R1 福岡県(九州地区・沖縄共通) 第5章 医薬品の適正使用と安全対策 (問51-60)

特別難しい問題はない

問51
以下の情報のうち、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されているものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 一般用医薬品の添付文書情報

イ 医薬品販売業許可業者名一覧

ウ 患者向医薬品ガイド・くすりのしおり

エ 特定保健用食品許可品目名一覧

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)


独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページに関する問題。HPも実際に確認しておこう。

ア 正しい。
イ 誤り。
ウ 正しい。
エ 誤り。

正答・・・2


問52
医薬品の副作用情報等の収集に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度は、情報を広く収集することによって、医薬品の安全対策のより着実な実施を図ることを目的としている。

イ 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度は、病院若しくは診療所の開設者又は医師が報告を行う制度であり、薬剤師は報告する義務はない。

ウ 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度は、1967年3月より、約3000の医療機関をモニター施設に指定して、厚生省(当時)が直接副作用報告を受ける「医薬品副作用モニター制度」としてスタートした。

エ 医薬品の製造販売業者等には、その製造販売をし、又は承認を受けた医薬品について、その副作用等によるものと疑われる健康被害の発生、その使用によるものと疑われる感染症の発生等を知ったときは、その旨を、都道府県知事に報告することが義務づけられている。

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)


毎年出題されている医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する問題。
なお、この制度による報告は、登録販売者を含む医療関係者にとって「義務」である。(但し、実際にはあまり報告されていないが・・)

ア 正しい。
イ 誤り。薬剤師は報告義務がある。なお、登録販売者も本制度に基づく報告を行う医薬関係者として位置づけられている。
ウ 正しい。
エ 誤り。×都道府県知事→〇厚生労働大臣(実務上はPMDA) よくあるひっかけ問題。
他にも「報告期限は特に定められていない」「報告様式の記入欄すべてに記入がなされる必要はない」「医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合であっても報告の対象」等が良く出題されるポイントである。

正答・・・2


問53
医薬品の副作用情報等の収集、評価及び措置の内容に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 一般用医薬品に関しては、製造販売業者に対して、承認後の安全性に関する調査は求められていない。

イ 副作用情報は、その医薬品の製造販売業者等において評価・検討され、必要な安全対策が図られる。

ウ 各制度によって集められた副作用情報については、都道府県知事によって調査検討が行われ、その結果に基づき、厚生労働大臣が、安全対策上必要な行政措置を講じている。

エ 厚生労働大臣が行う安全対策上必要な行政措置として、使用上の注意の改訂の指示等を通じた注意喚起のための情報提供や、効能・効果や用法・用量の一部変更、調査・実験の実施の指示、製造・販売の中止、製品の回収等がある。

  ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤


医薬品の副作用情報等の収集、評価及び措置の内容に関する問題。
前問同様に、副作用関連の問題で「都道府県知事」ときたら「誤り」の可能性が高い点は押さえておこう。

ア 誤り。
イ 正しい。
ウ 誤り。
エ 正しい。

正答・・・4


問54
医薬品による副作用等が疑われる場合の報告の仕方に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1 医薬品との因果関係が必ずしも明確でない場合であっても報告の対象となり得る。

2 一つの店舗において複数の登録販売者が医薬品の販売等に携わっている場合、当該副作用の情報等に直接携わった登録販売者一名だけが報告を行えば十分である。

3 報告様式は独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページから入手可能であり、記入欄すべてに記入がなされる必要はない。

4 安全対策上必要があると認められる場合でも、医薬品の過量使用や誤用によるものと思われる健康被害については報告する必要はない。


これも医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に関する問題。

1 正しい。
2 正しい。これは多少迷うかも。「一名だけ」でOKである。
3 正しい。
4 誤り。。安全対策上必要を認めるときは、医薬品の過量使用や誤用等によるものと思われる健康被害も報告が必要とされている。

正答・・・4


問55
医薬品副作用被害救済制度に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 医薬品を適正に使用せずに発生した副作用についても、救済対象となる。

イ 給付請求先は独立行政法人医薬品医療機器総合機構である。

ウ 生物由来製品を適正に使用したにもかかわらず、それを介して生じた感染等による疾病、障害又は死亡についても対象である。

エ 給付の種類としては、医療費、障害年金、遺族一時金などがある。

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)


