H30 愛知県(東海・北陸地区共通)第5章 医薬品の適正使用・安全対策 (PM問41-50)
問42(相談すること・糖尿病)は難しい
問 41 一般用医薬品の添付文書に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 添付文書は、必要なときにいつでも取り出して読むことができるように、保管される必要がある。
b 販売名に薬効名が含まれているような場合(例えば、「○○○胃腸薬」など)であっても、添付文書において薬効名の記載は省略できない。
c 通常の医薬品では、承認を受けた販売名が記載されている。
d 小児に使用させる場合の注意等、用法・用量に関連する使用上の注意事項がある場合は、「用法及び用量」の項目に続けて、これと区別して記載されている。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
一般用医薬品の添付文書に関する問題。
a 正しい。
b 誤り。販売名に薬効名が含まれている場合には(「○○○胃腸薬」など)、薬効名の記載は省略されることがある。
c 正しい。
d 正しい。
正答・・・5
問42 次の成分のうち、その成分を主な成分とする一般用医薬品の添付文書の「相談すること」の 項目に、「次の診断を受けた人」として「糖尿病」と記載されていないものはどれか。
1 メチルエフェドリン塩酸塩
2 トリメトキノール塩酸塩
3 メトキシフェナミン塩酸塩
4 フェニレフリン塩酸塩
5 ジフェニドール塩酸塩
添付文書の「相談すること」の 項目に関する問題。これは難問である。
鼻炎用内服薬等に使用されるアドレナリン作動成分(メチルエフェドリン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩)は、肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる作用があり、糖尿病の症状を悪化させるおそれがあるため。
なお、同様にアドレナリン作動性成分であるプソイドエフェドリン塩酸塩についても、糖尿病に関する記載があるが、よりランクの高い「してはいけないこと」に記載される。
抗めまい成分のジフェニドール塩酸塩は、抗コリン作用により眼圧が上昇し緑内障が悪化する恐れがあるので、「相談すること」に「緑内障」の記載がある。
正答・・・5
問 43 一般用医薬品の保管及び取扱い上の注意に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 家庭における誤飲事故等を避けるため、医薬品は食品と区別して保管されることが重要である。
b 医薬品を旅行や勤め先等へ携行するために別の容器へ移し替えると、中身がどんな医薬品であったか分からなくなってしまい、誤用の原因となるおそれがある。
c シロップ剤は、室温との急な温度差で変質するおそれがあるため、冷蔵庫内で保管をしてはならない。
d 点眼薬は、開封後長期間保存すると変質するおそれがあるため、家族間で共用し、できる限り早目に使い切ることが重要である。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
一般用医薬品の保管及び取扱い上の注意に関する問題。
これはサービス問題でしょう。常識で判断できる。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。シロップ剤は変質しやすいため、開封後は冷蔵庫内に保管されるのが望ましい。一方で、錠剤、カプセル剤、散剤等は、冷蔵庫内での保管は不適当である。(室温との急な温度差で湿気を帯びるおそれがある)
d 誤り。
正答・・・1
問 44 一般用医薬品の製品表示に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a すべての一般用医薬品は、医薬品医療機器等法の規定により、使用期限の表示が義務づけられている。
b 配置販売される医薬品は、医薬品医療機器等法の規定により、配置期限の表示が義務づけられている。
c 消防法に基づく危険物である消毒用アルコールには、同法に基づく注意事項が記載されている。
d エアゾール製品には、高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)に基づく注意事項が記載されている。
1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)
一般用医薬品の製品表示に関する問題。
a 誤り。初学者は意外に感じるでしょうが、使用期限については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。確かに一昔前の漢方薬など、実際に使用期限の書かれていない製品が存在していた。
さらに手引きには「(表示義務はなくても)流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっている。」とも書かれている。
流通管理はもちろんのこと、今の時代に使用期限の書いていないような商品は消費者が敬遠するので、実際には使用期限の記載のない製品は殆どないのが現状である。
b 誤り。「配置期限」も上記「使用期限」と同等に考えれば良い。
c 正しい。消毒用アルコール等、危険物に該当する製品は、消防法に基づく注意事項も記載されることがある。
d 正しい。
正答・・・3
問 45 一般用医薬品の添付文書における「使用上の注意」の記載に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 小児が使用した場合に特異的な有害作用のおそれがある成分を含有する医薬品では、通常、「次の人は使用(服用)しないこと」として「15歳未満の小児」、「6歳未満の小児」等と記載されている。
b 「してはいけないこと」の項目には、守らないと症状が悪化する事項、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項について記載されている。
c 重篤な副作用として、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息等が掲げられている医薬品では、アレルギーの既往歴がある人等は使用しないこととして記載されている。
d 小児に使用される医薬品においては、「服用前後は飲酒しないこと」など、小児では通常当てはまらない内容は記載しなくてもよい。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
