H27 福岡県(九州・沖縄地区共通) 第3章 主な医薬品とその作用(問91-100)
それほど高難度の内容はない。
問91 口内炎用薬及び口内炎に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 口内炎に適用される一般用医薬品は、外用薬のみである。
2 口内炎は疱疹(ほうしん) ウイルスの口腔内感染による場合や、医薬品の副作用として生じる場合がある。
3 口内炎が再発を繰り返す場合には、ベーチェット病などの可能性も考えられる。
4 口内炎は、通常であれば1~2週間で自然寛解する。
口内炎用薬に関する問題。
これは簡単だったでしょう。
1 誤り。内服薬もある。なお手引きでは口内炎用の内服薬として茵蔯蒿湯が登場している。
2 正しい。
3 正しい。難しい内容だが、手引きの記載どおり
4 正しい。
正答・・・1
問92 ニコチン及び禁煙補助剤に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア タバコの煙に含まれるニコチンは、肺胞の毛細血管から血液中に取り込まれると、すみやかに脳内に到達し、脳の情動を司る部位に働いて覚醒、リラックス効果などをもたらす。
イ 市販されている禁煙補助剤は、咀嚼剤のみである。
ウ 口腔内がアルカリ性になるとニコチンの吸収が低下するため、コーヒーなど口腔内をアルカリ性にする食品を摂取した後しばらくは禁煙補助剤の使用を避けることとされている。
エ うつ病と診断されたことのある人では、禁煙補助剤の使用を避ける必要がある。
1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)
禁煙補助剤(ニコチン置換療法)に関する出題。出題されているポイントは多くないので取組みやすいはず。
ア 正しい。
イ 誤り。ニコチンが皮膚を透過して血中に移行するニコチンパッチ剤(第一類)もある。ニコチネルパッチ(ノバルティス)など
ウ 誤り。×アルカリ性→○酸性
エ 正しい。「うつ病」での使用回避は、良く出題されている内容
正答・・・2
問93 ビタミン主薬製剤(いわゆるビタミン剤)に含まれている成分と配合目的の関係について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
成分 配合目的
ア レチノール酢酸エステル - 目の乾燥感、夜盲症(とり目)の症状の緩和
イ トコフェロール - 骨歯の発育不良、くる病の予防
ウ フルスルチアミン塩酸塩 - 眼精疲労、脚気の症状の緩和
エ シアノコバラミン - しみ、そばかす、日焼け・かぶれによる色素沈着の症状の緩和
1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)
ビタミンに関する問題。ビタミン類は憶えることが多いうえに区別しづらいが、地道にやるしかない。
ア 正しい。とり目やレチノール酢酸エステルとくればビタミンA。
イ 誤り。トコフェロールとくればビタミンE。ビタミンEは末梢血管障害による肩・首すじのこり、手足のしびれ・冷え、しもやけの症状の緩和する働きがあるとされる。「骨歯の発育不良、くる病の予防」はビタミンDに関する内容。
ウ 正しい。フルスルチアミン塩酸塩とくればビタミンB1
エ 誤り。シアノコバラミンとくればビタミンB12。ビタミンB12は、赤血球の形成を助け、また神経機能を正常に保つ。
「しみ、そばかす、日焼け・かぶれによる色素沈着の症状の緩和 」はビタミンCに関する内容。
正答・・・2
問94 滋養強壮保健薬に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 滋養強壮保健薬は、体調の不調を生じやすい状態や体質の改善、特定の栄養素の不足による症状の改善等を目的として、ビタミン成分、カルシウム、アミノ酸、生薬成分等が配合された医薬品である。
2 ビタミン等の補給を目的とするものとして医薬部外品の保健薬があるが、それらの効能・効果の 範囲は、滋養強壮、虚弱体質の改善、神経痛や筋肉痛等の症状の緩和等に限定されている。
3 滋養強壮保健薬は、多く摂取したからといって適用となっている症状の改善が早まるものではないが、滋養強壮の効果は高まる。
4 滋養強壮保健薬は、ある程度継続して使用されることによって効果が得られる性質の医薬品であるので、3ヶ月位は使用を継続する必要がある。
滋養強壮保健薬に関する問題。
常識的に読み取れば、消去法で導けるでしょう。
1 正しい。
2 誤り。医薬部外品では、神経痛、筋肉痛、関節痛のような特定部位の症状に対する効能・効果については認められていない。「滋養強壮、虚弱体質の改善、病中・病後の栄養補給等」はOK。
3 誤り。
4 誤り。出題の手引きによると1ヶ月位が継続服用の目安。それでも改善しない場合は、栄養素の不足以外の要因が考えられるため、漫然と使用を継続せず、症状によっては医療機関を受診する。
正答・・・1
問95 漢方薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合であっても、生後6ヶ月未満の乳児には使用しないこととされている。
イ 一般用医薬品である漢方処方製剤では、「証」という漢方の専門用語を使用することを避け、「しばり」(使用制限)として記載されている。
ウ すべての漢方薬は、作用が穏やかで、副作用が少ない。
エ 現代中国で利用されている中医学に基づく薬剤は、漢方薬ではなく、中薬と呼ばれ、漢方薬とは明らかに別物である。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
