R4 愛知県(東海・北陸地区共通)第2章 人体の働きと医薬品 (PM問11-20)

問11
薬の吸収に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 抗狭心症薬のニトログリセリンスプレーの有効成分は、口腔粘膜から吸収され、肝臓を経由し、全身に分布する。

b 一般に、消化管からの吸収は、濃度の低い方から高い方へ受動的に拡散していく現象である。

c 加齢等により皮膚のみずみずしさが低下すると、塗り薬の有効成分が浸潤・拡散しにくくなる。

d 坐剤は、直腸内で溶解させ、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるものである。

  a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正


薬の吸収に関する問題。

a 誤り。口腔粘膜を通っている静脈血は肝臓を経由せずに心臓に至るため、循環血液中に入った成分は、初めに肝臓で代謝を受けることなく全身に分布する。なお、舌下錠を使用した場合も同様である。
b 誤り。一般に、消化管からの吸収は、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。
c 正しい。 
d 正しい。

正解・・・1


問12
薬の代謝及び排泄に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 肝機能が低下した人では、正常な人に比べて全身循環に到達する有効成分の量がより多くなり、効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。

b 腎機能が低下した人では、正常な人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れるため、血中濃度が下がりやすい。

c 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、全身循環に入る前にリンパ管を経由して肝臓を通過するため、まず肝臓に存在する酵素の働きにより代謝を受けることになる。

d 医薬品の有効成分と血漿タンパク質との複合体は、腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、複合体形成は作用が持続する原因となる。

  a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正


複合体の形成や、次問のトランスポーターは、初学者にはわかりにくい分野だが、この問題で最低限の知識は理解しておきたい。

多くの有効成分は、血液中で血漿タンパク質と結合し複合体を形成しており、その結合は速やか、かつ可逆的であり、結合と解離を繰り返しています。複合体の状態では、肝臓での代謝や、腎臓での排泄が制限されるため、複合体を形成しやすい有効成分では、血中濃度が下がりにくくなります。

a 正しい。
b 誤り。腎機能が低下した人では、有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくい。
c 誤り。×リンパ管⇒○門脈
d 正しい。

正解・・・2


問13
薬の体内での働きに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的となる細胞に存在する( a )、酵素、( b )などの( c )と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。

  a b c
1 受容体  トランスポーター  タンパク質
2 受容体  トランスポーター  ミネラル
3 受容体  複合体  ミネラル
4 細胞核  トランスポーター  タンパク質
5 細胞核  複合体  タンパク質


薬の体内での働きに関する問題。
トランスポーターとは、細胞膜に埋め込まれて存在する膜貫通タンパク質で、細胞膜の外側から内側へ物質を選択的に運ぶ働きを持ちます。医薬品の有効成分について、血漿タンパク質と結合した複合体の状態では、このトランスポーターで輸送されないとされています。

a 受容体
b トランスポーター
c  タンパク質
 
正解・・・1


問14
医薬品の剤形及び適切な使用方法に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 顆粒剤は、粒の表面がコーティングされているものがあるので、口の中で噛み砕かずに水などで飲み込む。

2 チュアブル錠は、水なしで服用するとゼラチンが喉や食道に貼り付くことがあるため、必ず適切な量の水(又はぬるま湯)とともに服用する。

3 口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているため、水なしで服用することができる。

4 一般的には、軟膏剤は、適用部位を水から遮断したい場合等に用い、クリーム剤は、患部を水で洗い流したい場合等に用いられる。


医薬品の剤形及び適切な使用方法に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。チュアブル錠は、口の中で舐めたり噛み砕いたりして服用する剤形であり、水なしでも服用できる。
c 正しい。
d 正しい。関連記事:軟膏とクリーム剤

正解・・・2


問15
皮膚粘膜眼症候群に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 発生頻度は、人口1万人あたり年間1~6人と報告されている。

b 発症機序の詳細は不明であるが、発症の可能性がある医薬品の種類は少ないため、発症の予測は容易である。

c 医薬品の使用後に、両眼に急性結膜炎症状が現れたときは、皮膚粘膜眼症候群又は中毒性表皮壊死融解症の前兆である可能性を疑うことが重要である。

d ライエル症候群とも呼ばれる。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤


重篤な副作用皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)及び中毒性表皮壊死融解症(TEN)の違いはしっかり押さえておく。

a 誤り。人口100万人当たり年間1~6人と報告されている。
b 誤り。発症の可能性がある医薬品の種類も多いため、発症の予測は極めて困難である。
c 正しい。
d 誤り。最初に報告をした二人の医師の名前にちなんでスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)とも呼ばれる。なお、ライエル症候群とも呼ばれるのは、中毒性表皮壊死融解症(TEN)である。

