問75(循環器用薬)は難問。サービス問題は少ないが、頻出知識・医薬品で作問されている。
 【問71】 口腔咽喉薬及びうがい薬(含嗽薬)とその成分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 
 1 含嗽薬は、用時、水で希釈または溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。
 
 2 炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して、クロルヘキシジン塩酸塩が配合されている場合がある。
 
 3 殺菌消毒成分であるヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンCと反応すると褐変して殺菌作用が増強される。
 
 4 主として喉の痛みを鎮めることを目的とし、咳や痰に対する効果を標榜しない漢方処方製剤として、半夏厚朴湯、柴朴湯がある。
口腔咽喉薬及びうがい薬(含嗽薬)に関する問題。
 
 1 正しい。
 2 誤り。クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬については、口腔内に傷やひどいただれのある人では、強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。
 3 誤り。良く出題されている内容。ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると脱色を生じて殺菌作用が失われる。
 4 誤り。手引には「桔梗湯、駆風解毒散、駆風解毒湯、白虎加人参湯、響声破笛丸」の記載がある。中でも「桔梗湯」は風邪時の咽頭痛の漢方薬として知られている。
 
 正答・・・1
【問72】 苓桂朮甘湯に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
 
 a 体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ等に適すとされている。
 
 b 強心作用が期待される生薬が含まれている。
c 構成生薬としてダイオウを含むため、妊婦または妊娠していると思われる女性、授乳婦における使用に関して留意する必要がある。
 
 d 比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがある。
 
     a b c d
 1 正 誤 誤 正
 2 誤 正 誤 誤
 3 正 誤 正 正
 4 正 正 誤 誤
 5 誤 誤 正 誤
苓桂朮甘湯は「めまい・耳鳴り・動悸」の漢方薬として知られる。
 
 苓桂朮甘湯の構成生薬は4種類で
 ブクリョウ(茯苓)、ケイヒ(桂皮)、ソウジュツ(蒼朮)orビャクジュツ(白朮)、カンゾウ(甘草)から構成され、それぞれの頭文字からつけられた方剤名である。
 
 a 正しい。手引の記載通り。
 b 誤り。
 c 誤り。有無を問われる生薬としては、カンゾウ(甘草)、マオウ(麻黄)、ダイオウ(大黄)があるが、先述のとおりダイオウ(大黄)は含まない。
 d 正しい。
  ↓アマゾンサイト
 

 
 正答・・・1
【問73】 高コレステロール改善薬に含まれる成分に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
 
 a ビタミンB2はコレステロールから過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされる。
 
 b ビタミンEの摂取によって尿が黄色くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない。
 
 c ポリエンホスファチジルコリンは、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされる。
 
 d ソイステロールは、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。
 
 e 高コレステロール改善成分は、悪心(吐きけ)、胃部不快感、胸やけ、下痢等の消化器系の副作用が現れることがある。
 
 1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、e) 5(d、e)
a 誤り。これはビタミンE(トコフェロール)に関する内容。ビタミンB2の作用は掴みどころが難しいが、手引きでは「コレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を有する」と書かれている。
 b 誤り。尿が黄色くなるのはビタミンB2(リボフラビン)に関する説明である。
 
 c 正しい。リノール酸も同様な働きがある。
 d 誤り。大豆油不鹸化物(ソイステロール)は、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
 e 正しい。手引きでは、高コレステロール改善成分(ソイステロール、リノール酸を含む植物油、ポリエンホスファチジルコリン、パンテチン等)の消化器系の副作用について記述がある。
 
 なお、代表的商品としては 、パンテチン・ソイステロール・ビタミンEを配合したユンゲオール(第一三共)や、コレストン(久光)等がある。また、ポリエンホスファチジルコリンを用いた商品にシンプトップ(アルフレッサ)。
 昨今は、健康食品のような派手な通販向けテレビCMがうたれているが、今後この分野も進出してくるかもしれません。
 
 正答・・・4
 【問74】 貧血及び貧血用薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
 
 a コバルトは赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB6の構成成分である。
 
 b 鉄分は、赤血球が酸素を運搬する上で重要なヘモグロビンの産生に不可欠なミネラルである。
 
 c 貧血用薬(鉄製剤)の主な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている。
 
 d 貧血用薬(鉄製剤)服用の前後 30 分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が促進される。
 
     a b c d
 1 正 正 誤 誤
 2 正 誤 正 誤
 3 誤 正 正 正
 4 正 誤 正 正
 5 誤 正 誤 誤
貧血用薬に関する問題。
 
 a 誤り。コバルトは赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12 の構成成分。
 b 正しい。
 c 誤り。貧血用薬(鉄製剤)の主な副作用として、悪心(吐きけ)、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、便秘、下痢等の胃腸障害が知られている。
 d 誤り。鉄の吸収が阻害される。
 
 正答・・・5
【問75】 循環器用薬とその成分に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
 
 a コウカには、末梢の血行を促して鬱血を除く作用があるとされる。
 
 b ルチンはエネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、別名コエンザイムQ10 とも呼ばれる。
 
 c ヘプロニカートは、心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされる。
 
 d 七物降下湯は、小児向けの漢方処方ではなく、小児への使用は避ける必要がある。
 
 1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)
循環器用薬に関する問題。この分野ではユビデカレノンが超頻出。
 コウカ(紅花)、ルチン、ヘプロニカート、七物降下湯は、マイナーで難易度が高い。
a 正しい。コウカ(紅花)は血のめぐりを良くするイメージを持っていれば良い。
 ↓コウカの生薬画像
 
 b 誤り。別名コエンザイムQ10とくればユビデカレノン。
 ルチンはビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。ソバに含まれる事で有名で、血管強化作用や抗酸化作用をうたいサプリメントとして結構売られている。
 c 誤り。ユビデカレノンに関する内容。ヘプロニカートは、「ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。ビタミンEと組み合わせて用いられる場合が多い。」と書かれている。
 d 正しい。七物降下湯は小児では使用しない。
 
