登録販売者試験で詳細な違いを問われる事はありませんが、病原体である「細菌」「ウイルス」「真菌」の違いは、一度簡単に違いを整理しておくと良いでしょう。
特にウイルス・細菌は、テレビ番組で明らかに混同・間違った発言がされていても、訂正されることもなく、ほぼスルーされていますので、大部分の一般人の方は、ほぼ区別がついていないと思ってよいでしょう。
また、この3つの中では真菌(カビ)が一番馴染みがない方が多いと思いますが、一番身近でわかりやすい例に、白癬菌(はくせんきん)があります。俗に「水虫」と言われるものです。
また、問題作成の手引きによると、かぜの約8割はウイルス(ライノウイルス,コロナウイルス,アデノウイルスなど)の感染が原因であると言われていますが、いわゆる抗生物質は細菌には効果がありますが、ウイルスには効きません。
ここでは主な違いについて、ポイントを3つを挙げてみました。
①大きさの違い
ウイルス < 細菌 < 真菌(カビ)
②構造の違い
ウイルスには細胞膜がない。単独では増殖できない為、宿主(人・動物)に侵入して増殖する。
細菌・真菌には、細胞膜・細胞壁もあり、単独でも生きていられる。
③治療薬
細菌には抗生物質、真菌には抗真菌薬が多数存在するが、抗ウイルス薬の種類は比較すると少ない。
一般に、抗ウイルス薬は、抗菌薬(抗生物質)や抗真菌薬に比べ、開発が難しいとされています。
医療用の抗ウイルス薬としては、抗インフルエンザ薬のオセルタミビル(タミフル🄬)や、ヘルペスに使われるアシクロビル(ゾビラックス🄬)、バラシクロビル(バルトレックス🄬)等がある。
また、近年登場したものに、 新型コロナウイルス感染症 に対する薬のモルヌピラビル (ラゲブリオ®)や、エンシトレルビルフマル酸 (ゾコーバ®)などがあります。
●ウイルス、細菌、真菌の違い(Gemini2.5により作成)
特徴 | ウイルス(Virus) | 細菌(Bacterium) | 真菌(Fungus) |
細胞の有無 | なし(遺伝情報とタンパク質の殻) | あり(単細胞) |
あり(単細胞または多細胞)
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分類 | 非生物に近い(厳密には生物ではないとされることも) | 原核生物 | 真核生物 |
大きさ | 最も小さい(電子顕微鏡が必要) | ウイルスより大きい(光学顕微鏡で可) |
細菌より大きい(光学顕微鏡で可、肉眼で見えることも)
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自己増殖 | できない(宿主細胞に寄生して増殖) | できる(独立して増殖) |
できる(独立して増殖)
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治療薬 | 抗ウイルス薬 | 抗生物質(抗菌薬) | 抗真菌薬 |