R2 愛知県(東海・北陸地区共通)第4章 薬事関連法規・制度 (PM問31-40)
問33(医薬品の購入等に関する記録)は難しい。問32(説明を要しない)も注意
問31
薬局及び医薬品の販売業に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 医薬品を取り扱う場所であって、薬局として開設の許可を受けていないものについては、病院又は診療所の調剤所を除き、薬局の名称を付してはならない。
b 店舗販売業者は、その店舗に勤務する者に名札を付けさせること等により、その店舗において医薬品の販売等に従事する薬剤師、登録販売者又は一般従事者が容易に判別できるようにしなければならない。
c 配置販売業では、特定の購入者の求めに応じて、第3類医薬品を開封して分割販売することができる。
d 卸売販売業の許可を受けた者は、業として一般の生活者に対して直接医薬品を販売することができる。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
薬局及び医薬品の販売業に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。良く問われるポイント。配置薬販売業(置き薬)は分割販売をすることができない。たとえば箱を開けて必要な分だけ配置したり、半端な数で販売ということはできない。
d 誤り。卸売販売業では、一般の生活者に対して直接医薬品を販売することはできない。
正答・・・1
問32
リスク区分に応じた情報提供等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 店舗販売業者は、要指導医薬品の適正な使用のため、要指導医薬品の販売後に、購入者から当該医薬品に係る相談があった場合は、その店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報提供をさせなければならない。
b 店舗販売業者は、第1類医薬品を購入しようとする者から説明を要しない旨の意思の表明がなくとも、販売に従事する薬剤師が、当該医薬品が適正に使用されると認められると判断した場合には、必要な情報提供をせずに販売することが認められている。
c 店舗販売業者は、指定第2類医薬品を販売又は授与する場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、当該指定第2類医薬品を購入しようとする者等が、禁忌事項を確認すること及び当該医薬品の使用について薬剤師又は登録販売者に相談するこ
とを勧める旨を確実に認識できるようにするために必要な措置を講じなければならない。
d 店舗販売業者は、第3類医薬品を購入しようとする者から相談があった場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、情報提供をさせた後に、販売しなければならない。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
リスク区分に応じた情報提供等に関する問題。
第一類の「説明を要しない」ケースは、あまり問われていないので迷ったかも。
a 誤り。要指導医薬品・第一類医薬品の販売・情報提供は(薬剤師又は登録販売者ではなく)「薬剤師」が行う。
b 誤り。まず前提として、第一類医薬品は、情報提供の内容を理解したことを確認した後でなければ、販売・授与してはならないとされている。ただし、(購入希望者より)説明を要しない旨の意思の表明があり、薬剤師が適正に使用されると認められると判断した場合には、適用しない(つまり情報提供を簡素化・省略できる)こととされている。
例としては、第一類の発毛剤を販売する際、顔なじみの購入者でリピート購入しており、かつ注意事項もよく理解されているケース等を思い浮かべればよい。
c 正しい。指定第二類医薬品の「情報提供を行うための設備から7メートル以内の範囲に陳列」「禁忌事項の確認」については頻出。
d 正しい。たとえ、第2,3類医薬品でも相談があった場合は情報提供は義務である。
正答・・・1
問33
1~5で示される事項のうち、店舗販売業者が、一般用医薬品を購入し、又は譲り受けたとき及び医薬品の販売業者に販売し、又は授与したときに書面に記載しなければならない事項として誤っているものはどれか。
1 品名
2 数量
3 購入若しくは譲り受けた者又は販売若しくは授与した者の氏名又は名称
4 購入若しくは譲受け又は販売若しくは授与の年月日
5 医薬品のリスク区分
医薬品の購入等に関する記録に関する問題。
これは難しい。問題を読んでも「言ってること」が良くわからないとう受験生が多かったかもしれません。
これは、医薬品販売業者間の取引で、高額な肝炎治療薬のニセ薬が流通してしまった事件(いわゆる「ハーボニー偽薬事件」)を契機として定められた、購入に関する記録の義務についての知識だが、業界関係者以外は非常にわかりづらい。(販売業者と一般消費者との売買における取り決めに関したものではない。)
書面に記載する内容としては以下のとおりで、リスク区分は規定にはない。詳しくはリンク記事で確認を。
① 品名
② 数量
③ 購入等の年月日
④ 購入者等の氏名又は名称、住所又は所在地、及び電話番号その他の連絡先
⑤ ④の事項を確認するために提示を受けた資料
⑥ 購入者等が自然人であり、かつ、購入者等以外の者が医薬品の取引の任に当たる場合及び購入者等が法人である場合にあつては、医薬品の取引の任に当たる自然人が、購入者等と雇用関係にあること又は購入者等から医薬品の取引に係る指示を受けたことを示す資料
