H27 山形県(北海道・東北)第2章 人体の働きと医薬品(問61-70)

文章を良く読んで、ポカミスしないように注意。十分対策していれば10問正解も可能

問 61 口腔又は咽頭に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 舌の表面には、舌乳頭という無数の小さな突起があり、味覚を感知する部位である味蕾が分布している。

b 歯冠の表面はエナメル質で覆われ、エナメル質の下には象牙質と呼ばれる硬い骨状の組織がある。

c 唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素のペプシンが含まれる。

d 唾液によって口腔内はpHがアルカリ性に保たれ、酸による歯の齲蝕を防いで いる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

口腔又は咽頭に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。ペプシンは胃に関連する酵素であることにすぐ気づきたい。唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう。)が含まれる。
d 誤り。唾液によって口腔内はpH がほぼ中性に保たれ、酸による歯の齲蝕を防いでいる。

正答・・・1

問 62 胃に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 胃は上腹部にある中空の臓器で、中身が空の状態では扁平に縮んでいるが、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の横紋筋が弛緩し、容積が拡がる。

b 胃液による消化作用から胃自体を保護するため、胃の粘膜表皮を覆う細胞から粘液が分泌されている。

c 胃内容物の滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長い。

d 胃酸は、胃内を強酸性に保って内容物に腐敗や発酵を起こさせる役目も果たしている。

  a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正


胃に関する問題。

a 良く読まないと判断を誤る。胃壁の×横紋筋→〇平滑筋
b 正しい。
c 正しい。脂肪の方が遅いことはしっかり憶えておきたい。
d 誤り。勘違いしやすいので注意。胃酸は胃内を強酸性に保って内容物に腐敗や発酵を起こさせないようにする

正答・・・4

問63 小腸に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 小腸は、全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれ る。

b 腸の内壁からは腸液が分泌され、十二指腸で分泌される腸液に含まれる成分の働きによって、膵液中のトリプシノーゲンがトリプシンになる。

c 小腸では主に水分とナトリウム、カリウム、リン酸等の電解質の吸収が行われる。

d 十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は絨毛に覆われてビロード状になっている。

    a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

小腸に関する問題。

a 正しい。小腸の長さを参照
b 正しい。
c 誤り。水分とナトリウム、カリウム、リン酸等の電解質の吸収が行われるのは大腸
d 正しい。

正答・・・2

問 64 膵臓に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を大腸へ分泌する。

b 膵液は弱アルカリ性で、胃で酸性となった内容物を中和するのに重要である。

c 膵液は、デンプンを分解するアミラーゼ、脂質を分解するリパーゼなど、多くの消化酵素を含んでいる。

d 膵臓は消化管であるとともに、血糖値を調整するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。

  a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

膵臓に関する問題。

a 誤り。膵液は大腸ではなく、十二指腸へ分泌される。
b 正しい。。膵液は弱アルカリ性で、胃で酸性となった内容物を中和するのに重要。
c 正しい。デンプンを分解するアミラーゼ(膵液アミラーゼ)、脂質を分解するリパーゼ。
d 誤り。×消化管→〇消化腺 良く読まないと「正しい」にしてしまうので注意。

正答・・・4

問 65 胆汁に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 胆汁は、胆嚢で産生され濃縮される。

b 胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、脂質の消化を容易にし、また、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。

c 腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、糞便として体外に排出される。

d 胆汁には、赤血球中のヘモグロビンが分解されて生じた老廃物や過剰のコレステロール等を排出する役割もある。

    a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 正 正 誤

胆汁に関する問題。

a 誤り。胆嚢は、肝臓で産生された胆汁を濃縮して蓄える器官で、十二指腸に内容物が入ってくると収縮して腸管内に胆汁を送り込む。
b 正しい。
c 誤り。腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される(腸肝循環)
d 正しい。