 正答・・・2
【問76】 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。
 
 体力中等度以下でのぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症に適すとされるが、胃腸の弱い人では悪心(吐きけ)、嘔吐、胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
 
 1 小青竜湯
 2 麦門冬湯
 3 加味逍遙散
 4 補中益気湯
 5 黄連解毒湯
婦人薬として使われる漢方薬いついての問題。選択肢に婦人薬は1種類なので、難易度は高くない。
 
 漢方薬の説明文は、すべて覚えようとはせずに、その効能を特徴づけるキーワードを押さえることが重要
 この場合、「更年期障害」「月経不順」から婦人薬とわかる。そして重要なキーワードは「精神不安やいらだちなどの精神神経症状」。これより婦人薬の中でもサイコ(柴胡)を含み、精神面での安定も図る加味逍遥散と判断できる。他の漢方薬(小青竜湯、麦門冬湯、補中益気湯、黄連解毒湯)も代表的なものなので大まかな効能は押さえておきたい。
 
 正答・・・3
【問77】 アレルギー及びアレルギー用薬に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
 
 a アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、肥満細胞を直接刺激し、ヒスタミン等の物質を遊離させる。
 
 b アレルゲンを厳密に特定するには医療機関における検査を必要とする。
 
 c アレルギー症状が現れる前から予防的に一般用医薬品のアレルギー用薬を使用することは適当であるが、登録販売者の指導の下で行われる必要がある。
 
 d 蕁麻疹についてはアレルゲンとの接触以外に、皮膚への物理的な刺激によって生じるものも知られている。
 
 1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d) 
アレルギー用薬に関する問題。
 
 1 誤り。深い知識が求められ難しい。アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫グロブリン(抗体)によって肥満細胞が刺激され、細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質であるヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する。 
 2 正しい。
 3 誤り。慢性蕁麻疹の予防等を行うには、医療機関を受診する。
 4 正しい。例えば物理的刺激による寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、心因性蕁麻疹等がある。
 
 正答・・・3
【問78】 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)に含まれる成分と、その主な配合目的に関する次の組み合わせのうち、正しいものはどれか。
    成分     主な配合目的
 1 アゼラスチン - 抗ヒスタミン作用
 2 ジフェンヒドラミン塩酸塩 - 抗炎症作用
 3 ヨウ化イソプロパミド - ビタミン補給
 4 ニコチン酸アミド - 抗コリン作用
 5 ブロメライン - 抗コリン作用
内服アレルギー用薬に関する問題。
 
 1 正しい。アゼラスチンは第2世代の抗ヒスタミン薬。一般用医薬品では主流ではなく配合製品も限られる。医療用でも、現在それ程使用されていないようです。
 2 誤り。ジフェンヒドラミン塩酸塩は代表的な抗ヒスタミン薬の一つである。睡眠改善薬や外用かゆみ止めの成分としても押さえておきたい。
 3 誤り。ヨウ化イソプロパミドは抗コリン薬である。総合感冒薬にも配合されている場合もある。
 
 4 誤り。ニコチン酸アミドはビタミン成分
 5 誤り。ブロメラインは抗炎症成分。
 
 正答・・・1
【問79】 鼻に用いる薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
 
 a アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
 
 b ヒスタミンの遊離を抑える成分は、アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しても有効である。
 
 c セチルピリジニウム塩化物は、黄色ブドウ球菌または溶血性連鎖球菌に対して殺菌消毒作用を示すほか、結核菌やウイルスにも効果がある。
 
 d アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は鼻腔内に適用される外用液剤であり、局所的な作用を目的としているため、全身的な影響を生じることはない。
 
     a b c d
 1 正 正 誤 正
 2 誤 正 正 誤
 3 正 誤 正 誤
 4 誤 正 誤 正
 5 正 誤 誤 誤
a、bだけわかれば正答できる問題
 
 a 正しい。アドレナリン作動性点鼻薬に関する内容。二次充血についてはナファゾリン塩酸塩を確認しておこう。
 b 誤り。
 c 誤り。セチルピリジニウム塩化物は点鼻薬に配合される殺菌消毒成分。前半部分は正しいが、結核菌やウイルスには効果はない。
 d 誤り。
 
 正答・・・5
【問80】 一般用検査薬に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
 
 1 一般用検査薬は、自覚症状が現れたあとに、一般の生活者が疾病の診断を行うことを目的とするものである。
 
 2 検査薬の検出反応が起こるための最低限の濃度を検出感度(または検出限界)という。
 
 3 通常、尿は弱アルカリ性であるが、食事その他の影響で中性~弱酸性に傾くと、尿糖・尿タンパク検査において正確な検査結果が得られなくなることがある。
 
 4 妊娠検査薬は、その結果をもって直ちに妊娠しているか否かを断定することができる。
一般用検査薬(妊娠検査薬、尿糖・尿タンパク検査薬)に関する問題。
 
 1 誤り。「一般用検査薬は、一般の生活者が(自覚症状が現れたあとでなく)日常において自らの体調をチェックすることを目的とするものであり、その検査結果から必要に応じて医療機関を受診し、疾患等の早期発見につなげることができるようにするものである。」
 2 正しい。検出感度、偽陰性・偽陽性については意味を押さえておく。
 3 誤り。頻出知識である。通常、尿は弱酸性であるが、食事その他の影響で中性~弱アルカリ性に傾くと、正確な検査結果が得られなくなることがある。
 4 誤り。
 
 正答・・・2
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