正答・・・5
問34
医薬品医療機器等法第29条の3に基づき、店舗販売業者が、当該店舗の見やすい場所に掲示しなければならない事項として、正しいものの組み合わせはどれか。
a 要指導医薬品、第1類医薬品、第2類医薬品及び第3類医薬品の定義並びにこれらに関する解説
b 要指導医薬品の陳列に関する解説
c 勤務する者の薬剤師免許番号又は販売従事登録番号
d 複数の店舗について、店舗販売業の許可を受けている場合、許可を受けているすべての店舗の名称及び所在地
1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)
店舗販売業における掲示事項に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。「勤務する薬剤師又は登録販売者の別、その氏名と担当業務」を掲示することになっている。免許・登録番号は必要ない。
d 誤り。「すべて」でおかしいと感じたでしょうが、「店舗の名称及び所在地」も、特に規定に定められていない。
正答・・・1
問35
薬局開設者は、一般用医薬品のうち、濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定するものを販売する場合には、医薬品の販売に従事する薬剤師又は登録販売者に、医薬品医療機器等法施行規則第15条の2の規定に基づく確認を行わせなければならない。
次の事項のうち、薬剤師又は登録販売者が上記の規定に基づき確認しなければならない事項として正しいものの組み合わせはどれか。
a 当該医薬品を購入しようとする者が、適正な使用のために必要と認められる数量を超えて当該医薬品を購入しようとする場合は、その理由
b 当該医薬品を購入しようとする者が若年者である場合にあっては、当該者の氏名及び年齢
c 当該医薬品を使用しようとする者の氏名及び住所
d 当該医薬品を購入しようとする者が若年者である場合にあっては、当該者の保護者の氏名及び住所
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
毎年のように出題される厚生労働大臣が指定する濫用の恐れがある医薬品に関する問題。
今回は問われていないが、濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品は以下のとおり(その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤も含む)。
・エフェドリン
・コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ブロモバレリル尿素
・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)
試験対策として、確認事項「(購入者が)若年者である場合にあっては、当該者の氏名及び年齢」はしっかり憶えておきたい。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。「保護者」や「住所」は規定にない。
d 誤り。「保護者」や「住所」は規定にない。
正答・・・1
問36
店舗販売業者が行う特定販売の方法等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 当該店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品以外の医薬品も販売することができる。
b 特定販売により、一般用医薬品を購入しようとする者から、対面又は電話により相談応需の希望があった場合には、店舗販売業者は、その店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、対面又は電話により情報提供を行わせなければならない。
c 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告をするときは、ホームページに一般用医薬品の陳列の状況を示す写真を見やすく表示しなければならない。
d 特定販売を行うことについて広告をするときは、医薬品のリスク区分ごとに表示する必要はない。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
特定販売(いわゆるネット販売)に関する問題。
初めての受験生は、実際にネット販売を行っているサイトを確認してみると良い。
a 誤り。実店舗で貯蔵又は陳列していない医薬品は販売できない。(販売サイトだけ作成し、配送等は外部に委託するような販売は認められていない)
b 正しい。
c 正しい。一般用医薬品の陳列の状況を示す写真はもちろん、薬局の主要な外観の写真も表示する必要がある。(実店舗を持っていることを証明するため)
d 誤り。リスク区分ごとに表示することになっている。
正答・・・2
問37
医薬品の適正な販売方法に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 店舗販売業者が在庫処分を主な目的に、効能効果が重複する医薬品を組み合わせて販売する場合であっても、購入者に対してリスク区分に応じた情報提供を十分に行える範囲であれば適正な販売方法である。
b 購入者が、その購入した医薬品を業として他者に提供することが推定される場合において、購入者の求めるままに医薬品を販売することは、医薬品医療機器等法第24条第1項の規定に違反する行為(医薬品の無許可販売)に便宜を与えることにつながるおそれがある。
