全問正解したいレベル
問1 医薬品の本質に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 人体に対して使用されない医薬品は、人体がそれに曝されても健康を害するおそれはない。
b 医薬品が人体に及ぼす作用は複雑、かつ、多岐に渡り、必ずしも期待される有益な効果(薬効)のみをもたらすとは限らない。
c 医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品であるが、保健衛生上のリスクを伴うものではない。
d 医薬品について、法では健康被害の発生の可能性がある場合のみ、異物等の混入、変質等があってはならない旨を定めている。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正
医薬品の本質に関する問題
まあ、常識的に判断できるでしょう。
a 誤 人体に対して使用されない医薬品も、人の健康に影響を与えるものもある。(例えば、殺虫剤を誤って吸い込んでしまう等)
b 正
c 誤 後半が誤り。医薬品は、保健衛生上のリスクを伴うものである。
d 誤 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律では、健康被害の発生の可能性の有無にかかわらず、異物等の混入、変質等がある医薬品を販売等してはならない旨を定めている。
正解・・・3
問2 医薬品の効果とリスク評価に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 医薬品は、少量の投与であれば、長期投与された場合でも毒性が発現することはない。
b 医薬品の投与量が治療量上限を超えると、やがて効果よりも有害反応が強く発現する「中毒量」となり、「最小致死量」を経て、「致死量」に至る。
c 医薬品の効果とリスクは、用量と作用強度の関係(用量-反応関係)に基づいて評価される。
d LD50とは動物実験における最小致死量のことであり、薬物の毒性の指標として用いられる。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
医薬品の効果とリスク評価に関する問題。
a 誤 治療量を超えた量を単回投与した後に毒性が発現するおそれが高いことは当然であるが、少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合もある。
b 正 医薬品の投与量と効果の関係は、「無作用量」⇒「最小有効量」⇒「治療量」⇒「治療量上限」 ⇒「中毒量」⇒「最小致死量」⇒「致死量」の流れになっている。
c 正
d 誤 LD50(Lethal Dose, 50%)とは、動物実験により求められる50%致死量である。なお、動物実験(通常ラットやマウス)において50%が死に至る投与量と解釈していれば十分です。
正解・・・3
問3 医薬品のリスク評価に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 新規に開発される医薬品のリスク評価は、医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準であるGood Laboratory Practice(GLP)の他に、医薬品毒性試験法ガイドラインに沿った各種毒性試験が厳格に実施されている。
b ヒトを対象にした臨床試験の実施の基準には、国際的にGood Vigilance Practice (GVP)が制定されている。
c 医薬品に対しては製造販売後の調査及び試験の実施の基準として、Good Post-marketing Study Practice(GPSP)が制定されている。
d 医薬品の安全性基準は、食品よりも厳しくない。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正
医薬品のリスク評価に関する問題。面白みのない学習だがGCP,GLP,GPSP,GVPは直前期までには整理しておくこと。医薬品のリスク評価のポイントも確認を。
a 正
b 誤 Good Vigilance Practice (GVP)は製造販売後安全管理の(国際)基準である。Vigilance(ビジランス)は監視・警戒という意味を持ちます。なお、 ヒトを対象にした臨床試験の実施の(国際)基準はGood Clinical Practice(GCP)である。
c 正
d 誤 医薬品は、食品などよりもはるかに厳しい安全性基準が要求されている。
正解・・・4
問4 健康食品に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 健康増進や維持の助けとなることが期待される、いわゆる「健康食品」は、医薬品とは法律上区別される。
b 健康食品は、カプセルや錠剤等の医薬品に類似した形状で発売されているものも多く、誤った使用方法により健康被害を生じた例も報告されている。
c 「特定保健用食品」は、事業者の責任で科学的根拠をもとに疾病に罹患していない者の健康維持及び増進に役立つ機能を商品のパッケージに表示するものとして国に届出された商品で、国に個別の許可を受けたものではない。
d 「栄養機能食品」は、身体の健全な成長や発達、健康維持に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)の補給を目的としたもので、国が定めた規格基準に適合したものであれば、その栄養成分の健康機能を表示できる。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正
健康食品に関する問題。国が示す要件を満たす食品「保健機能食品」には、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類があります。令和4年改訂から、第1章でも出題されるようになり、さらに第4章でも問われます。
a 正
b 正
c 誤 これは機能性表示食品に関する記述である。特定保健用食品(いわゆるトクホ)は、身体の生理機能などに影響を与える保健機能成分を含むもので、個別に特定の保健機能を示す有効性や安全性などに関する国の審査を受け、(届出ではなく)許可されたものである。
d 正
正解・・・2
問5 医薬品の副作用に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 世界保健機関(WHO)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
b 複数の疾病を有する人の場合、ある疾病のために使用された医薬品の作用によって、別の疾病に対して症状を悪化させることがある。
c 医薬品が人体に及ぼす作用は、すべてが解明されていないが、十分注意して適正に使用すれば、副作用が生じることはない。
d 医薬品の販売等に従事する専門家は、一般用医薬品を継続して使用する購入者等に特段の異常が認められない場合、医療機関の受診を促す必要はない。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正
医薬品の副作用に関する問題
a 正
b 正
c 誤 後半が誤り。十分注意して適正に使用された場合であっても、副作用が生じることがある。
d 誤 副作用は、血液や内臓機能への影響等のように、明確な自覚症状として現れないこともあるので、継続して使用する場合には、特段の異常が感じられなくても医療機関を受診するよう、医薬品の販売等に従事する専門家から促していくことも重要である。
正解・・・1