正解・・・5


問16
医薬品の副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 黄疸とは、グロブリンが胆汁中へ排出されず、血液中に滞留することにより生じる、皮膚や白眼が黄色くなる病態である。

b 偽アルドステロン症とは、体内にカリウムと水が貯留し、体から塩分(ナトリウム)が失われることによって生じる病態である。

c ショック(アナフィラキシー)は、発症後の進行が非常に速やかな(通常、2時間以内に急変する。)ことが特徴であり、直ちに救急救命処置が可能な医療機関を受診する必要がある。

d ステロイド性抗炎症薬の使用が原因で血液中の白血球(好中球)が減少し、細菌やウイルスの感染に対する抵抗力が弱くなり、易感染性をもたらすことがある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


医薬品の副作用に関する問題。

a 誤り。×グロブリン⇒○ビリルビン(黄色色素)
b 誤り。偽アルドステロン症とは、体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態である。
c 正しい。関連記事:ショック(アナフィラキシー)
d 正しい。

正解・・・4


問17
精神神経系に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 精神神経症状は、医薬品の大量服用や長期連用、乳幼児への適用外の使用等の不適正な使用がなされた場合に限らず、通常の用法・用量でも発生することがある。

b 眠気を催すことが知られている医薬品であっても、通常の用法・用量で使用した後は、乗物や危険な機械類の運転操作に従事しないよう注意する必要はない。

c 心臓や血管に作用する医薬品の使用により、頭痛やめまい、浮動感(体がふわふわと宙に浮いたような感じ)、不安定感(体がぐらぐらする感じ)等が生じることがある。

d 無菌性髄膜炎では、首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐きけ・嘔吐等の症状が現れ、早期に原因医薬品の使用を中止しても、予後は不良となることがほとんどである。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正


精神神経系に現れる副作用に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。眠気を催すことが知られている医薬品を使用した後は、乗物等の運転操作に従事しないよう十分注意することが必要である。
c 正しい。
d 誤り。早期に原因医薬品の使用を中止すれば、速やかに回復し、予後は比較的良好であることがほとんどである。

正解・・・3


問18
消化器系に現れる副作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 口内炎、口腔内の荒れや刺激感などは、医薬品の副作用によって生じることがある。

2 消化性潰瘍は、自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。

3 普段から便秘傾向にある人は、イレウス様症状(腸閉塞様症状)の発症リスクが低い。

4 坐剤の使用によって現れる一過性の症状に、肛門部の熱感等の刺激や排便直後の立ちくらみなどがある。


消化器系に現れる副作用に関する問題。

1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。普段から便秘傾向のある人は、発症のリスクが高い。
4 正しい。

正解・・・3


問19
泌尿器系及び呼吸器系に現れる副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 腎障害では、尿量の減少、ほとんど尿が出ないという症状の他に、一時的に尿が増えるという症状が現れることがある。

b 排尿困難は、交感神経系の機能を抑制する作用がある成分が配合された医薬品を使用することで現れることがある。

c 喘息は、原因となる医薬品の使用開始から1~2週間程度で起こることが多い。

d 間質性肺炎は、息切れ・息苦しさ等の呼吸困難症状を呈するが、必ずしも発熱は伴わない。

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)


泌尿器系及び呼吸器系に現れる副作用に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。×交感神経系⇒○副交感神経系
c 誤り。×1~2週間⇒短時間(1時間以内)。なお、原因となる医薬品としては、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症成分を含む解熱鎮痛薬がある。
d 正しい。

正解・・・4


問20
皮膚に現れる副作用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 接触皮膚炎とは、化学物質や金属等に皮膚が反応して現れる、強い痒みを伴う発疹・発赤、腫れ、刺激感、水疱・ただれ等の激しい炎症症状のことである。

b 光線過敏症の症状は、医薬品が触れた部分だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある。

c 薬疹は、あらゆる医薬品で起きる可能性があり、特に、発熱を伴って眼や口腔粘膜に異常が現れた場合は、急速に重篤な病態へ進行することがある。

d 薬疹を経験したことのある人が、再度同種の医薬品を使用すると、ショック(アナフィラキシー)等のより重篤なアレルギー反応を生じるおそれがある。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正


皮膚に現れる副作用に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。なお、光線過敏症は、太陽光線(紫外線)に曝されて起こるかぶれ症状だが、この副作用のおそれのある成分としてケトプロフェンも一緒に憶えておこう。
c 正しい。
d 正しい。

正解・・・5

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