R5 愛知県(東海・北陸地区共通)第5章 医薬品の適正使用・安全対策 (PM問51-60)

問 51
医薬品の添付文書情報及び製品表示情報の活用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 令和3年8月1日から、一般用医薬品への紙の添付文書の同梱を廃止し、注意事項等情報は電子的な方法により提供されることとなった。

b 一般用医薬品の購入後、その医薬品を使い終わるまで、添付文書等は必要なときいつでも取り出して読むことができるよう、大切に保存する必要性を説明することが重要である。

c 要指導医薬品並びに第1類医薬品及び第2類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるため、副作用等の回避に関心が向くよう、これらリスク区分に分類されている旨が製品表示から容易に判別できる。

d 一般用医薬品は、購入者本人が医薬品を必ず実際に使用するので、購入者本人の副作用の回避、早期発見につながる事項のみ説明すればよい。

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)


医薬品の添付文書情報及び製品表示情報の活用に関する問題。

a 誤 R4手引き改訂で追加された内容。添付文書の電子化は「一般用医薬品」ではなく「医療用医薬品」に関する記述である。一般用医薬品は、使用時に添付文書情報の内容を直ちに確認できる状態を確保する必要があるため、引き続き紙の添付文書が同梱されている。
b 正
c 正
d 誤 一般用医薬品では、実際に使用する人が購入者本人とは限らない。

正解・・・2


問 52
医薬品の適正使用情報の活用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 添付文書や外箱表示は、それらの記載内容が改訂された場合、すぐにそれが反映された製品が流通し、改訂前の医薬品が購入者等の目に触れることはない。

b 医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、常に最新の知見に基づいた適切な情報提供を行うため、得られる情報を積極的に収集し、専門家としての資質向上に努めることが求められる。

c 情報通信技術の発展・普及に伴い、一般の生活者が接する医薬品の有効性や安全性等に関する情報は、必ず正確な情報となっている。

d 医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して科学的な根拠に基づいた正確なアドバイスを与え、セルフメディケーションを適切に支援することが期待されている。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤


医薬品の適正使用情報の活用に関する問題

a 誤 それらの記載内容が改訂された場合、実際にそれが反映された製品が流通し、購入者等の目に触れるようになるまでには一定の期間を要する。
b 正
c 誤 それらの情報は、断片的かつ必ずしも正確でない情報として伝わっている場合も多い。
d 正

正解・・・4


問53
企業からの副作用等の報告制度に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医療用医薬品だけでなく、一般用医薬品に関しても、承認後の調査が製造販売業者等に求められている。

b 副作用・感染症報告制度において、医薬品等との関連が否定できない感染症に関する症例情報の報告や研究論文等について、製造販売業者等に対して国への報告義務を課している。

c 血液製剤等の生物由来製品を製造販売する企業は、当該製品又は当該製品の原料又は材料による感染症に関する最新の論文や知見に基づき、当該製品の安全性について評価し、その成果を定期的に国へ報告する制度がある。

d 医薬品の販売業者は、製造販売業者等が行う情報収集に協力するよう努めなければならない。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正


企業からの副作用症例・感染症症例の報告に関する問題。
近年この分野に関する出題が全国的に増えているが、特にその症例の重篤性と予測性等から、報告期限(「15日以内」「30日以内」「定期報告」)がどれに該当するかを選ぶ問題は、対応しづらい。
但し、今回は報告期限については問われていないので、対応しやすい。

a 正
b 正
c 正
d 正



正解・・・5


問 54
副作用情報等の評価及び措置に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 収集された副作用等の情報は、その医薬品の製造販売業者等において評価・検討され、必要な安全対策が図られる。

b 独立行政法人医薬品医療機器総合機構は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、効能・効果や用法・用量の一部変更、調査・実験の実施の指示、製造・販売の中止、製品の回収等の安全対策上必要な措置を講じている。

c 1997年に厚生省(当時)は、血液製剤によるヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染被害を深く反省し、医薬品、食中毒、感染症、飲料水等に起因する、国民の生命、健康の安全を脅かす事態に対して、健康被害の発生予防、拡大防止等の対策を迅速に講じていくための体制を整備した。

d 厚生労働省の健康危機管理に当たっては、科学的・客観的な評価を行うが、混乱を招かないよう国民に対しては、情報を公開しないこととしている。

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)