問6 アレルギーに関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 通常の免疫反応の場合、炎症やそれに伴って発生する痛み、発熱等は、人体にとって有害なものを体内から排除するための必要な過程である。
b アレルギーは、医薬品の薬理作用等とは無関係に起こり得る。
c 過去に医薬品でアレルギーを起こしたことがない人であれば、病気等に対する抵抗力が低下している場合であっても、医薬品でアレルギーを生じることはない。
d カゼインは、アレルギーを引き起こすことのない添加物である。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正
アレルギーに関する問題
a 正
b 正
c 誤 普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、医薬品がアレルゲンになることがあり、思わぬアレルギーを生じることがある。
d 誤 添加物のカゼインは牛乳タンパクの主成分であり、牛乳アレルギーのアレルゲンとなる可能性がある。なお、牛乳アレルギーとくればタンニン酸アルブミン(止瀉成分)もすぐに思いつくように。
正解・・・1
問7 一般用医薬品の適正使用に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 症状の改善等がなされないまま、一般用医薬品の使用を漫然と続けているような場合には、副作用を招く危険性が増加する。
b 指示どおりの使用量で一般用医薬品を使用しても、長期連用により精神的な依存が起こることがある。
c 青少年は、薬物乱用の危険性に関する認識や理解が十分であり、薬物を興味本位で乱用することはない。
d 医薬品の販売等に従事する専門家は、必要以上の大量購入や頻回購入を試みる者に対して、積極的に事情を尋ねるなどの対策を講じることが望ましい。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
一般用医薬品の適正使用に関する問題
a 正
b 正
c 誤 青少年は、薬物乱用の危険性に関する認識や理解が必ずしも十分でなく、好奇心から身近に入手できる薬物を興味本位で乱用することがあるので、注意が必要である。関連して、第4章 厚生労働大臣が指定する濫用等の恐れのある医薬品も学習を。
d 正
正解・・・1
問8 他の医薬品との相互作用に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 医薬品の相互作用は、医薬品の薬理作用をもたらす部位でのみ起こる。
b 複数の医薬品を併用した場合、医薬品の作用が増強することはあるが、減弱することはない。
c 一般用医薬品のかぜ薬や解熱鎮痛薬等では、成分や作用が重複することが少ないため、通常、これらの医薬品を併用することが望ましい。
d 複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用される場合が多く、医薬品同士の相互作用に関して特に注意が必要である。
a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤
他の医薬品との相互作用に関する問題
a 誤 医薬品の相互作用は、医薬品が吸収、分布、代謝又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。
b 誤 増強したり、減弱したりする。
c 誤 かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多い。(例えば、かぜ薬とアレルギー用薬だと抗ヒスタミン成分が重複する等)
d 正
正解・・・1
問9 食品と医薬品の相互作用に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 食品と医薬品の相互作用は、しばしば「飲み合わせ」と表現され、食品と飲み薬が体内で相互作用を生じる場合が主に想定される。
b 酒類 (アルコール)をよく摂取する者では、肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、アセトアミノフェンの薬効が強く現れることがある。
c カフェインを含む総合感冒薬とコーヒーを一緒に服用しても、カフェインの過剰摂取にはならない。
d 外用薬や注射薬であれば、食品の摂取によって、これら医薬品の作用や代謝が影響を受ける可能性はない。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤
食品と医薬品の相互作用に関する問題
アルコール摂取者のアセトアミノフェンの代謝亢進については頻出です。
a 正
b 誤 後半部分が誤り。飲酒によって肝臓の代謝機能が高まり、(肝臓で代謝される)アセトアミノフェンが、通常よりも代謝されやすくなり、十分な薬効が得られなくなることがある。
c 誤 コーヒーにもカフェインが含まれるため、カフェインを含む総合感冒薬と一緒に服用すると、カフェインの過剰摂取となることがある。
d 誤 外用薬や注射薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。
正解・・・4
問10 小児等への医薬品の使用に関する記述の正誤について、正しい組合せを選べ。
a 乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であれば、乳児は医薬品の使用により状態が急変することはない。
b 乳幼児は、医薬品が喉につかえると、大事に至らなくても咳込んで吐き出し苦しむことになり、その体験から医薬品の服用に対する拒否意識を生じることがある。
c 「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」(平成29年6月8日付け薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知別添)において、おおよその目安として、小児は5歳以上、15歳未満との年齢区分が用いられている。
d 大人に比べて小児は、吸収されて循環血液中に移行した医薬品の成分が脳に達しやすい。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤
小児等への医薬品の使用に関する問題
第1章において、使用上の注意における小児の年齢区分は頻出ですが、令和4年の改訂により、その根拠が「医療用医薬品の添付文書等の記載要領の留意事項」(平成29年6月8日付け薬生安発0608第1号厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知別添)と明記され、新生児の年齢区分も追加されました。
新生児:生後4週未満
乳児:生後4週以上1歳未満
幼児:1歳以上7歳未満
小児:7歳以上15歳未満
但し、一般的に15歳未満を小児とすることもあり、具体的な年齢が明らかな場合は、医薬品の使用上の注意において、「〇歳未満の小児」等と表現される場合があります。
また、小児の腸の長さや血液脳関門に関する内容も頻出。小児は血液脳関門や腎臓・肝臓が未発達で、大人に比べ副作用がでやすい。
a 誤 乳児向けの用法用量が設定されている医薬品であっても、乳児は医薬品の影響を受けやすく、また、状態が急変しやすいため、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。
b 正
c 誤 おおよその目安として、小児は7歳以上、15歳未満との年齢区分が用いられている。
d 正
正解・・・4