柴胡加竜骨牡蛎湯は、精神不安や不眠症などに用いられる漢方薬として知られています。

構成生薬は、小柴胡湯から甘草を除き、竜骨、牡蛎、茯苓、大黄を追加した11種類です。
(柴胡、半夏、生姜、桂皮、黄ゴン、大棗、人参、竜骨、牡蛎、茯苓、大黄。なお、ツムラの製品については、医療用・一般用医薬品ともに大黄は含まれておらず、10種類となっています。)

この中でも特徴的な生薬である、竜骨(リュウコツ)牡蛎(ボレイ)は、中薬学では「重鎮安神薬」に分類され、実証(体格のがっちりした人)の心神不安に効果をもたらすとされています。(なお、植物系の酸棗仁(サンソウニン)等の「養心安神薬」に分類される生薬は、虚証の心神不安向けとされている)

竜骨(リュウコツ)は古代の大型哺乳動物の化石であり、ゾウ類やサイ類、ウマ類等の化石が用いられています(恐竜ではない)。実際に、煎じ用生薬メーカーより購入することが可能です。
↓竜骨(上海中医薬博物館にて 2025.3撮影)

また、牡蛎(ボレイ)は、その名のとおり、カキの貝殻が用いられます。

このような鉱石・貝類を含み、更にカンゾウを含まないことから、植物系の漢方薬に比べると、かなりエグい味がします。


問題作成の手引きでは、小児の疳・夜泣きに用いられる漢方薬、眠気を促す漢方薬として登場し、記載内容は以下の通りです。

体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜なき、便秘に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、瀉下薬(下剤)を服用している人では、腹痛、激しい腹痛を伴う下痢の副作用が現れやすい等、不向きとされている。 」

⇒この分野で登場する漢方薬では、唯一「体力中等度以上」(実証向け)であることは是非憶えておきましょう。これだけで正誤判断が出来る場合があります。なお、なぜ実証向けなのかは、いかにも虚証の人には胃腸に負担のかかりそうな、竜骨や牡蛎といった鉱物系の生薬や、同じく実証向けの大黄を含んでいることと結びつけると良いでしょう。
⇒また、冒頭で説明したとおり、瀉下作用のある大黄を含んでいるので、下痢の副作用等も記載されています。

「これらのうち、柴胡加竜骨牡蛎湯以外は、いずれも構成生薬としてカンゾウを含む。」

この文言は、令和8年度4月の手引き改定で追加されました。つまり、この分野で登場するこれら(酸棗仁湯、加味帰脾湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、柴胡加か竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯)のうち、柴胡加竜骨牡蛎湯のみカンゾウ(甘草)が含まれていないとうことで、婦人薬と同様に、この分野でも今後カンゾウの有無を問う問題が増えるかもしれません。

(Visited 2,660 times, 3 visits today)

Follow me!