小青竜湯(かぜ薬、鼻炎用薬、花粉症)
水様の鼻水に有効。花粉症にも用いられる。
小青竜湯は、特に水様性の鼻水を抑える効果から花粉症等のアレルギー性鼻炎の漢方として良く知られています。またマオウ(麻黄)を含み、咳症状の緩和も期待でき、感冒時にも用いられます。
なお、市販品のパッケージや広告では、あまり咳症状はターゲットにされておらず、鼻水症状の緩和に焦点が絞られている製品が多くなっています。
手引での記載内容は以下のとおり
「体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。」
「まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症を生じることが知られている。」
キーワードの「気管支喘息」「アレルギー性鼻炎」「花粉症」等は押さえて起きましょう。
また、構成生薬は8種類で
麻黄(マオウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、半夏(ハンゲ)、五味子(ゴミシ)、細辛(サイシン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)
試験対策上は、マオウ(麻黄)、カンゾウ(甘草)を含む点を押さえておきたいです。
マオウが主薬の漢方薬であり、喘息等の咳症状の緩和にもはたらくことが理解できます。
他に(出題されませんが)五味子(ゴミシ)の存在についても、憶えておいて損はないでしょう。
ゴミシは、中医学では「収渋薬」に分類され、収斂固渋作用があるとされています。イメージとしては「体から出すぎているものを抑える」といった捉え方が理解しやすいかもしれません。
花粉症等での鼻水への効果も、「出過ぎている鼻水」への収斂作用と考えられいます。
また、一度飲んだことがある人は知っているでしょうが、飲むとかなり酸っぱい味がします。これは、ゴミシの持つ、強い酸味の関与が大きいと言われています。
(五味子という名前から、5つの味を備えていますが、酸味が一番勝っています。また、酸味のある生薬は一般に収斂作用を持ちます。)