H30 福岡県(九州地区・沖縄共通) 第5章 医薬品の適正使用と安全対策 (問51-60)
簡単な問題ばかり
問51
一般用医薬品の安全対策に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。なお、同じ記号の( )内には、同じ字句が入ります。
( ア )による間質性肺炎については、1991年4月以降、使用上の注意に記載されていたが、その後、( ア )と( イ )の併用例による間質性肺炎が報告されたことから、1994年1月、( イ )との併用を禁忌とする旨の使用上の注意の改訂がなされた。
しかし、それ以降も、慢性肝炎患者が( ア )を使用して間質性肺炎が発生し、死亡が確認された例もあったことから、1996年3月、厚生省(当時)から関係製薬企業に対して( ウ )の配布が指示された。
ア イ ウ
1 アミノピリン インターフェロン製剤 安全性速報
2 アミノピリン ロペラミド塩酸塩含有製剤 緊急安全性情報
3 小柴胡湯 インターフェロン製剤 緊急安全性情報
4 小柴胡湯 ロペラミド塩酸塩含有製剤 緊急安全性情報
5 小柴胡湯 インターフェロン製剤 安全性速報
小柴胡湯に関連した緊急安全性情報(イエローレター)に関する問題。
これは頻出なので容易に判断できるように。昨年も同様な問題が出題されている。
ア 小柴胡湯
イ インターフェロン製剤
ウ 緊急安全性情報
正答・・・3
問52
医薬品副作用被害救済制度に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについては、救済制度の対象とはならない。
イ 健康被害を受けた購入者を診察した医師が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して請求を行う必要がある。
ウ 医薬品の販売等に従事する専門家においては、健康被害を受けた購入者等に対して救済制度やその相談窓口を紹介し、相談を促すなどの対応が期待される。
エ 個人輸入により入手した無承認無許可医薬品による健康被害も、救済制度の対象に含まれる。
1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)
医薬品副作用被害救済制度に関する問題が3問続きます。
ア 正しい。
イ 誤り。健康被害を受けた本人(又は家族)が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対して請求を行う。
ウ 正しい。
エ 誤り。個人輸入医薬品は対象外。(度々出題されている)
PMDAチャンネル↓
正答・・・2
問53
以下の医薬品副作用被害救済制度の給付の種類のうち、請求の期限がないものとして、正しいものを一つ選びなさい。
1 医療費
2 葬祭料
3 医療手当
4 遺族年金
5 障害年金
医薬品副作用被害救済制度の給付の種類に関する問題。
給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料がある。
出題ポイントとしては、今回のような給付の請求の期限や、定額がどうかが問われる事が多い。
詳細に憶える時間がなければ、最低限以下のポイントは押さえておきたい。
請求の期限なし・・・障害年金、障害時養育年金
給付額が定額ではない・・・医療費
なお、障害年金は18歳以上の障害が残った人に支払われるもの、障害児養育年金は、18歳未満の障害の残った方を養育する人に支払われるものである
正答・・・5
問54
以下のうち、医薬品副作用被害救済制度の対象になるものとして、正しいものを一つ選びなさい。
1 一般用検査薬
2 日本薬局方収載のワセリン
3 人体に直接使用する殺菌消毒剤
4 殺虫剤
5 日本薬局方収載の精製水
医薬品副作用被害救済制度の対象になる医薬品に関する問題。
市販薬では、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)は対象とならない。
正答・・・3
問55
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 世界保健機関(WHO)加盟国の一員として日本が対応した医薬品の安全対策に係る制度の一つである。
2 安全対策上必要があるときは、医薬品の過量使用や誤用等による健康被害も報告の対象となる。
3 登録販売者は、報告を行う医薬関係者として位置づけられている。
4 医薬品の副作用に関してより正確な情報を得るため、副作用と疑われる事例と使用した医薬品との因果関係が不明確な場合は、報告の対象とはならない。
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する問題。
この制度による報告は、登録販売者を含む医療関係者にとって「義務」である。(但し、実際にはあまり報告されていないが・・)
1 正しい。あまり登場してこなかった内容だが、正しい記述である。
2 正しい。
3 正しい。
4 誤り。因果関係が必ずしも明確でない場合であっても報告の対象となり得る。
正答・・・4
問56
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 報告様式は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページから入手できる。
イ 報告様式の記入欄すべてに記入する必要がある。
ウ 報告者に対しては、安全性情報受領確認書が交付される。
エ 報告期限は1ヶ月以内と定められている。
1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する問題が2問続く。
ア 正しい。
イ 誤り。すべてに記入していなくても大丈夫。
ウ 正しい。
エ 誤り。報告期限は特に定められていない。
正答・・・2
問57
医薬品の製造販売業者による副作用の報告制度に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 医薬品医療機器等法第68条の10第1項の規定により、その製造販売をし、又は承認を受けた医薬品による副作用と疑われる健康被害の発生を知ったときは、その旨を定められた期限までに厚生労働大臣に報告することが義務づけられている。
