H28 新潟県(北関東・甲信越)第4章 医薬品の適正使用と安全対策(問101-110)

問110(健康被害の報告)は迷う。

【問101】 一般用医薬品の添付文書に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 添付文書の重要な内容が変更された場合には、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされている。

b 添付文書の販売名の上部には、「使用にあたって、必要に応じてこの説明文書を読むこと。また、必要な時に読めるよう大切に保存すること。」の文言が記載される。

c 添付文書の内容は、医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、3年に1回定期的に改訂がなされる。

d 一般用医薬品を使用した人が医療機関を受診する際には、その添付文書を持参し、医師や薬剤師に見せて相談がなされることが重要である。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 正 誤

一般用医薬品の添付文書に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。これは正確に憶えていないと間違えやすい。添付文書の販売名の上部に記載されているのは「使用にあたって、この説明文書を必ず読むこと。また、必要なときに読めるよう大切に保存すること。」である。

c 誤り。添付文書の改訂については頻出ポイント。毎年出題されるつもりで憶える。改訂は「必要に応じて随時改訂」される。「定期的」ときたら誤り。
d 正しい。
 
正答・・・1

【問102】 医薬品の適正な使用のために必要な情報に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 要指導医薬品の添付文書や製品表示に記載されている適正使用情報は、医師、薬剤師、登録販売者等の専門家だけが理解できるような表現で記載されている。

b 医薬品は、効能・効果、用法・用量、起こり得る副作用等、その適正な使用のために必要な情報を伴って初めて医薬品としての機能を発揮するものである。

c 医薬品には、それに添付する文書又はその容器若しくは包装に、「用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意」の記載が義務づけられている。

d 一般用医薬品の添付文書や製品表示において、薬効名及びリスク区分の記載は省略されることがある。

    a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 正 誤

医薬品の適正な使用のために必要な情報に関する問題。

a 誤り。要指導医薬品も一般用医薬品と同様に一般の生活者に理解しやすい平易な表現で記載されている。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。
 
正答・・・4

【問103】 一般用医薬品の添付文書の使用上の注意に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 使用上の注意は、「してはいけないこと」、「相談すること」及び「その他の注意」から構成され、適正使用のために重要な項目は後段に記載されている。

b 「相談すること」の項に、「薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人」と記載がある医薬品では、他の医薬品でアレルギーの既往歴があるがその医薬品でアレルギーの既往歴がない人は、相談の対象とならない。

c 重篤な副作用として、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症が掲げられている医薬品では、アレルギーの既往歴がある人は使用しないこととして記載されている。

d 医療機関で治療を受けている人が、医療用医薬品と併用する場合、治療のために処方された医薬品の使用を自己判断で控えることは適当でないため、「相談すること」の項において、 「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」等として記載されている。

    a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 正 正 正 誤

一般用医薬品の添付文書の使用上の注意に関する問題。

a 誤り。前半部分は正しいが、適正使用のために重要と考えられる項目は前段に記載される。
b 誤り。そんなことはない。
c 正しい。皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症については第2章でも必須知識です。
d 正しい。


正答・・・4

【問104】 一般用医薬品の添付文書の使用上の注意に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 小児に使用される医薬品の「してはいけないこと」の項には、「服用前後は飲酒しないこと」といった小児では通常当てはまらない内容は記載されていない。

b 小児が使用した場合に特異的な有害作用のおそれがある成分を含有する医薬品では、通常、「次の人は使用(服用)しないこと」の項に「15 歳未満の小児」、「6歳未満の小児」等として記載されている。

c 異常なまぶしさを引き起こす成分が配合されている場合は、重大な事故につながるおそれがあるため、その症状の内容とともに「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」 の旨が記載されている。

    a b c
1 誤 正 正
2 正 誤 誤
3 誤 正 誤
4 誤 誤 正
5 正 誤 正

一般用医薬品の添付文書の使用上の注意に関する問題。

a 誤り。試験対策知識として押さえておこう。小児では通常当てはまらない内容でも、その医薬品の配合成分に基づく一般的な注意事項として記載される。
b 正しい。
c 正しい。例えば、鎮痙薬のブチルスコポラミン臭化物には、眩しさに関する注意が記載されている。

正答・・・

【問105】 一般用医薬品の添付文書に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 抗ヒスタミン薬を服用した際の眠気のような薬理作用から発現が予測され、容認される軽微な症状が持続又は増強した場合には、使用を継続しつつ専門家に相談するよう記載されている。

b 一般用検査薬では、検査結果が陰性であっても何らかの症状がある場合は、再検査するか又は医師に相談する旨等が記載されている。

c 一般用医薬品の添加物として配合されている成分は、医薬品医療機器等法の定めではなく、製薬企業界の自主申し合わせに基づいて記載されている。

d 一般用医薬品を使用した際に生じる軽微な症状のうち容認されるものについては、「次の症状が現れることがある」として記載されている。

    a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 正 正

一般用医薬品の添付文書に関する問題。
a 誤り。症状の持続や増強がみられた場合には、いったん使用を中止(×継続しない)した上で専門家に相談する。
b 正しい。
c 正しい。細かい知識だがその通りである。
d 正しい。