医薬品副作用被害救済制度に関する問題。

ア 誤り。医薬品の不適正な使用による健康被害については、救済給付の対象外。
イ 正しい。
ウ 誤り。生物由来製品の適正使用における副作用は「生物由来製品感染等被害救済制度」で救済する。
エ 正しい。給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料がある。
PMDAチャンネル↓


正答・・・3


問56
以下のうち、医薬品副作用被害救済制度の対象となるものについて、正しいものを下から一つ選びなさい。

1 人体に直接使用する殺菌消毒剤
2 一般用検査薬
3 個人輸入により入手された医薬品
4 健康食品
5 日本薬局方収載医薬品であるワセリン


医薬品副作用被害救済制度に関する問題。
これは消去法的に容易に判断できたでしょう。
市販薬では、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)は対象とならない。また、個人輸入医薬品や健康食品も対象外である。

正答・・1


問57
医薬品副作用被害救済制度の給付対象とならないケースのうち、製品不良など製薬企業に損害賠償責任がある場合の相談窓口として推奨されている機関を下から一つ選びなさい。

1 都道府県
2 医薬品PLセンター
3 日本OTC医薬品協会
4 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
5 くすりの適正使用協議会


医薬品PLセンターに関する問題も毎年出題されている。
なお、医薬品PLセンターは医薬品又は医薬部外品に関する苦情を受け付けているが、医療機器化粧品は対象外である点も頻出である。

正答・・・2


問58
これまでに日本国内において実施された一般用医薬品に対する主な安全対策に関する以下の関係の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

医薬品と副作用 安全対策

ア 小柴胡湯による間質性肺炎  安全性速報の配布
イ 塩酸フェニルプロパノールアミン含有医薬品による脳出血  緊急安全性情報の配布
ウアミノピリンが配合されたアンプル入りかぜ薬による重篤な副作用(ショック) 製品の回収要請
エ 一般用かぜ薬による間質性肺炎  代替成分への切替指示

  ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤


国内で実施された一般用医薬品に対する主な安全対策に関する問題。幅広い知識が求められている。

ア 誤り。小柴胡湯による間質性肺炎の緊急安全性情報(イエローレター)は超頻出。
イ 誤り。×緊急安全性情報→〇代替成分への切替指示。塩酸フェニルプロパノールアミンのプソイドエフェドリン塩酸塩への切替え指示は超頻出、去年も同地区で出題されています。
ウ 正しい。
エ 誤り。これを踏まえ、2003年6月に一般用かぜ薬全般に使用上の注意の改訂指示がなされた。

正答・・・5


問59
医薬品の適正使用及びその啓発活動に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 登録販売者は、一般用医薬品の販売に従事する医薬関係者(専門家)として、適切なセルフメディケーションの普及定着、医薬品の適正使用の推進のための活動に積極的に参加、協力することが期待される。

イ 医薬品の持つ特質及びその使用・取扱い等について正しい知識を広く生活者に浸透させることにより、保健衛生の維持向上に貢献することを目的とし、毎年10月17日~23日の1週間を「薬と健康の週間」として、国、自治体、関係団体等による広報活動やイベント等が実施されている。

ウ 薬物乱用や薬物依存は、一般用医薬品では生じず、違法薬物(麻薬、覚せい剤、大麻等)によって生じるものである。

エ 医薬品の適正使用の重要性に関する小中学生への啓発は、薬物への興味や乱用につながることからしてはならない。

  ア イ ウ エ
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤


医薬品の適正使用及びその啓発活動に関する問題。
10月17日~23日の1週間「薬と健康の週間」と、6月20日~7月19日の1か月「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は押さえておく。


ア 正しい。
イ 正しい。
ウ 誤り。一般用医薬品によっても生じ得る。
エ 誤り。医薬品の適正使用の重要性等に関して、小中学生のうちからの啓発が重要である。

正答・・・1


問60
以下の成分を含む一般用医薬品のうち、メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため、6歳未満の小児には使用(服用)しない旨が添付文書に記載されるものとして、正しいものを一つ選びなさい。

1 チペピジンヒベンズ酸塩
2 ブチルスコポラミン臭化物
3 アミノ安息香酸エチル
4 フェルビナク
5 メキタジン


この試験で「メトヘモグロビン血症」「6歳未満の小児は使用しない」ときたら、局所麻酔成分のアミノ安息香酸エチルである。第5章ではそれなりに出題されている。市販薬で配合された製品は多くないが、局所麻酔による制吐作用を期待して、乗り物酔い防止薬「アネロンニスキャップ」に配合されている。

正答・・・3

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