2 実務上は、製造販売業者の所在する都道府県知事を通して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構へ報告書を提出する。
3 医薬関係者は、医薬品医療機器等法第68条の2第2項により、製造販売業者が行う適正な使用のために必要な情報の収集に協力するよう努めなければならない。
4 医療用医薬品のみならず、一般用医薬品に関しても、承認後の調査が製造販売業者に求められており、製品の安全対策につながっている。
企業からの副作用症例・感染症症例の報告制度に関する問題。
この分野は毎年出題されている訳ではないので、対応しきれなかった受験生も多かったかも。
今回、報告期限は詳細に問われていないが、重篤性と予測性から、15日以内の場合と、30日以内の場合がある。試験対策としては、とりあえず「死亡」例は「15日以内」と憶えてしまって良いでしょう。
1 正しい。余裕があれば15日以内、30日以内の内容まで憶えておこう。
2 誤り。定められた期限までに厚生労働大臣に報告することが義務づけられているが、実務上は、報告書を総合機構に提出することとされている。都道府県知事は関係なし。
3 正しい。「努めなければならない」でOKです。
4 正しい。
正答・・・2
問58
医薬品の安全性情報に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 「緊急安全性情報」は、A4サイズの青色地の印刷物で、ブルーレターとも呼ばれる。
イ 「安全性速報」は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について、一般的な使用上の注意の改訂情報よりも迅速な注意喚起や適正使用のための対応の注意喚起が必要な状況にある場合に、厚生労働省からの命令、指示等に基づいて作成される。
ウ 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)は、医薬品・医療機器の安全性に関する情報をメールにより配信するサービスであり、医薬関係者のみに限定されたサービスである。
エ 独立行政法人医薬品医療機器総合機構は、ホームページ上で一般用医薬品及び要指導医薬品の添付文書の内容を掲載しており、医薬関係者以外も閲覧できる。
1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)
医薬品の安全性情報に関する問題。
特に、緊急安全性情報(イエローレター)と、安全性速報(ブルーレター)との違いはしっかり区別できるようにセット学習を。
ア 誤り。緊急安全性情報はA4サイズの黄色地の印刷物で、イエローレターとも呼ばれる。
↓ある医療用医薬品のイエローレター
イ 正しい。
ウ 誤り。独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページも、実際に確認しておこう。
エ 正しい。
正答・・・3
問59
医薬品PLセンターに関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
医薬品PLセンターは、( ア )により開設され、消費者が、医薬品又は医薬部外品に関する苦情について、( イ )と交渉するに当たり、公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、裁判に( ウ )解決に導くことを目的としている。
ア イ ウ
1 日本製薬団体連合会 製造販売元の企業 よらずに
2 日本製薬団体連合会 厚生労働省 よらずに
3 厚生労働省 製造販売元の企業 より
4 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 厚生労働省 よ り
5 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 製造販売元の企業 よらずに
医薬品PLセンターに関する問題も毎年のように出題されている。
なお、医薬品又は医薬部外品に関する苦情を受け付けているが、医療機器・化粧品は対象外であることもしっかり押さえておこう。
ア 日本製薬団体連合会
イ 製造販売元の企業
ウ よらずに
正答・・・1
問60
医薬品の適正使用及びその啓発活動に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 薬物依存は、違法薬物(麻薬、覚せい剤、大麻等)によるものばかりでなく、一般用医薬品によっても生じ得る。
イ 登録販売者は、一般用医薬品の販売等に従事する専門家として、適切なセルフメディケーションの普及定着、医薬品の適正使用のための啓発活動に積極的に参加、協力することが期待されている。
ウ 薬物乱用防止に関する啓発は、小中学生に対して行うと、かえって違法薬物に対する好奇心を刺激することになるため、高校生以上から行うこととされている。
エ 「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し、薬物乱用防止を一層推進するため、毎年6月20日から7月19日までの1ヶ月間、国、自治体、関係団体等により、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されている。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
医薬品の適正使用及びその啓発活動に関する問題。
ア 正しい。第4章の厚生労働大臣が指定する濫用の恐れがある医薬品に関しても学習を。
イ 正しい。
ウ 誤り。そんなことはない。小中学生のうちからの啓発が重要である。
エ 正しい。10月17日~23日の1週間「薬と健康の週間」と、6月20日~7月19日の1か月「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は押さえておく。
正答・・・2