c 薬剤師は、要指導医薬品を購入しようとする者に情報提供及び指導した後、これらについて質問がないことを確認せずに販売できる。
d 医薬品を多量に購入する者に対しては、積極的に事情を尋ねるなど、慎重に対処するべきである。
1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)
医薬品の適正な販売方法に関する問題。
「質問がないこと」は、あまり出題されていなかったので迷ったかも。
a 誤り。常識的におかしいとわかるでしょう。
b 正しい。
c 誤り。要指導医薬品、第一類医薬品について、薬剤師は情報の提供を受けた者が内容を理解したこと及び「質問がないこと」を確認した後に、販売し、又は授与させることとなっている。(他に薬局医薬品や調剤した医薬品も同様だが、試験対策ではそこまで憶える必要はないでしょう)
d 正しい。
正答・・・3
問38
医薬品の広告及び医薬品等適正広告基準に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
1 医薬品医療機器等法において、未承認の医薬品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告が禁止されている。
2 店舗販売業者が販売促進のために用いるポスター、ステッカー、ディスプレーなどによる店頭・店内広告は、一般用医薬品の販売広告として、医薬品医療機器等法の規制対象とはならない。
3 新聞に医薬品の販売広告を掲載する場合、医薬品医療機器等法の規制対象となるのは、依頼主である医薬品販売業者だけでなく、掲載した新聞社等その広告に関与するすべての人が対象となる。
4 過度の消費や乱用が助長されることのないよう、医薬品の広告については節度ある適切な内容や表現が求められる。
医薬品等適正広告基準に関する問題。
1 正しい。
2 誤り。これら店頭・店内広告も販売広告に含まれ、規制対象になる。
3 正しい。
4 正しい。
正答・・・2
問39
一般の生活者からの医薬品の苦情及び相談に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 医薬品の販売関係の業界団体・職能団体においては、一般用医薬品の販売等に関する苦情を含めた様々な相談を購入者等から受けつける窓口を設置し、自主的なチェックと自浄的是正を図る取り組みがなされている。
b 独立行政法人国民生活センターでは、医薬品に関する相談は受けつけていない。
c 薬事監視員を任命している行政庁の薬務主管課、保健所、薬事監視事務所等では、生活者からの苦情等の内容から、薬事に関する法令への違反、不遵守につながる情報が見出された場合は、立入検査等によって事実関係を確認のうえ、問題とされた薬局開設者又は医薬品の販売業者等に対して、必要な指導、処分等を行っている。
d 生活者からの医薬品の苦情等は、消費者団体等の民間団体にも寄せられることがあるが、これらの団体では生活者へのアドバイスは行ってはならないとされている。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤
一般の生活者からの医薬品の苦情及び相談に関する問題。
b,dなど、あまり過去問では登場していない内容だが、常識的に判断していけば正答できるでしょう。
a 正しい。
b 誤り。医薬品に関する生活者からの苦情等は(独)国民生活センター、各地区の消費生活センターや消費者団体等の民間団体にも寄せられている。それらの機関、団体等では生活者へのアドバイスのほか、必要に応じて行政庁への通報や問題提起を行っている。
c 正しい。
d 誤り。
正答・・・4
問40
行政庁の監視指導に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 都道府県知事(薬局又は店舗販売業にあっては、その薬局又は店舗の所在地が保健所設置市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。以下「都道府県知事等」という。)は、店舗の構造設備が基準に適合せず、又はその構造設備によって不良医薬品を生じるおそれがある場合においては、その構造設備の改善を、当該店舗の店舗販売業者に対して命じることができる。
b 都道府県知事等は、必要があると認めるときは、当該職員(薬事監視員)に、薬局開設者又は医薬品の販売業者が医薬品を業務上取り扱う場所に立ち入り、従業員その他の関係者に質問させることができる。なお、従業員その他の関係者は、薬事監視員の質問に対して、正当な理由なく答弁しなかったり、虚偽の答弁を行った場合には、50万円以下の罰金に処せられることがある。
c 都道府県知事等は、薬事監視員に、薬局に立ち入り、帳簿書類を収去させることができる。
d 都道府県知事等は、店舗管理者について、その者に薬事に関する法令に違反する行為があったときは、その店舗販売業者に対して、店舗管理者の変更を命ずることができる。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
薬局・店舗販売業者に対する行政庁の監視指導及び処分に関する問題。
a 正しい。命じる相手が「店舗販売業者」なのでOK。もし「店舗管理者」だと誤りなので注意を。
b 正しい。
c 誤り。薬事監視員は帳簿書類は「検査」することはできるが、収去まで定められていない。一方で、無承認無許可医薬品、不良医薬品又は不正表示医薬品等の疑いのある物品を、試験のため必要な最少分量に限り、収去(持ち帰り)させることはできる。
d 正しい。これも命じる相手に注意を。
正答・・・5