H27 東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県 第4章 薬事に関する法規と制度 (問51-60)
問56(特定販売の使用期限表示)問59(監視指導)は難しい。
問51 店舗販売業に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 店舗販売業の店舗において、薬剤師が従事する場合は、医療用医薬品を販売することができる。
b 第二類医薬品又は第三類医薬品を販売し、授与する店舗の店舗管理者は、薬剤師又は登録販売者でなければならない。
c 店舗販売業者は、要指導医薬品については薬剤師に販売又は授与させなければならないが、一般用医薬品である第一類医薬品については、店舗に薬剤師がいない場合でも、 登録販売者に販売又は授与させることができる。
d 店舗管理者は、その店舗の所在地の都道府県知事(その店舗の所在地が保健所を設置 する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。)の許可を受けた場合を除き、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
店舗販売業の基本的知識に関する問題。絶対落とさないように。
「店舗販売業」と「薬局」の違いは、しっかり把握しておく。
a 誤り。「店舗販売業」では、薬局と異なり、薬剤師が従事していても調剤も、医療用医薬品の販売もできない。
b 正しい。基本的知識です。
c 誤り。これも基本知識。要指導医薬品及び第一類医薬品は、その店舗に薬剤師がいない場合は、販売又は授与できない
d 正しい。店舗管理者は、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。
正答・・・4
問52 配置販売業に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 配置販売業は、購入者の居宅等に医薬品をあらかじめ預けておき、購入者がこれを使用した後でなければ代金請求権を生じないといった販売形態である。
b 配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。
c 配置販売業者が、店舗による販売又は授与の方法で医薬品を販売等しようとする場合には、別途、薬局の開設又は店舗販売業の許可を受ける必要はない。
d 配置販売業者又はその配置員は、医薬品の配置販売に従事したときは、配置販売業者の氏名及び住所等を、従事後30日以内に、配置販売に従事している区域の都道府県知事に届け出なければならない。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 正
3 誤 誤 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
特に都心部在住の受験生には馴染みのない配置薬販売業に関する問題。基本知識なので、この問題に登場する内容はすべて押さえておきたい。
a 正しい。いわゆる「先用後利」(せんようこうり)に関する記述。良く問われる内容。
b 正しい。「都道府県知事が発行する身分証明書」も良く出題されるキーワード
c 誤り。別途許可をうける必要がある。
d 誤り。過去の試験より度々問われている内容。「従事後30日以内」ではなく「あらかじめ」届け出る。
正答・・・1
問53 医薬品医療機器等法に基づく一般用医薬品のリスク区分に応じた情報提供等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 店舗販売業者が第一類医薬品の販売に際し、購入者から説明を要しない旨の意思表明があり、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師が、当該第一類医薬品が適正に使用されると認められると判断した場合には、必要な情報の提供はしなくてもよい。
b 店舗販売業者は、その店舗において第三類医薬品を購入した者から相談があった場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させるよう努めなければならない。
c 店舗販売業者は、指定第二類医薬品を販売又は授与する場合には、当該指定第二類医薬品を購入しようとする者等が、禁忌事項を確実に確認できるようにするために必要な措置を講じなければならない。
a b c
1 正 誤 正
2 正 誤 誤
3 誤 正 正
4 誤 正 誤
5 正 正 正
リスク区分に応じた情報提供方法に関する問題。これも基本的な知識ばかり。
a 正しい。第1類医薬品の販売に関する例外ルールとして認められている。
b 誤り。これも良く出るひっかけ問題。「努めなければならない」がダメ。医薬品の使用者から相談があった場合は努力義務ではなく、必ず情報の提供(義務)を行わなければならない。
c 正しい。指定第二類医薬品⇒禁忌事項の確認も、頻出内容
正答・・・1
問54 店舗販売業における要指導医薬品及び一般用医薬品の陳列に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品を他の物と区別して陳列しなければならない。
b 要指導医薬品を要指導医薬品陳列区画の内部の陳列設備、かぎをかけた陳列設備、又は要指導医薬品を購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列しなければならない。
c 第一類医薬品を薬局等構造設備規則に規定する「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。
d 要指導医薬品及び一般用医薬品を混在させないように陳列しなければならない。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 正 正
5 正 誤 誤 誤
店舗販売業における医薬品の陳列方法に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならないのは指定第2類医薬品に関するもの。
第一類医薬品は、要指導医薬品と同様に、内部の陳列設備、かぎをかけた陳列設備、又は要指導医薬品を購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列する。
d 正しい。要指導医薬品は一般用医薬品と混在しないように陳列しなければならない。
正答・・・1
問55 医薬品医療機器等法に基づき、店舗販売業者が掲示しなければならない次の事項のうち、 誤っているものはどれか。
1 店舗に勤務する者の名札等による区別に関する説明
2 相談時及び緊急時の電話番号その他連絡先
3 店舗に勤務する登録販売者の実務経験年数及び研修の受講履歴
4 要指導医薬品の陳列に関する解説
5 個人情報の適正な取扱いを確保するための措置
薬局又は店舗における掲示に関する問題。
出題の手引きに書かれている全ての内容を憶えるのは大変だが、消去法的に誤りの選択肢は選べたでしょう。
機会があれば、ドラックストアの中の掲示内容を実際に見てみると良い。
1 正しい。「薬剤師」「登録販売者」の名札区分等について掲示する。
2 正しい。
3 誤り。勤務する登録販売者の氏名、担当業務を掲示する必要はあるが、実務経験年数や研修受講履歴の掲示は必要ない。
4 正しい。
5 正しい。
正答・・・3
問56 医薬品医療機器等法に基づき、薬局開設者が特定販売を行うことについて広告をする際に、インターネットを利用する場合のホームページに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 都道府県知事及び厚生労働大臣が容易に閲覧することができるホームページで行わなければならない。
b 現在勤務している薬剤師又は登録販売者の別、その氏名及び顔写真を表示しなければならない。