漢方薬に関する総合問題。
ア 誤り。良く出題される内容。×生後6か月→○生後3か月
イ 正しい。しばり表現に関する記述。
ウ 誤り。常識的に読み取って、誤りとわかるでしょう。
エ 正しい。初めて読むと断定的な表現に迷うが、手引きどおりの記載内容である。
正答・・・4
問96 生薬成分に関する以下の記述について、正しいものを下から一つ選びなさい。
キンポウゲ科のハナトリカブト又はオクトリカブトの塊根を減毒加工して製したものを基原とする生薬であり、心筋の収縮力を高めて血液循環を改善する作用を持つ。血液循環が高まることによる利尿作用を示すほか、鎮痛作用を示す。
1 ブシ
2 カッコン
3 サイコ
4 ボウフウ
5 ショウマ
生薬成分に関する内容。
生薬関連の知識を全てを憶えるのは無理があるが、これは正答できるように。
「・・トリカブトの塊根を減毒加工」から、容易に附子(ブシ)と判断できる。
正答・・・1
問97 消毒薬の誤用・事故による中毒への応急処置に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 誤って飲み込んだ場合、通常は多量の牛乳などを飲ませるが、原末や濃厚液の場合には、すぐに吐き出させる。
イ 誤って酸やアルカリが皮膚に付着した場合、水洗する前に、酸はアルカリで、アルカリは酸で中和する。
ウ 誤って目に入った場合、顔を横に向けて上から水を流すか、水道水の場合には弱い流れの水で洗うなどにより、流水で十分に(15分間以上)洗眼する。
エ 誤って吸入し、意識がない場合は、新鮮な空気の所へ運び出し、人工呼吸などをする。
1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)
消毒薬の誤用・事故による中毒への応急処置に関する問題。たまに出題されている内容。
知識がない場合は、より正しそうなものから選んでいく。
ア 後半部分が誤り。手引きには「原末や濃厚液を誤って飲み込んだ場合には、自己判断で安易に吐き出させることは避ける。」と記載がある。
イ 誤り。目に入った場合と同様、中和剤は用いない。酸やアルカリは早期の十分な水洗が重要
ウ 正しい。
エ 正しい。
正答・・・4
問98 殺虫剤に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
1 ハエ、ダニ、蚊等の衛生害虫の防除を目的とする殺虫剤は、現在では医薬部外品に該当するものしかなく、医薬品に該当するものはない。
2 殺虫剤の使用に当たっては、同じ殺虫成分を長期間連用することが望ましい。
3 カーバメイト系殺虫成分であるフェノトリンは、シラミの駆除を目的とする製品の場合、殺虫成分で唯一人体に直接適用されるものである。
4 燻蒸処理が完了するまでの間、部屋を締め切って退出する必要がある。
殺虫剤に関する問題。
殺虫剤の中でも、シラミ駆除で用いられるフェノトリンは出題されやすい。
1 誤り。原液を用時希釈して用いるもの、長期間にわたって持続的に殺虫成分を放出させるもの等、医薬品として扱われるものもある。
2 誤り。
3 誤り。フェノトリンはピレスロイド系殺虫成分。後半部分は正しい。
4 正しい。
正答・・・4
問99 尿糖・尿タンパク検査薬に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 尿糖検査の場合、食前2~3時間を目安に採尿を行う。
イ 尿タンパク検査の場合、激しい運動の直後の採尿は避ける必要がある。
ウ 採尿に当たっては、出始めの尿ではなく、中間尿を採取して検査することが望ましい。
エ 検査薬は、長い時間尿に浸した方が、正確な検査結果を得ることができる。
1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)
頻出の尿糖・尿タンパク検査薬に関する問題。問われるポイントは限られているので、落とさないように。
ア 誤り。尿糖検査の場合、食後2~3時間を目安に採尿を行う。
イ 正しい。
ウ 正しい。
エ 誤り。長い間尿に浸していると検出成分が溶け出してしまい、正確な検査結果が得られなくなることがある。
正答・・・3
問100 妊娠検査薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 検体としては、早朝尿(起床直後の尿)が向いているが、尿が濃すぎると、かえって正確な結果が得られないこともある。
イ 妊娠検査薬は、温度の影響を受けることがあるため、検査操作を行う場所の室温にも注意する必要がある。
ウ 閉経期に入っている人は、妊娠検査薬の検査結果が陽性となることはない。
エ 妊娠の確定診断には、尿中のホルモン検査だけでなく、専門医による問診や超音波検査などの結果から総合的に妊娠の成立を見極める必要がある。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
妊娠検査薬に関する問題。
妊娠が成立すると、胎児(受精卵)を取り巻く絨毛細胞から、hCGと呼ばれるヒト絨毛性性腺刺激ホルモンがつくられ始め、やがて尿中にhCGが排出されるようになります。
妊娠検査薬は、尿中に排出されるhCGの有無を調べるものであり、通常、妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度を検出します。
ア 正しい。
イ 正しい。
ウ 誤り。閉経期に入っている人は、検査結果が陽性となることがある。
エ 正しい。
正答・・・2
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