H26 富山県 第5章 医薬品の適正使用と安全対策 (問111-120)
問120 ロートエキスの「相談すること」は落としてもしょうがない。他は、過去問対策を十分行っていれば正答可能。
問 111
一般用医薬品の製品表示に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 外箱等には、「使用にあたって添付文書をよく読むこと」等、添付文書の必読に関する事項が記載されている。
b アルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、その含有量にかかわらず、アルコールを含有する旨及びその分量が外箱等に記載されている。
c 製品には、薬事法で定められた表示事項以外記載してはならない。
d 症状、体質、年齢等からみて、副作用による危険性が高い場合であって、一般使用者の判断のみで使用することが不適当な場合について、専門家への相談勧奨に関する事項が外箱等に記載されている。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
a 正しい。包装中に封入されている医薬品(内袋を含む)だけが取り出され、添付文書が読まれないといったことのないように記載されている。
b 誤り。1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、例えば「アルコール含有○○mL 以下」のように、アルコールを含有する旨及びその分量が記載されている。また、有効成分としてでなく、生薬成分の抽出や有効成分の溶解補助のためアルコールが含有されている場合がある。
c 誤り。ひっかりやすいので注意!
薬事法の規定による法定表示事項のほか、消防法、高圧ガス保安法等、他の法令に基づいて製品表示がなされている事項もある。
(例)可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品や消毒用アルコール等、危険物に該当する製品に対する消防法に基づく注意事項(「火気厳禁」等)
d 正しい。常識的感覚で考えればOK
正答・・・3
問 112
医薬品の安全対策に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度は、医薬品の安全対策のより着実な実施を図ることを目的としており、世界保健機関(WHO)加盟国の一員としてわが国が対応した安全対策に係る制度の一つである。
2 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度は、1967年3月より、約3000の薬局をモニター施設に指定して、厚生省(当時)が直接副作用報告を受ける「医薬品副作用モニター制度」としてスタートした。
3 登録販売者は、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づく報告を行う医薬関係者として位置づけられていない。
4 スモン訴訟を契機として、1979年、世界保健機関(WHO)加盟国を中心に、各国自らが医薬品の副作用情報を収集、評価する体制(WHO国際医薬品モニタリング制度)が確立された。
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づく、副作用情報等の収集に関する問題
1 正しい。
2 誤り。正確な知識が求めらる。
1967年3月より、約3000の医療機関をモニター施設に指定して、厚生省(当時)が直接副作用報告を受ける「医薬品副作用モニター制度」としてスタートした。また、一般用医薬品による副作用等の情報を収集するため、1978年8月より、約3000のモニター薬局で把握した副作用事例等について、定期的に報告が行われるようになった
3 誤り。同制度では、登録販売者も医薬関係者に含まれる。
4 誤り。同制度の契機は、スモン訴訟ではなく1961年に起こったサリドマイド薬害事件
正答・・・1
問 113
医薬品PLセンターに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
医薬品PLセンターは、平成7年7月に( a )によって開設された。
消費者が、医薬品又は( b )に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる。)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、( c )迅速な解決に導くことを目的としている。
a b c
1 日本製薬団体連合会 化粧品 裁判による
2 (独)医薬品医療機器総合機構 化粧品 裁判による
3 厚生労働省 医療機器 裁判による
4 日本製薬団体連合会 医薬部外品 裁判によらずに
5 (独)医薬品医療機器総合機構 医薬部外品 裁判によらずに
医薬品PLセンターに関する問題。ほぼ毎回出題される。
平成6年、製造物責任法(「PL法」)成立に当たり、「裁判によらない迅速、公平な被害救済システムの有効性に鑑み、裁判外の紛争処理体制を充実強化すること」が衆参両院で附帯決議され、各業界に対して裁判によらない紛争処理機関の設立が求められた。これを受けて、日本製薬団体連合会において、平成7年7月のPL法の施行と同時に開設された。