c 薬局の主要な外観の写真を表示しなければならない。
d 特定販売を行う薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬を除く。)又は一般用医薬品の使用期限を表示しなければならない。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 誤 誤 誤
特定販売(ネット販売)に関する問題。d(使用期限)は迷った人も多いでしょう。
初めての受験生は、手引きだけでなく、実際にネット販売を行っているサイトを確認してみると良い。
a 正しい。
b 誤り。前半部分は正しいが、顔写真を掲載する必要はない。
c 正しい。薬局の主要な外観の写真及び、一般用医薬品の陳列の状況を示す写真を表示する必要がある。
なお、ネット販売を行うには実店舗での販売実施も必要だが、形式的な店舗販売のためか、陳列の状況を示す写真は、驚くほど貧弱な陳列写真のところが多い。
d 正しい。ケンコーコム等のネット販売サイトを見ても「そんなの書いてある?」と思い迷った人も多いでしょう。これも正しい。
通常個々の製品のページに使用期限を表示されることはないが、店舗概要のページ等に、「使用期限まで〇〇日以上ある医薬品をお届けします。」というような形で記載されている。
正答・・・2
問57 医薬品医療機器等法に基づき、薬局開設者が、一般用医薬品のうち、濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定している医薬品を販売する場合、薬剤師又は登録販売者に確認させなければならないとされている次の事項の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が若年者である場合にあっては、当該者の年齢及び保護者連絡先
b 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者及び当該医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入又は譲受けの状況
c 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする場合は、その理由
a b c
1 正 正 誤
2 誤 誤 正
3 誤 正 誤
4 誤 正 正
5 正 誤 誤
濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定している医薬品の販売に関する問題
濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品は以下のとおり(その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤も含む)
・エフェドリン
・コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ブロムワレリル尿素
・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)
a 誤り。若年者である場合にあっては、当該者の氏名・年齢を確認する。
b 正しい。
c 正しい。
正答・・・4
問58 医薬品の広告に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a チラシやパンフレット等の同一紙面に、一般用医薬品と、食品、化粧品、雑貨類等の医薬品ではない製品を併せて掲載してはならない。
b 漢方処方製剤等で、効能効果に一定の前提条件(いわゆる「しばり表現」)が付されている一般用医薬品について、しばり表現を省いて広告することが認められている。
c 医薬品の販売広告に関しては、不当な表示による顧客の誘因の防止等を図るため「不当景品類及び不当表示防止法」や「特定商取引に関する法律」の規制もなされている。
d 医薬関係者、医療機関、公的機関、団体等が、公認、推薦、選用等している旨の広告については、原則として不適当である。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)
医薬品の広告に関する問題
a 誤り。ふつうにドラックストアのチラシの中に一般品と医薬品が同一紙面に載っている。
b 誤り。漢方のしばり表現は頻出。しばり表現とは「比較的体力があり~」や「疲れやすく冷えやすいものの~」「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人における~」など、その漢方薬が適するとされる人の体質・症状をしめすものである。
c 正しい。
d 正しい。これはトクホのCMのイメージから、なんとなく迷った人も多いでしょう。医薬品では原則として不適当。
正答・・・5
問59 医薬品医療機器等法に基づく行政庁の監視指導及び処分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 都道府県知事は、配置販売業者に対して、その構造設備が基準に適合しない場合、その構造設備の改善を命じることができる。
b 都道府県知事(その店舗の所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。)は、店舗販売業の一般用医薬品の販売等を行うため、店舗管理者に対して、その業務体制の整備を命ずることができる。
c 厚生労働大臣は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、薬局開設者に対して医薬品の販売の一時停止を命ずることができる。
d 都道府県知事(その薬局の所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。)は、薬事監視員に、薬局開設者が開設する薬局に立ち入りさせ、帳簿書類を収去させることができる。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
細かい知識が問われており、かなり難しい。
a 誤り。都道府県知事等は、薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、その構造設備の改善命じることができるが、配置薬販売業は対象外。
b 誤り。もっともらいしい文章だが、命じる相手は「店舗管理者」ではなく「薬局開設者又は医薬品の販売業者」
c 正しい。
d 誤り。薬事監視員に関する記述。薬事監視員は帳簿書類を収去の権限はないが、検査することはできる。なお、無承認無許可医薬品、不良医薬品又は不正表示医薬品等の疑いのある物品は、試験のため必要な最少分量に限り収去させることができる。
正答・・・3
問60 苦情相談窓口に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 生活者から行政庁へ寄せられた医薬品販売業者が行う広告や医薬品の販売方法に関しての苦情や相談の内容から、薬事に関する法令違反が見出されることがある。
b 消費生活センターは生活者へのアドバイスを行っているが、行政庁へ通報を行うことはない。
c 医薬品の販売関係の業界団体において、一般用医薬品の販売等に関する苦情相談窓口を設置し、自主的なチェックを図る取り組みもなされている。
a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 正 誤 誤
4 誤 正 正
5 誤 誤 誤
特別知識がなくても、なんとく判断できる内容。
a 正しい。
b 誤り。国民生活センター、各地区の消費生活センター、消費者団体等の民間団体等は、必要に応じて行政庁への通報や問題提起を行っている。
c 正しい。
正答・・・2
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