台湾の薬膳料理①【十全大浦湯スープ 海友十全排骨】

 

2023年3月、新型コロナによる渡航制限も緩くなったこともあり、久しぶりの海外訪問で台湾のドラックストア事情や医薬品の取材で訪れましたが、今回は漢方薬として有名な「十全大浦湯」をスープとした薬膳料理を紹介したいと思います。

十全大補湯の薬膳スープは台湾ではよく知られていて、提供するお店は台北市内でも夜市の屋台を含め多くありますが、その中でも特に有名なのは「海友十全排骨」(hǎi yǒu shí quán pái gǔ ハイヨウ シーチュェンパイグー)です。



台湾は、夜市があらゆるところで行われていることが有名ですが、その中でも最も有名な「士林夜市(シーリン)」のエリアの中にあります。2018年、2019年にミシュランのビブグルマンに選ばれたこともあり、いつもお客さんでにぎわっています。
(ビブグルマン・・1997年から用いられるようになったコストパフォーマンスのよい良質な店に与えられる評価システム)
店の中に「48年老年」と掲げられているので、創業48年の老舗なんだと思われます。

日本で、薬膳料理というと、病弱な人や女性高齢者が食べているようなイメージがありますが、決してそんなことはなく、客層は年齢性別ともに幅広いですね。


このように店の前に複数並んだ土鍋で、薬膳スープで煮込んだ肉や魚を食べることができます。

今回注文したのは、十全藥燉排骨(スペアリブの薬膳スープ)と乾麵線で、それぞれ100台湾ドル、40台湾ドルです。
(2023.3のレートで、1台湾ドル=4.3円。



以前、煎じ薬を扱っていたことがあり、漢方薬としての「十全大浦湯」も決して飲みにくい味ではなかった記憶がありますが、思っていた以上に漢方薬っぽい味は無く、非常にのど越し良く飲めてしまうことに驚きます。

「十全大浦湯」という名前がついていますので、漢方薬として構成生薬(人参、白朮(蒼朮)、茯苓、甘草、当帰、川キュウ、芍薬、熟地黄、桂皮、黄耆の10種類)がベースになっているかと思いますが、これだけの人気店ですので、その他の生薬や隠し味なども多く使われているかもしれませんね。


一緒に煮込まれている肉も、非常に柔らかくホロホロしているので、結構無駄なく食べることが出来ます。


なお、メニューを見ると鶏肉を煮込んだものや、魚(ナマズ!?)を煮込んだものもあります。

十全藥燉排骨(スペアリブの薬膳スープ)
十全藥燉肋排(バラ肉の薬膳スープ)
十全藥燉羊排(羊肉の薬膳スープ)
十全藥燉雞腿(鶏腿肉の薬膳スープ)
十全藥燉土虱(ナマズの薬膳スープ)
十全洋肉麵線(羊肉入り麺線)
魯肉飯
乾麵線


人気店のため、行列は必至ですが、とてもリーズナブルに味わうことができますので、薬膳料理に興味のある方はチャレンジしても良いかもしれません。(回転率は高いので、あまり待ち時間も気にならないと思います。)


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