H29 新潟県(北関東・甲信越) 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識(問21-30)

他地域に比べるとサービス的な問題は少ない。

【問21】 医薬品の本質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 医薬品が人体に及ぼす作用は複雑、かつ、多岐に渡り、そのすべてが解明されていないため、必ずしも期待される有益な効果(薬効)のみをもたらすとは限らず、好ましくない反応 (副作用)を生じる場合がある。

b 医薬品は、市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、使用成績等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みになっている。

c 医療用医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の 構造や機能に影響を及ぼすことを目的としており、一般用医薬品は、人の疾病の治療又は予防のみを目的としている。

d 医薬品は、人の生命や健康に密接に関連するものであるため、高い水準で均一な品質が保証されていなければならない。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 誤 正 誤 誤

医薬品の本質に関する問題。
cの判断が多少迷ったかもしれないが、選択肢が甘いので正答は易しい。
 
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。
d 正しい。
 
正答・・・2

【問22】 医薬品に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。

( a )では、健康被害の発生の可能性の有無にかかわらず、医薬品に異物等の混入、変質等があってはならない旨を定めており、( b )による製品回収等の措置がなされることもあるので、日頃から( b )からの情報には十分に注意しておくことが重要である。

a b
1 医薬品医療機器等法 製造販売業者
2 薬剤師法 製造販売業者
3 医薬品医療機器等法 日本中毒情報センター
4 薬剤師法 都道府県
5 医薬品医療機器等法 都道府県

医薬品に関する問題。

a 医薬品医療機器等法
b 製造販売業者

正答・・・1

【問23】 医薬品のリスク評価に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 医薬品の効果とリスクは、薬物暴露時間と暴露量との和で表現される用量-反応関係に基づいて評価される。

b 投与量と効果又は毒性の関係は、薬物用量を増加させるに伴い、「治療量」から「無作用量」に至り、無作用量上限を超えると、「中毒量」、「最小致死量」を経て、「致死量」に至る。

c 新規に開発される医薬品のリスク評価は、薬効-薬理試験や一般薬理作用試験の他に、医薬品毒性試験法ガイドラインに沿って、毒性試験が厳格に実施される。

d 医薬品の製造販売後安全管理基準として、Good Post-marketing Study Practice(GPSP)が制定されている。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 誤 正 誤

医薬品のリスク評価に関する問題。

a 誤り。薬物暴露時間と暴露量との「」が「和」に置き換わってひっかけの場合があるので注意。
b 誤り。
c 正しい。
d 誤り。製造販売後安全管理基準として Good Vigilance Practice (GVP)が制定されている。

正答・・・5

【問24】 HIV訴訟に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。

( a )患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料( b )から製造された( c )の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。

a b c
1 血友病 血漿    フィブリノゲン製剤
2 白血病 白血球 フィブリノゲン製剤
3 血友病 白血球 フィブリノゲン製剤
4 白血病 白血球 血液凝固因子製剤
5 血友病 血漿    血液凝固因子製剤

HIV訴訟に関する問題。

a 血友病
b 血漿
c 血液凝固因子製剤

正答・・・5

【問25】 アレルギー(過敏反応)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a アレルギーは、強い薬理作用を持つ医薬品成分によって、特に起こりやすい傾向がある。

b アレルギーには体質的・遺伝的な要素もあり、アレルギーを起こしやすい体質の人や、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、注意が必要である。

c 病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、普段は医薬品にアレルギーを起こしたことのない人でも、医薬品がアレルゲンになりやすくなり、思わぬアレルギーを生じることがある。

d アレルギー症状とは、免疫機構が過敏に反応することにより、体の各部位に生じる炎症を いう。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 正 正
4 誤 正 正 正

アレルギー(過敏反応)に関する問題。

a 誤り。アレルギーは、一般的にあらゆる物質によって起こり得るものであるため、医薬品の薬理作用等とは関係なく起こり得る。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・4

【問26】 医薬品の副作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 世界保健機関(WHO)で定義する医薬品の副作用には、疾病の診断のために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応は含まれていない。

b 一般用医薬品は、その使用を中断することによる不利益よりも、重大な副作用を回避することが優先される。

c 医薬品の作用には未知の部分が多いが、十分に注意して適正に使用されれば副作用が生じることはない。

d 眠気や口渇等の比較的よく見られるものも、副作用として扱われる。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)

医薬品の副作用に関する問題。これは簡単でしょう。

a 誤り。世界保健機関(WHO)の定義では、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
b 正しい。
c 誤り。医薬品が人体に及ぼす作用は、すべてが解明されているわけではなく、十分注意していても副作用を生じることがある。
d 正しい。

正答・・・5

【問27】 医薬品の適正使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 医薬品の乱用の繰り返しによって、慢性的な臓器障害等を生じるおそれがある。

b 一般用医薬品は、緊急時の場合、早く効かせるために、定められた用量を超える量を服用してもよい。

c 一般用医薬品には、習慣性・依存性がある成分が含まれているものはない。

d 医薬品の販売等に従事する専門家においては、必要以上の大量購入や頻回購入を試みる不審な購入者には慎重に対処する必要があり、積極的に事情を尋ねたり、状況によっては販売 を差し控えるなどの対応が図られることが望ましい。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 正
5 誤 正 誤 正

医薬品の適正使用に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。そんな訳はない。
c 誤り。一般用医薬品にも習慣性・依存性がある成分を含んでいるものがある。厚生労働大臣が指定する濫用の恐れのある医薬品も参照を。
d 正しい。

正答・・・3

【問28】 医薬品の相互作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 相互作用により、医薬品の作用が増強することはあるが、作用が減弱することはない。

b 相互作用は、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)、分布又は排泄される過程でのみ起こる。

c 相互作用を回避するには、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えるのが通常である。

  a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 正 誤 誤
4 誤 正 正
5 誤 誤 正

医薬品の相互作用に関する問題。

a 誤り。減弱する場合もある。
b 誤り。相互作用には、医薬品が吸収、代謝(体内で化学的に変化すること)、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。
c 正しい。
 
正答・・・5

【問29】 医薬品と食品の相互作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a アルコールは、主として肝臓で代謝されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その代謝機能が低下していることが多い。

b 外用薬や注射薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。

c 生薬成分が配合された医薬品と、同じ生薬成分を含む食品を合わせて摂取すると、その医薬品の効き目や副作用を増強させることがある。

  a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 誤 正
5 誤 正 誤

医薬品と食品の相互作用に関する問題。

a 誤り。×代謝機能が低下→〇代謝機能が高まる 
これに関連して、肝臓の代謝機能が高まってアセトアミノフェンの薬効が減弱する、という内容も頻出である。
b 正しい。
c 正しい。
 
正答・・・3

【問30】 幼児及び小児の医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 医薬品の使用上の注意において、幼児という場合の年齢区分は、おおよその目安として、3歳未満をいう。

b 医薬品によっては、形状等が小児向けに作られていないため、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合もある。

c 小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。

d 小児は、血液脳関門が未発達であるため、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすく、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 正 正

幼児及び小児の医薬品の使用に関する問題。

a 誤り。医薬品の使用上の注意等における年齢区分:乳児:1歳未満、幼児:7歳未満、小児:15歳未満
b 正しい。
c 誤り。1章では頻出の小児の腸の長さに関する内容。「小児は大人と比べて身体の大きさに対して腸が長く、服用した医薬品の吸収率が相対的に高い
d 正しい。
 
正答・・・4
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