H27 山形県(北海道・東北)第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識(問11-20)
「薬害の歴史」、問11(栄養機能食品)、問14(一般用医薬品の定義)の知識があれば、10問正答も可能。
問 11 食品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 生薬成分等については、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、 食品(ハーブ等)として流通可能なものもあり、そうした食品を合わせて摂取すると、生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。
b 栄養機能食品については、各種ビタミン、ミネラルに対して「特定の保健機能の表示」をすることができる。
c 健康補助食品(いわゆるサプリメント)の中には、誤った使用法により健康被害を生じた例が報告されている。
d いわゆる健康食品は、法的にも、また安全性や効果を担保する科学的データの面でも医薬品とは異なるものである。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 正 誤 正
a 正しい。
b 誤り。「栄養機能食品」は各種ビタミン、ミネラルに対して「栄養機能の表示」をすることができる。「特定の保健機能の表示」ができるのは「特定保健用食品」。
c 正しい。
d 正しい。
正答・・・2
問 12 プラセボ効果(偽薬効果)に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わ せはどれか。
a プラセボ効果によってもたらされる反応や変化は、望ましい効果のみである。
b プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化等が関与して生じると考えられている。
c 医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化は、薬理作用によるもののほか、 プラセボ効果によるものも含まれる。
d プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として確実に現れる。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)
頻出のプラセボ効果に関する問題。
a 誤り。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。
正答・・・3
問 13 医薬品の品質に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 医薬品が保管・陳列される場所については、清潔性が保たれるとともに、医薬品は高温、多湿、直射日光等の下に置かれることがないよう留意しなければならない。
b 医薬品は、適切な保管・陳列がなされていれば、経時変化による品質の劣化は発生しない。
c 一般用医薬品では、購入後すぐに使用されるとは限らないため、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされることが重要である。
d 表示されている「使用期限」は、開封した状態で保管された場合に品質が保持さ れる期限である。
1(a、c) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d)
常識的な感覚で考えれば十分正答できます。
a 正しい。
b 誤り。
c 正しい。
d 誤り。未開封の状態で保管された場合である。
正答・・・1
問 14 以下の記述は、医薬品医療機器等法第4条第5項第4号に規定されている一般用医薬品の定義に関するものである。( )に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が( a )ものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(( b )を除く。)をいう。
a b
1 緩和な 要指導医薬品
2 著しくない 要指導医薬品
3 著しい 要指導医薬品
4 著しくない 第1類医薬品
5 緩和な 第1類医薬品
これは、知らないと正答できない。
第4条第5項第4号には
「「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」
とあります。あまり考えずに憶えてしまった方が楽です。また、要指導医薬品は、一般用医薬品の枠組みに含まれないことは重要です。
正答・・・2
問 15 サリドマイドに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a サリドマイドは、鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されていた。
b 妊娠している女性がサリドマイド製剤を摂取し、胎児に四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生した。
c サリドマイド製剤による催奇形性が報告されて、日本ではすぐに販売停止及び回収措置が行われたため、その後の被害拡大が最小限に抑えられた。
d サリドマイドは、妊娠している女性が摂取した場合、胎児の血液と母体の血液が混ざらない仕組みである血液-胎盤関門を通過して胎児に移行する。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 誤 正 正
3 正 正 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 正 正 誤 正
後半の薬害の歴史問題の一つ「サリドマイド」に関する問題。主要ポイントを押さえておけば余裕。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。1961年11月、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、西ドイツでは製品が回収されるに至った。同年12月にはドイツ企業より勧告が届いていたが、日本では出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置は同年9月であるなど、対応の遅さが問題視されていた。
d 正しい。
正答・・・5
問 16 スモンに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 スモン訴訟、サリドマイド訴訟を契機として、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
2 スモンはその症状として、初期に腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、 次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。
3 スモン訴訟とは、抗生物質として販売されたペニシリン製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
4 スモン患者に対しては、治療研究施設の整備、治療法の開発調査研究の推進、施術費及び医療費の自己負担分の公費負担等の制度が設けられている。
これも薬害の歴史問題の一つ「スモン訴訟」に関する問題。
3がすぐに誤りと気付きたい。×ペニシリン製剤→〇キノホルム製剤である。
正答・・・3
問 17 HIV訴訟に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい 組み合わせはどれか。
HIV訴訟は、( a )患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した 原料( b )から製造された( c )製剤の投与を受けたことにより、H IVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
a b c
1 血友病 血小板 アルブミン
2 白血病 血漿 血液凝固因子
3 血友病 血漿 アルブミン
4 白血病 血小板 アルブミン
5 血友病 血漿 血液凝固因子
3つ目はHIV訴訟に関する内容。これも基本知識だけの簡単な問題。
正答・・・5
問 18 薬害に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 生物由来の医薬品等によるヒト免疫不全ウイルス(HIV)やクロイツフェル ト・ヤコブ病(CJD)の感染被害が多発したことから、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。
b HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策のほか、医薬品の副作用等による健康被害の再発防止に向けた取り組みも進められ、承認審査体制の充実、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告の義務づけを行っている。
c サリドマイド事件をきっかけとして、世界保健機関(WHO)加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。
d 過去の薬害の原因となった医薬品は、すべて医療用医薬品である。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 正 正
「薬害の歴史」4題目は総合問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。良く問われている内容。サリドマイド製剤、キノホルム製剤については、一般用医薬品としても販売されていた製品もあった。
正答・・・2
問 19 セルフメディケーションに関する以下の記述について、( )の中に入れ るべき字句の正しい組み合わせはどれか。
世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康 に( a )を持ち、( b )な身体の不調は( c )で手当てする」 こととされている。
a b c
1 自信 軽度 医療機関
2 責任 軽度 自分
3 責任 重度 医療機関
4 自信 重度 自分
5 責任 重度 自分
WHOのセルフメディケーションに関しても良く出題される。
世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てする」こととされている。
正答・・・2
問 20 一般用医薬品の役割に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 健康状態の自己検査
2 健康の維持・増進
3 重度な疾病の治療
4 生活の質(QOL)の改善・向上
サービス問題。いくらなんでも受験生に失礼では、と思ってしまう。
正答・・・3