正答・・・4

問 66 肝臓に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a ヘモグロビンが分解して生じたアンモニアは、肝臓で代謝されるが、肝機能障害や胆管閉塞などを起こすとアンモニアが循環血液中に滞留して、黄疸を生じる。

b 皮下組織等に蓄えられた脂質は、一度肝臓に運ばれてからエネルギー源として利用可能な形に代謝される。

c 肝臓は、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D等のほか、ビタミンB6やB12 等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある。

d 胆汁酸やホルモンなどの生合成の出発物質となるコレステロール等、生命維持に必須な役割を果たす種々の生体物質は、肝臓において産生される。

    a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 正 正 誤

肝臓に関する問題。

a 誤り。これは気付くでしょう。×アンモニア→〇ビリルビン。
b 正しい。他に、ブドウ糖が重合してできた高分子多糖(グリコーゲン)も区別して憶えておく。
c 正しい。
d 正しい。肝臓では、コレステロール、フィブリノゲン等の血液凝固因子、アルブミン等、必須アミノ酸以外のアミノ酸を産生することができる。

正答・・・3

問67 大腸に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器である。

b 大腸の腸内細菌は、細胞膜の酸化予防や過酸化脂質の抑制に必要なビタミンK等を産生している。

c S状結腸に溜まった糞便が直腸へ送られてくると、その刺激に反応して便意が起こる。

d 大腸は栄養分の吸収に重要な器官であるため、内壁の表面積を大きくする構造を持つ。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

大腸に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。大腸でビタミンKは産生されるが、ビタミンKは血液凝固や骨へのカルシウム定着に必要なビタミンである。
c 正しい。
d 誤り。これは小腸に関する説明。大腸には小腸のような表面積を大きくする絨毛がない。

正答・・・2

問68 呼吸器系に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 鼻汁は、鼻から吸った空気に湿り気を与えたり、粘膜を保護するため、常に少しずつ分泌されている。

b 鼻腔はリンパ組織が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。

c 肺では、肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。

d 咽頭は、発声器としての役割もあり、呼気で咽頭上部にある声帯を振動させて声が発せられる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

呼吸器系に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。これは扁桃に関する内容
c 正しい。
d 誤り。これは喉頭に関する内容

正答・・・2

問 69 循環器系に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の右側部分(右心房、右心室)に入り、そこから全身に送り出される。

b 血液が血管中を流れる方向は一定しており、心臓から拍出された血液を送る血管を静脈、心臓へ戻る血液を送る血管を動脈という。

c 古くなった赤血球は、脾臓で濾し取られて処理される。

d グロブリンは、血液の浸透圧を保持する働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。

    a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 正 正 誤
5 誤 誤 正 誤

循環器系に関する問題。

a 誤り。中学校の授業で憶えている人も多いでしょう。右左が逆。「肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出される。」
b 誤り。これも中学校の授業レベルの知識。動脈・静脈が逆。なお血圧測定は通常上腕部の動脈で行う。
c 正しい。「赤血球には柔軟性があるので脾臓内の網目構造をすり抜けられるが、古くなって柔軟性が失われた赤血球は引っかかり、脾臓の組織に存在するマクロファージ(貪食細胞)によって壊される。」
d 誤り。これはアルブミンに関する内容。

正答・・・5

問 70 目に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、2つの( b )には同じ字句が入る。

角膜に射し込んだ光は、角膜、房水等を透過しながら屈折して( a ) に焦点を結ぶが、主に( b )の厚みを変化させることによって、遠近の 焦点調節が行われている。 ( b )は、その周りを囲んでいる( c )の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平にな る。

  a  b   c
1 網膜 水晶体 毛様体
2 網膜 硝子体 毛様体
3 結膜 水晶体 眼筋
4 結膜 硝子体 毛様体
5 網膜 水晶体 眼筋

目の構造に関する基本的な問題

a 網膜
b 水晶体
c 毛様体

正答・・・1

 


 

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