副作用情報等の評価及び措置に関する問題
健康危機管理体制の整備に関する出題は珍しい。

a 正
b 誤 「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」ではなく「厚生労働大臣」である。なお、各制度によって集められた副作用情報は、総合機構において専門委員の意見を聴きながら調査検討が行われ、その結果に基づき厚生労働大臣が必要な措置を講じている。
c 正
d 誤 後半部分が誤り。国民に対して情報の速やかな提供と公表を行うことを基本としている。

正解・・・1


問 55
医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定に基づく医薬品の副作用等報告に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医薬品等によるものと疑われれば、身体の変調・不調、日常生活に支障を来さない程度の健康被害を含めて報告しなければならない。

b 報告に当たっては、報告様式の記入欄すべてに記入がなされる必要がある。

c 健康被害を生じた本人に限らず、購入者等から把握可能な範囲で報告がなされればよい。

d 郵送、ファクシミリ、電子メールによる報告のほか、ウェブサイトに直接入力することによる電子的な報告が可能である。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤


毎年のように出題されている医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する問題。
なお、この制度による報告は、登録販売者を含む医療関係者にとって「義務」である。(但し、実際にはあまり報告されていないが・・)

a 誤 医薬品等によるものと疑われる、身体の変調・不調、日常生活に支障を来す程度の健康被害(死亡を含む。)について報告が求められている。
b 誤 報告様式の記入欄すべてに記入がなされる必要はなく、購入者等から把握可能な範囲で報告がなされればよい
c 正
d 正 なお、「ウェブサイトに直接入力が可能になった」はR4手引き改訂で追加された内容である。


正解・・・3


問 56
次の記述は、登録販売者の対応に関するものである。1~5で示される医薬品等のうち、登録販売者がこの対応を行うべきものはどれか。

ある医薬品等の購入者から、その使用により、健康被害を生じ、医療機関に入院して治療を受けた旨相談があった。医薬品副作用被害救済制度について説明を行ったところ、購入者の希望により、当該制度に基づく救済給付の請求を行うこととなった。このため、医師の診
断書、要した医療費を証明する書類を準備するよう伝え、その医薬品等を販売した店舗販売業者による販売証明書の発行の手配を行った。

1 製薬企業に損害賠償責任がある一般用医薬品の殺虫剤・殺鼠剤
2 一般用検査薬
3 一般用医薬品の日本薬局方ワセリン
4 いわゆる健康食品
5 人体に直接使用する一般用医薬品の殺菌消毒剤


医薬品副作用被害救済制度の対象外医薬品に関する問題。

救済制度の対象外医薬品が定められており、要指導医薬品・一般用医薬品では、殺虫剤殺鼠剤殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)一般用検査薬一部の日局収載医薬品精製水ワセリン等)が該当する。
これより、1~4については、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる。

なお、5の人体に直接使用する一般用医薬品の殺菌消毒剤の例としては、殺虫成分のフェノトリンがあり、シラミの駆除を目的した製品(シャンプー)にも使用され、殺虫成分でも人体に直接適用されるものです。

他に、製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品(いわゆる健康食品、個人輸入医薬品を含む。)の使用による健康被害についても救済制度の対象外である。

正解・・・5


問 57
医薬品副作用被害救済制度に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料があるが、いずれも請求期限はない。

2 医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品を含む。)の副作用による一定の健康被害が生じた場合に、医療費等の給付を行い、これにより被害者の迅速な救済を図る制度であり、医薬品を適正に使用していなくても対象となる。

3 一般用医薬品の使用により副作用を生じた場合であって、その副作用による健康被害が救済給付の対象となると思われたときには、登録販売者は、健康被害を受けた購入者等に対して救済制度があることや、相談窓口等を紹介し、相談を促すなどの対応が期待されている。

4 救済給付業務に必要な費用のうち、給付費については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法第19条の規定に基づき、製造業者が年度ごとに納付する拠出金が充てられる。


