R4 愛知県(東海・北陸地区共通)第2章 人体の働きと医薬品 (PM問1-10)

過去問対策を行っていれば十分対応できる。

問1
消化器系に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 消化管は、平均的な成人で全長約9mある。

2 胃は中身が空の状態では扁平に縮んでいるが、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が収縮し、容積が拡がる。

3 食道は、喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1~2cm の管状の器官で、消化液の分泌腺はない。

4 唾液には、デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素が含まれ、味覚の形成にも重要な役割がある。


1 正しい。関連記事:大腸の長さ
2 誤り。 食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がる(胃適応性弛緩)
3 正しい。
4 正しい。

正解・・・2


問2
次の消化酵素のうち、胃内においてタンパク質を消化する酵素として働くものはどれか。
1 アミラーゼ
2 トリプシン
3 エレプシン
4 マルターゼ
5 ペプシン


「胃内」ではらたく酵素がどうかがポイントとなる。
ペプシン
タンパク質を消化する酵素であり、胃酸とともに胃液として働く。(つまり、胃内ではたらく)
その他の消化酵素は、主に小腸内で働く酵素である。
なお、アミラーゼはデンプン(タンパク質)を分解する消化酵素、トリプシンは胃で半消化されたタンパク質(ペプトン)をさらに分解する消化酵素。。エレプシンは半消化されたタンパク質をアミノ酸まで分解する消化酵素、マルターゼは炭水化物を単糖類(ブドウ糖等)にまで分解する消化酵素である。

正解・・・5


問3
胆嚢及び肝臓に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 胆汁酸の生合成の出発物質となるコレステロールは、肝臓において産生される。

b 腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、大腸で再吸収され、肝臓に戻される。

c 肝臓は、脂溶性ビタミンであるビタミンAやD等のほか、ビタミンB6やB12等の水溶性ビタミンの貯蔵臓器でもある。

d アミノ酸が分解された場合等に生成する尿素は、肝臓においてアンモニアに代謝される。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正


胆嚢及び肝臓に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。 腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される(腸肝循環)。
c 正しい。
d 誤り。 尿素とアンモニアが逆。アミノ酸が分解された場合等に生成するアンモニアは、体内に滞留すると有害な物質であり、肝臓において尿素へと代謝される。

正解・・・4


問4
呼吸器系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 鼻腔の内壁に多く分布している粘液分泌腺から分泌される鼻汁には、リゾチームが含まれ、気道の防御機構の一つになっている。

b 咽頭は、鼻腔と口腔につながっているが、気道に属し、消化管には属さない。

c 肺には筋組織があり、筋組織が弛緩・収縮して呼吸運動が行われている。

d 肺では、肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から二酸化炭素が肺胞気中に拡散し、代わりに酸素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)


呼吸器系に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。咽頭は鼻腔と口腔につながっており、消化管と気道の両方に属する。
c 誤り。肺自体には肺を動かす筋組織がなく、自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮し呼吸運動が行われている。
d 正しい。

正解・・・4


問5
循環器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出し、肺でガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、全身に送り出される。

b 血管壁にかかる圧力(血圧)は、通常、上腕部の静脈で測定される。

c 静脈にかかる圧力は比較的高いため、血管壁は動脈よりも厚い。

d リンパ液の流れは主に骨格筋の収縮によるものであり、流速は血流に比べて緩やかである。

  a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正


循環器系に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。×上腕部の静脈⇒○上腕部の動脈
c 誤り。静脈にかかる圧力は比較的低いため、血管壁は動脈よりも薄い
d 正しい。

正解・・・2


問6
泌尿器系に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 腎臓では、血液中の老廃物の除去のほか、水分及び電解質(特にナトリウム)の排出調節が行われており、血液の量と組成を維持している。

2 副腎は、左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、副腎髄質では、アルドステロンが産生・分泌される。

