五積散(腰痛・関節痛・月経痛・更年期・感冒)

特徴が掴みづらくOTCで販売するのは難しい。

五積散は、中医学での「寒・湿・気・血・痰」の五積に対処するというところから名付けられています。これらの邪気の積滞を除くことで、症状が改善すると考えられています。

登録販売者試験では「婦人薬」の分野に記載されています。ただし、婦人薬というよりも、どちらかといえば腰痛向けの方が知られているかもしれません。特に体が冷えて痛みが出やすい場合に適するとされています(寒邪)。
例えば、松浦の市販品の外箱には「腰痛・神経痛・関節痛」と書かれています。また、医療用でも整形外科領域で処方されることがあります。

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他に、感冒にも用いられますが、使いどころが難しく専門家以外では積極的に使用されている印象はありません。
 
このように適応範囲が広いぶん、逆に特徴が掴めず、正直OTCとしては販売しづらい漢方薬かもしれません。
 
構成生薬は大変多く、20種類近くあります。(販売メーカーにより若干異なる)

 蒼朮(ソウジュツ)、陳皮(チンピ)、当帰(トウキ)、半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、甘草(カンゾウ)、桔梗(キキョウ)、枳実(キジツ)、桂皮(ケイヒ)、厚朴(コウボク)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)、川きゅう(センキュウ)、大棗(タイソウ)、白シ(ビャクシ)、麻黄(マオウ)・・・
 
登録販売者試験では、時折出題されます。手引きの内容は以下の通り

「体力中等度又はやや虚弱で冷えがあるものの胃腸炎、腰痛神経痛関節痛、月経痛、頭痛、更年期障害感冒に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、不向きとされる。構成生薬としてマオウを含む。」

これと言った特徴的なキーワードがなく、特徴は掴みづらくなっています。なお、平成29年九州地区において、マオウ(麻黄)の有無が問われたことがあります。

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