医薬品副作用被害救済制度に関する問題。なお、前年は給付種類毎の細かい請求期限が出題されていたので、合わせて対策を行うこと。

1 誤 給付の種類の記述は正しいが、給付の種類によっては請求期限が定められており、障害年金、障害児養育年金は、請求の期限はない
2 誤 (用法・用量を守らない等)医薬品の不適正な使用による健康被害については、救済給付の対象とならない。
3 正
4 誤 「製造業者」ではなく「製造販売業者」からの拠出金が充てられる。
PMDAチャンネル↓


正解・・・3


問 58
医薬品PLセンターに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

医薬品副作用被害救済制度の対象とならないケースのうち、製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合には、「医薬品PLセンター」への相談が推奨される。
消費者が、( a )に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、( b )立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、( c )迅速な解決に導くことを目的としている。

  a b c
1 医薬品又は医薬部外品 消費者側の 裁判によらずに
2 医薬品、医薬部外品又は化粧品 公平・中立な 裁判によらずに
3 医薬品又は医療機器 消費者側の 裁判により
4 医薬品又は医療機器 公平・中立な 裁判により
5 医薬品又は医薬部外品 公平・中立な 裁判によらずに


医薬品PLセンターに関する問題も毎年のように出題されている。

医薬品PLセンターは「医薬品又は医薬部外品」に関する苦情を受け付けているが、医療機器化粧品は対象外である点は頻出。ひっかけ問題が度々出題されているので注意を。

a 医薬品又は医薬部外品
b 公平・中立な
c 裁判によらずに

正解・・・5


問 59
一般用医薬品の安全対策に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 2003年5月までに、一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が、計26例報告され、厚生労働省では、同年6月、一般用かぜ薬全般につき使用上の注意の改訂を指示した。

b 慢性肝炎患者が小柴胡湯を使用して間質性肺炎が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例があったことから、1996年3月、厚生省(当時)より関係製薬企業に対して緊急安全性情報の配布が指示された。

c 解熱鎮痛成分としてフェキソフェナジンが配合されたアンプル入りかぜ薬の使用による重篤な副作用(ショック)で、1959年から1965年までの間に計38名の死亡例が発生した。

d プソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)は、鼻充血や結膜充血を除去し、鼻づまり等の症状の緩和を目的として、鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬等に配合されていたが、PSEが配合された一般用医薬品による脳出血等の副作用症例 が複数報告されたことなどから、
厚生労働省は塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)への速やかな切替えを指示した。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


一般用医薬品の安全対策に関する問題。

a 正
b 正 これは第5章超頻出。小柴胡湯による緊急安全性情報(イエローレター)は毎年出題出題されるつもりで学習を。
c 誤 「フェキソフェナジン」ではなく「アミノピリン、スルピリン」である。なお、フェキソフェナジンはR4手引き改訂で追加された抗ヒスタミン成分で、アレグラ🄬の製品名で良く知られている。
d 誤 これも第5章超頻出。「プソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)」と「塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)」が逆になっている。

正解・・・1


問 60
医薬品の適正使用のための啓発活動に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

医薬品の持つ特質及びその使用・取扱い等について正しい知識を広く生活者に浸透させることにより、( a )に貢献することを目的とし、毎年( b )の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体等による広報活動やイベント等が実施されている。

また、「6・26国際麻薬乱用撲滅デー」を広く普及し、薬物乱用防止を一層推進するため、毎年( c )までの1ヶ月間、国、自治体、関係団体等により、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が実施されている。

  a b c
1 保健衛生の維持向上  10月17日~23日  6月1日~30日
2 保健衛生の維持向上  10月17日~23日  6月20日~7月19日
3 保健衛生の維持向上  6月4日~10日 6 月26日~7月25日
4 専門家の資質向上  10月17日~23日  6月26日~7月25日
5 専門家の資質向上  6月4日~10日  6月20日~7月19日


医薬品の適正使用のための啓発活動に関する問題。
10月17日~23日の1週間「薬と健康の週間」と、6月20日~7月19日の1か月「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は押さえておく。


a 保健衛生の維持向上
b 10月17日~23日
c 6月20日~7月19日

正解・・・2

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