3 尿が膀胱に溜まってくると尿意を生じ、膀胱括約筋が収縮すると、同時に膀胱壁の排尿筋が弛緩し、尿が尿道へと押し出される。

4 食品から摂取あるいは体内で生合成されたビタミンAは、腎臓で活性型ビタミンAに転換される。


泌尿器系に関する問題。

1 正しい。
2 誤り。×副腎髄質⇒○副腎皮質。なお、アルドステロンは副腎皮質ホルモンの一つであり、体内に塩分と水を貯留し、カリウムの排泄を促す作用で、電解質と水分の排出調節の役割を担っている。
3 誤り。膀胱括約筋が弛緩すると、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。
4 誤り。×ビタミンA⇒○ビタミンD。なお、ビタミンDは骨の形成や維持に関連するビタミンであることも押さえておく。

正解・・・1


問7
目の充血に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入る。

目の充血は血管が( a )して赤く見える状態であるが、( b )の充血では白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなる。( c )が充血したときは、眼瞼の裏側は赤くならず、( c )自体が乳白色であるため、白目の部分がピンク味を帯びる。

  a b c
1 収縮 強膜 結膜
2 収縮 結膜 強膜
3 拡張 結膜 強膜
4 拡張 強膜 結膜
5 破裂 強膜 結膜


目の充血に関する問題。

a 拡張
b 結膜
c 強膜

正解・・・3


問8
鼻及び耳に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 鼻腔上部の粘膜にある特殊な神経細胞(嗅細胞)を、においの元となる物質の分子(におい分子)が刺激すると、その刺激が脳の嗅覚中枢へ伝えられる。

2 鼻中隔の前部は、毛細血管が豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。

3 鼓室の内部では、独立した微細な6つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して、外耳へ伝導する。

4 内耳は、聴覚器官である蝸牛と、平衡器官である前庭の2つの部分からなり、両方とも内部はリンパ液で満たされている。


鼻及び耳に関する問題。

1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。鼓室の内部では、互いに連結した微細な3つの耳小骨が鼓膜の振動を増幅して、内耳へ伝導する。
4 正しい。


正解・・・3


問9
外皮系、骨格系及び筋組織に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a メラニン色素は、真皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、過剰な産生が起こると、シミやそばかすとして沈着する。

b 体温調節のための発汗は全身の皮膚に生じるが、精神的緊張による発汗は手のひらや足底、脇の下、顔面などの限られた皮膚に生じる。

c 骨組織を構成する有機質は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の石灰質からなる。

d 骨格筋は、収縮力が強く、自分の意識どおりに動かすことができる随意筋であるが、疲労しやすく、長時間の動作は難しい。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


外皮系、骨格系及び筋組織に関する問題。

a 誤り。メラニン色素は、「真皮の最下層」ではなく、「表皮の最下層」にあるメラニン産生細胞で産生される。
b 正しい。 
c 誤り。×有機質⇒○無機質。なお、無機質は骨に硬さを与え、有機質(タンパク質及び多糖体)は骨の強靱さを保っている。
d 正しい。 

正解・・・3


問10
脳や神経系の働きに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 気管及び気管支は、副交感神経系が活発になると拡張する。

b 目の瞳孔は、交感神経系が活発になると収縮する。

c 脳において、血液の循環量は心拍出量の約15%、酸素の消費量は全身の約20%、ブドウ糖の消費量は全身の約25%と多い。

d 視床下部は、様々な調節機能を担っている部位であり、心拍数を調節する心臓中枢や、呼吸を調節する呼吸中枢が存在する。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤


交感神経系と副交感神経系は、互いに拮抗して働き、一方が活発になっているときには他方は活動を抑制して、効果器を制御しています。末梢神経系(自律神経、体性神経系)も確認を。

a 誤り。気管及び気管支は、交感神経系が活発になると拡張し、副交感神経系が活発になると収縮する。
b 誤り。目の瞳孔は、交感神経系が活発になると散大し、副交感神経系が活発になると収縮する。(暗闇での戦闘状態をイメージすると理解しやすい)
c 正しい。
d 誤り。×視床下部⇒○延髄

正解・・・5

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