消費者が、医薬品又は医薬部外品に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、裁判によらずに迅速な解決に導くことを目的としている。
正答・・・4
問 114
(独)医薬品医療機器総合機構の「医薬品医療機器情報提供ホームページ」に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 新医薬品(要指導医薬品及び新一般用医薬品を含む。)等の承認情報が掲載されている。
2 医薬品等の製品回収に関する情報が掲載されている。
3 添付文書情報は掲載されているが、「医薬品・医療機器等安全性情報」は掲載されていない。
4 (独)医薬品医療機器総合機構では、医薬品・医療機器の安全性に関する情報について電子メールにより配信する医薬品医療機器情報配信サービスを行っており、薬局又は医薬品の販売業に従事する登録販売者は配信登録を行うことができる。
正確な知識を身に着けるのは大変だが、感じを捉えて正答に繋げたい。
「医薬品医療機器情報提供ホームページ」では、添付文書情報、厚生労働省より毎月発行される「医薬品・医療機器等安全性情報」のほか、要指導医薬品及び一般用医薬品に関連した以下のような情報が掲載されている。
○ 厚生労働省が製造販売業者等に指示した緊急安全性情報、「使用上の注意」の改訂情報
○ 製造販売業者等や医療機関等から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報
○ 新医薬品(要指導医薬品及び新一般用医薬品を含む。)等の承認情報
○ 医薬品等の製品回収に関する情報
○ その他、厚生労働省が医薬品等の安全性について発表した資料
1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。
時間があれば、直接サイトを眺めてみると良いでしょう。(独)医薬品医療機器総合機構ホームページ
なお、(独)医薬品医療機器総合機構の略称がPMDAであることは常識で知っておきたい。
4 正しい。医薬品医療機器情報配信サービスがあり、医療機関や学術団体等の関係者のほか、薬局又は医薬品の販売業に従事する専門家(薬剤師及び登録販売者)も行うことができる。
正答・・・3
問 115
薬事法第77条の4の2第2項の規定に基づく医薬品による副作用等の報告に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 報告期限は特に定められていないが、保健衛生上の危害の発生又は拡大防止の観点から、報告の必要性を認めた場合においては、適宜速やかに報告書を厚生労働省に送付することとされている。
b 複数の専門家が医薬品の販売等に携わっている場合であっても、医薬品の副作用等によると疑われる健康被害の情報に直接接した専門家1名から報告書が提出されれば十分であるが、報告様式の記入欄のすべてに記入が必要である。
c 安全対策上必要があると認められる場合は、医薬品の過量使用や誤用等によると思われる健康被害についても、報告する必要がある。
d 報告書の提出は、厚生労働省へ直接郵送する方法のみとなっている。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
医薬品による副作用等が疑われる場合の報告の仕方に関する問題
a 正しい。
b 誤り。報告様式の記入欄すべてに記入する必要はなく、購入者等(健康被害を生じた本人に限らない)から把握可能な範囲で報告がなされればよい。
c 正しい。
d 誤り。報告書の送付は、郵送又はファクシミリによるほか、「電子政府の総合窓口e-Gov」を利用して電子的に行うこともできる。
正答・・・4
問 116
医薬品副作用被害救済制度に関する記述のうち、正しいものはどれか。
1 給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料がある。すべての給付には請求期限があり、期限を過ぎた分については請求できないので注意する必要がある。
2 一般用医薬品の殺虫剤・殺鼠剤、一般用検査薬も救済制度の対象となる。
3 医薬品を適正に使用して生じた健康被害であれば、特に医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについても給付対象に含まれる。
4 無承認無許可医薬品(個人輸入により入手された医薬品などを含む。)の使用による健康被害については救済制度の対象から除外されている。
1 誤り。給付の種類:医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料については正しい。給付の請求期限については、障害年金、障害児養育年金は請求期限がない。
2 誤り。救済制度の対象とならない要指導医薬品又は一般用医薬品では、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)がある。
3 誤り。
4 正しい。製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品(いわゆる健康食品として販売されたもののほか、個人輸入により入手された医薬品を含む。)の使用による健康被害についても救済制度の対象から除外されている。
正答・・・4
問 117
