六君子湯(胃腸虚弱・胃下垂・消化不良)

六君子湯は、胃の不調に用いられる漢方薬であり、特に虚弱体質の方に適するとされています。

医療用では良く用いられている漢方薬の一つであり、長期で服用するケースも多く、売上金額も胃の分野では一番です。(ツムラ社 2016年度第2四半期 IRデータより)

一般用医薬品としては、それ程知名度は高くありません。数社より販売されていますが、店舗でもPOP等で販促を行っているケースもあまり見かけません。
 
中医学では補気剤に分類されますが、構成生薬は以下の8種類です。(6種類じゃない!)

人参、白朮、茯苓、甘草、生姜、大棗(四君子湯)+半夏、陳皮
(四君子湯は、日本では一般的に人参、白朮、茯苓、甘草、生姜、大棗の6種類の生薬で構成されますが、このうち生姜・大棗は特に食品に近い生薬で、昔の中国では構成生薬としてカウントされなかったため、その他4種の生薬から、四君子湯と名付けられたとの説があります。ちなみに中医学の専門書では、四君子湯の構成生薬は生姜・大棗を除いた4種類で記載されていることがあります)

OTCでの販売はありませんが、消化不良向け(脾気虚)の「四君子湯」に、半夏、陳皮を加えることで、より適応範囲(脾胃両虚)を広め、吐気も抑えてあげる(半夏)ようなイメージを持つと良いでしょう。なお、この六君子湯には、大棗(ナツメ)、陳皮(みかんの皮)、生姜(ショウガ)、甘草(カンゾウ)等、食材に近い生薬が多く含まれていますが、煎じ薬は甘味もあり、とても飲みやすい味です。

出題の手引きの記載は以下の通り

「体力中等度以下で、胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえて疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいものの胃炎、胃腸虚弱、胃下垂、消化不良、食欲不振、胃痛、嘔吐に適すとされる。まれに重篤な副作用として、肝機能障害を生じることが知られている。」

出題頻度はそれ程高くない印象ですが、試験対策上、「胃下垂」が重要なキーワードになります。 
胃下垂とは胃が通常の場所よりも下に垂れ下がった状態です。
原因としては、胃を支える腹筋等の筋肉が落ちていたり、暴飲暴食やストレスによる消化不足等により起こると言われています。
胃下垂の状態自体は「病気」ではありませんが、胃の排出機能低下による膨満感やむかつき、食欲不振等を訴えることがあります。
また、胃に食べものが溜まると通常臍の上あたりが膨らみますが、胃下垂の人は胃が伸びて腸の側にまで位置している為、下腹部が膨らみます。その為、腸を圧迫することで便秘傾向になる場合もあります。

当サイトは試験対策向けの為、一般的な知識しか触れていませんが、興味のある方は色々ご自身で調べてみると良いでしょう。

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