。
 

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