医薬品の適正使用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 毎年6月20日~7月19日は、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動として国や自治体、関係団体等により薬物乱用防止の啓発活動が行われる。
b 毎年10月17日~23日は、「薬と健康の週間」として医薬品の適正使用のための啓発活動が行われる。
c 薬物乱用は、乱用者自身の健康を害するが、社会的な弊害を生じることはない。
d 医薬品の適正使用の重要性等に関して、小中学生のうちから啓発を行うことが重要である。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
a 正しい。「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し、薬物乱用防止を一層推進するため、毎年6月20日~7月19日までの1ヶ月間、国、自治体、関係団体等により「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されている。なんんとなくポスターを公共施設の掲示板で見かけたことがある人も多いはず。
b 正しい。医薬品の持つ特質及びその使用・取扱い等について正しい知識を広く生活者に浸透させることにより、保健衛生の維持向上に貢献することを目的とし、毎年10月17日~23日の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体等による広報活動やイベント等が実施されている。
c 誤り。常識的に考えれば良い。
d 正しい。
正答・・・5
問 118
医薬品の表示に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後( a )を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はないが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっている。
表示された「使用期限」は、( b )状態で保管された場合に品質が保持される期限である。
a b
1 1年 開封後の
2 2年 未開封
3 2年 開封後の
4 3年 開封後の
5 3年 未開封
使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。(確かに一昔前の漢方薬には期限が書かれていない製品も存在しました。)
但し、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっています。(配置販売される医薬品では、「配置期限」として記載)。
また、「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限であり、液剤などでは、いったん開封されると記載されている期日まで品質が保証されない場合があります。
(なお、ムヒこどもかぜシロップ等、市販シロップは、開封後約3か月以内が目安とされています。)
正答・・・5
問 119
一般用医薬品に対して実施された安全対策に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入る。
( a )含有医薬品については、2000年5月米国において、女性が( b )(我が国での鼻炎用内服薬等における配合量よりも高用量)として使用した場合に、出血性脳卒中の発生リスクとの関連性が高いとの報告がなされ、米国食品医薬品庁(FDA)から、米国内における( a )含有医薬品の自主的な販売中止が要請された。
我が国では( b )として承認されていないことなどから、同年11月、直ちに販売を中止する必要はないものとして、心臓病の人や脳出血の既往がある人等は使用しないよう注意喚起を行っていた。しかし、2003年8月までに( a )が配合された一般用医薬品による脳出血等の副作用症例が複数報告され、それらの多くが用法・用量の範囲を超えた使用又は禁忌とされている高血圧症患者の使用によるものであった。そのため、厚生労働省から関係製薬企業等に対して、使用上の注意の改訂、情報提供の徹底等を行うとともに、代替成分として( c )等への速やかな切替えにつき指示がなされた。
a b c
1 溶性ピロリン酸第二鉄 貧血用薬 プソイドエフェドリン塩酸塩
2 塩酸フェニルプロパノールアミン 食欲抑制剤 リゾチーム塩酸塩
3 溶性ピロリン酸第二鉄 貧血用薬 リゾチーム塩酸塩
4 塩酸フェニルプロパノールアミン 食欲抑制剤 プソイドエフェドリン塩酸塩
5 エチニルエストラジオール 避妊薬 エフェドリン塩酸塩
手引き丸写しの穴埋め問題である。この塩酸フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン塩酸塩に関する問題は頻出なので、しっかり理解しておく。
正答・・・4
問 120
一般用医薬品において、その成分としてロートエキスを含有する場合、添付文書の「相談すること」の欄に、「次の診断を受けた人」として記載されなければならない疾患名はどれか。
1 腎臓病
2 心臓病
3 てんかん
4 肝臓病
5 貧血
難しい部類に入る問題である。細かい知識なので、できなくてもしょうがない。
正答・・・2