正答・・・5

【問106】 一般用医薬品(一般用検査薬を除く。)の添付文書に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 「効能又は効果」には、一般の生活者が自ら判断できる症状、用途等が示されている。

b 「用法及び用量」には、年齢区分、1回用量、1日の使用回数等について一般の生活者に分かりやすく、表形式で示されるなど工夫して記載されている。

c 「消費者相談窓口」には、製造販売元の製薬企業において購入者等からの相談に応じるための窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載されている。

d 「保管及び取扱い上の注意」には、医薬品を旅行や勤め先等へ携行する場合、別の容器に移すことがあるため、「携行時には他の容器に入れ替えて保管すること」と記載されている。

  a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 正 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 正

 一般用医薬品の添付文書、保管方法に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。常識的に判断できたでしょう。容器を移し替えると、中身が良くわからず誤用の原因となったり。また、移し替えた容器の湿気や汚れで、適切な品質が保持できなくなるおそれがある。保管方法については、シロップ剤以外は冷蔵庫での保管も不適であることも押さえておこう。
  
正答・・・3

【問107】 医薬品の製品表示に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 専門家への相談勧奨に関する事項については、記載スペースが狭く小さい場合には、「使用が適さない場合があるので、使用前には必ず医師、歯科医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」等と記載されている。

b 1回服用量中 0.01 mL のアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、アルコールを含有する旨及びその分量が記載されている。

c 使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後2年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。

d 表示された「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)

医薬品の製品表示に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。×0.01mL →0.1mL。
c 誤り。×2年→〇3年。使用期限については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。確かに一昔前の漢方薬など、実際に使用期限の書かれていない製品が存在していた。
さらに手引きには「(表示義務はなくても)流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっている。」と書かれている。
 流通管理はもちろんのこと、今の時代に使用期限の書いていないような商品は消費者が敬遠するので、実際には使用期限の記載のない製品は殆どないのが現状である。
d 正しい。

正答・・・2

【問108】 医薬品等に係る安全性情報に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 緊急安全性情報は、医療用医薬品や医家向け医療機器について情報提供するためのものであり、一般用医薬品に関係する情報が発出されることはない。

b 緊急安全性情報は、A4サイズの青色地の印刷物で、ブルーレターとも呼ばれる。

c 安全性速報は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について、一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な注意喚起が必要な場合、又は適正使用のための対応の注意喚起が必要な場合に作成される。

d 医薬品の製造販売業者は、医薬品の有効性及び安全性に関する事項その他医薬品の適正な使用のために必要な情報を収集し、検討するとともに、薬局開設者、店舗販売業者、配置販売業者及びそこに従事する薬剤師や登録販売者に対して、提供するよう努めなければならない。

    a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 正 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

医薬品等に係る安全性情報に関する問題。
緊急安全性情報と安全性速報はセットで違いを押さえておこう。
 
a 誤り。小柴胡湯の間質性肺炎(平成8年3月)のように、一般用医薬品でも緊急安全性情報が発出されたことがある。
b 誤り。緊急安全性情報は、A4サイズの黄色地の印刷物で、イエローレターとも呼ばれる。 A4サイズの青色地の印刷物で、ブルーレターと呼ばれるのは安全性速報である。
c 正しい。
d 正しい。
 
正答・・・5

【問109】 副作用情報等の収集に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 製造販売業者は、製造販売をし、又は承認を受けた医薬品について、その副作用等によるものと疑われる健康被害の発生を知ったときは、その旨を定められた期限までに都道府県知事に報告することが義務づけられている。

b 薬局開設者、医療施設の開設者、医薬品の販売業者又は医師、歯科医師、薬剤師その他の医薬関係者は、製造販売業者が行う情報収集に協力するよう努めなければならない。

c 登録販売者には医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づく副作用等の報告義務はない。

d 血液製剤等の生物由来製品を製造販売する企業に対して、当該企業が製造販売する生物由来製品の安全性について評価し、その成果を定期的に国へ報告する制度が導入されている。

    a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 正 誤

副作用情報等の収集に関する問題。
dの判断が迷うところだが、a,b,cがわかれば正答できる。

a 誤り。×都道府県知事→○厚生労働大臣
b 正しい。「努めなければならない」でOK。
c 誤り。登録販売者も「医薬品等安全性情報報告制度」に基づく報告を行う医薬関係者に位置づけられ、報告義務がある。
d 正しい。

正答・・・4

【問110】 医薬品等による健康被害が疑われる場合の報告又は副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 無承認無許可医薬品又は健康食品によると疑われる健康被害については、(独)医薬品医療機器総合機構に連絡することとなっている。

b 医薬品の副作用には、その医薬品の適応症状と見分けがつきにくい副作用の症状もあるので、注意が必要である。

c 複数の専門家が医薬品の販売に携わっている場合であっても、その医薬品の副作用等によると疑われる健康被害の情報に直接接した専門家1名からの報告書が提出されれば十分である。

d 薬局開設者は、保健衛生上の危害の発生又は拡大防止の観点から、報告の必要性を認めた場合においては、医薬品医療機器等法で定められた期限内に、報告書を(独)医薬品医療機器総合機構に送付することとされている。

    a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 正 誤

医薬品等による健康被害が疑われる場合の報告又は副作用(医薬品等安全性情報報告制度)に関する問題。

a 誤り。これは知らないと間違えやすい。無承認無許可医薬品又は健康食品によると疑われる健康被害については最寄りの保健所に連絡する。
b 正しい。
c 正しい。知らないと迷う。健康被害の情報に直接接した専門家1名から報告書が提出されれば十分である。
d 誤り。報告期限は特に定められていない。なお、報告様式の記入欄もすべて記載されていなくても良い。


正答・・・5
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