添付文書における「使用上の注意」に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。小児に使用される医薬品でも、その医薬品の配合成分に基づく一般的な注意事項として記載されている。(「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」 「服用前後は飲酒しないこと」など)
正答・・・1
問 46 人体に直接使用しない検査薬等を除く一般用医薬品の添付文書に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 医薬品の添付文書の内容は必要に応じて随時改訂されており、重要な内容が変更された場合は、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされている。
2 医薬品の添加物は、それ自体積極的な薬効を期待して配合されているものではないため、添付文書に成分名が記載されることはない。
3 誤りやすい使用方法の指摘がある場合は、用法及び用量の項目に続けて、これと区別して記載される。
4 効能又は効果に関連する注意事項がある場合は、効能又は効果の項目に続けて、これと区別して記載される。
添付文書に関する問題。
3,4の判断が迷うかもしれないが、誤り部分が分かり易いの判断は難しくないはず。
1 正しい。
2 誤り。医薬品の添加物は、それ自体で積極的な薬効を期待されるものでなく、製剤としての品質、有効性及び安全性を高めることを目的に配合される。アレルギーの原因になることがあり、添付文書に成分は記載される。
例えば、点眼薬には品質保持の為、ベンザルコニウム塩化物やホウ酸等が防腐剤として配合されている。
3 正しい。
4 正しい。
正答・・・2
問 47 一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」の項目における「連用に関する注意」及びその理由に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 解熱鎮痛薬は、一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合は、ほかに原因がある可能性があるため、「長期連用しないこと」と記載されている。
b 浣腸薬は、感受性の低下(いわゆる”慣れ”)が生じて、習慣的に使用される傾向があるため、「連用しないこと」と記載されている。
c 外用痔疾用薬は、アルミニウム脳症を生じるおそれがあるため、「長期連用しないこと」と記載されている。
d 駆虫薬は、海外において、長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるため、「1週間以上継続して服用しないこと」と記載されている。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
添付文書の「してはいけないこと」に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。グリセリン浣腸も参照を。
c 誤り。この試験でアルミニウム脳症とくれば、胃粘膜保護成分でアルミニウムを含んでいるのクラルファートやアルジオキサが思い浮かぶように。また「透析療法を受けている人は使用避ける」点でも頻出。
d 誤り。これは止瀉成分である次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分に関する内容。
正答・・・3
問 48 一般用医薬品の添付文書の記載事項として、正しいものはいくつあるか。
a 保管及び取扱い上の注意
b 製品の特徴
c 消費者相談窓口
d 製造販売業者の名称及び所在地
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 正しいものはない
一般用医薬品の添付文書の記載事項に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。製造販売元の製薬企業において購入者等からの相談に応じるための窓口担当部門の名称、電話番号、受付時間等が記載されている。
d 正しい。製造販売業の許可を受け、製造責任を有する製薬企業の名称・所在地が記載されている。販売を他社に委託している場合には、販社等の名称及び所在地も併せて記載されることがある。
正答・・・4
問 49 医薬品副作用被害救済制度に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用によって 一定程度以上の健康被害が生じた場合に、医療費等の諸給付を行うものである。
2 要指導医薬品又は一般用医薬品の使用による副作用被害への救済給付の請求に当たっては、医師の診断書、要した医療費を証明する書類(領収書等)などのほか、その医薬品を販売等した薬局開設者、医薬品の販売業者が作成した販売証明書等が必要である。
3 無承認無許可医薬品(いわゆる健康食品として販売されたもののほか、個人輸入により入手された医薬品を含む。)の使用による健康被害は救済制度の対象となる。
4 要指導医薬品や一般用医薬品の中には、救済制度の対象とはならないものがある。
医薬品副作用被害救済制度に関する問題。
これは容易に判断できるように。誤りが明白。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。
d 正しい。
正答・・・3
問 50 次の成分のうち、その成分を主な成分とする一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」の項目に「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」と記載されているものの正しい組み合わせはどれか。
a ジフェンヒドラミン塩酸塩
b センノシド
c ロートエキス
d アミノ安息香酸エチル
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
添付文書に「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」と記載される成分に関する問題。
これは容易に判断できるように。
眠気の恐れがある成分とくれば、抗コリン成分、抗ヒスタミン成分、鎮静成分などをまず選んでいく。
まず、睡眠改善薬としても使用される抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミン塩酸塩は容易に判断したい。
次に、胃腸鎮痛鎮痙薬や止瀉薬に配合される抗コリン成分のロートエキスを選べれば正答できる。
↓ジフェンヒドラミン塩酸塩等を含むある医薬品の「してはいけなこと」の記載内容。
a 正しい。
b 誤り。センノシドは大腸刺激性瀉下薬。
c 正しい。
d 誤り。アミノ安息香酸エチルは局所麻酔成分。乗り物酔い防止薬の分野で良く登場する。
正答・・・2