R4 愛知県(東海・北陸地区共通)第5章 医薬品の適正使用・安全対策 (PM問51-60)

問57(相談すること)は難しい。

問51
医薬品PLセンターに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 医薬品PLセンターは、医薬品副作用被害救済制度の対象とならないケースのうち、製薬企業に損害賠償責任がない場合における相談先として推奨される。

b 医療機器に関する紛争処理は、対象としていない。

c 独立行政法人医薬品医療機器総合機構において、平成7年7月のPL法の施行と同時に開設された。

d 公平・中立な立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、裁判によらない、迅速な解決に導くことを目的としている。

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)


医薬品PLセンターに関する問題も、ほぼ毎年出題されている。
医薬品PLセンターは医薬品又は医薬部外品に関する苦情を受け付けているが、医療機器化粧品は対象外である点は頻出。

a 誤り。医薬品副作用被害救済制度の対象とならないケースのうち、製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合には、「医薬品PLセンター」への相談が推奨される。
b 正しい。医薬品又は医薬部外品に関する苦情は受け付けているが、医療機器や化粧品は対象外である。
c 誤り。日本製薬団体連合会において、平成7年7月のPL法の施行と同時に医薬品PLセンターが開設された。
d 正しい。

正解・・・3


問52
医薬品の適正使用のための啓発活動等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 登録販売者は、適切なセルフメディケーションの普及定着、医薬品の適正使用の推進のため、啓発活動に積極的に参加、協力することが期待されている。

b 薬物乱用防止を一層推進するため、「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が毎年6月20日~7月19日までの1ヶ月間実施されている。

c 一般用医薬品の乱用によって、薬物依存は生じないが、違法な薬物の乱用につながることがある。

d 小中学生のうちから、医薬品の適正使用の重要性等についての啓発が重要である。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正


医薬品の適正使用のための啓発活動に関する問題。
10月17日~23日の1週間「薬と健康の週間」と、6月20日~7月19日の1か月「ダメ。ゼッタイ。」普及運動は押さえておく。


a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。一般用医薬品によっても薬物乱用や薬物依存は生じ得る。
d 正しい。

正解・・・2


問53
一般用医薬品の添付文書に、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を生じるおそれがあるため「長期連用しないこと」と記載されている医薬品成分について、正しいものの組み合わせはどれか。

a アルジオキサ
b テオフィリン
c スクラルファート
d セトラキサート塩酸塩

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


5章では頻出のポイントであり、サービス問題でしょう。
スクラルファート、水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、アルジオキサ等のアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬、胃腸鎮痛鎮痙薬は、長期連用により、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を生じるおそれがあるため、「長期連用しないこと」と記載されている。

a 正しい。
b 誤り。
c 正しい。
d 誤り。

正解・・・2


問54
次の表は、ある制酸薬に含まれている主な有効成分の一覧である。この制酸薬の添付文書の「相談すること」の項目に、「次の診断を受けた人」として記載されているものはどれか。

3錠中
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物 6mg
アルジオキサ 150mg
水酸化マグネシウム 450mg
沈降炭酸カルシウム 900mg
ロートエキス 30mg

1 糖尿病
2 高血圧
3 てんかん
4 腎臓病
5 肝臓病


腎臓病」の診断を受けた人では、スクラルファート、水酸化アルミニウムゲル、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、アルジオキサ等のアルミニウムを含む成分が配合された胃腸薬、胃腸鎮痛鎮痙薬により、過剰のアルミニウムイオンが体内に貯留し、アルミニウム脳症、アルミニウム骨症を生じるおそれがあるため、「相談すること」に記載されている。

正解・・・4


問55
一般用医薬品の添付文書の使用上の注意に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a オキセサゼインは、妊娠中における安全性が確立されていないため、妊婦又は妊娠していると思われる人は「服用しないこと」とされている。

b 乳酸カルシウム水和物は、甲状腺ホルモンの吸収を阻害するおそれがあるため、甲状腺機能亢進症の診断を受けた人は「相談すること」とされている。

c イソプロピルアンチピリンは、無菌性髄膜炎の副作用を起こしやすいため、混合性結合組織病の診断を受けた人は「相談すること」とされている。

d スコポラミン臭化水素酸塩水和物が配合された乗物酔い防止薬は、眠気、目のかすみや異常なまぶしさを生じることがあるため、「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」とされている。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正


一般用医薬品の添付文書の使用上の注意に関する問題。

a 正しい。関連記事:オキセサゼイン(局所麻酔成分)
b 正しい。
c 誤り。イソプロピルアンチピリンではなく、イブプロフェンに関する記述である。
d 正しい。関連記事:スコポラミン臭化水素酸塩水和物(胃腸鎮痛鎮痙薬・抗コリン成分)

正解・・・5


問56
一般用医薬品の添付文書の「次の人は使用(服用)しないこと」の項目に、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と記載される主な成分・薬効群等とその理由との関係について、正しいものの組み合わせはどれか。

(主な成分・薬効群等) (理由)
a ロートエキスが配合された内服薬 - 乳児に頻脈を起こすおそれがあるため

b テオフィリンが配合された鎮咳去痰薬 - 乳児に神経過敏を起こすことがあるため

c ヒマシ油 - 乳児に頻脈を起こすおそれがあるため

d ジフェンヒドラミン塩酸塩が配合された坐剤- 母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒が生じたとの報告があるため

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)


一般用医薬品の添付文書の「授乳」に関する問題。

a 正しい。「乳児に頻脈の恐れ」ときたらロートエキス
b 正しい。アミノフィリン水和物、テオフィリンが配合された鎮咳去痰薬・鎮暈薬は、「乳児に神経過敏を起こす恐れ」の記載がある。
c 誤り。ヒマシ油は、乳児に下痢を引き起こすおそれがあるためである。
d 誤り。ジフェンヒドラミン塩酸塩は、乳児に昏睡を起こすおそれがあるためである。

正解・・・1


問57
一般用医薬品の添付文書の「相談すること」の項目に記載される基礎疾患等と医薬品の主な成分・薬効群等との関係の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

(基礎疾患等) (主な成分・薬効群等)
a 心臓病 - 硫酸ナトリウム
b 腎臓病 - サントニン
c 甲状腺機能障害 - マオウ
d 胃・十二指腸潰瘍 - ペントキシベリンクエン酸塩

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正


これは難問である。
鎮咳成分のペントキシベリンクエン酸塩は、手引きの第5章別表のみに掲載されている成分で対応は難しい。また、硫酸ナトリウムもマイナーな成分であり対応は難しい。

a 正しい。硫酸ナトリウムは無機塩類の瀉下成分(便秘薬)だが、血液中の電解質のバランスが損なわれ、心臓の負担が増加し、心臓病を悪化させるおそれがある。
b 誤り。×腎臓病⇒○肝臓病。駆虫成分のサントニンは、主に肝臓で代謝され、肝臓病の診断を受けた人では、肝機能障害を悪化させるおそれがある。
c 正しい。マオウ(麻黄)のような交感神経系を興奮させる成分は、甲状腺疾患を悪化させるおそれがある。
d 誤り。×胃・十二指腸潰瘍⇒○緑内障。ペントキシベリンクエン酸塩は抗コリン作用によって眼圧が上昇し、緑内障が悪化させるおそれがある。

正解・・・4


問58
1~5で示される成分・薬効群等のうち、心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすいため、一般用医薬品の添付文書の「相談すること」の項目に「高齢者」と記載されているものはどれか。

1 エテンザミドが配合された解熱鎮痛薬
2 グリセリンが配合された浣腸薬
3 ジヒドロコデインリン酸塩が配合されたかぜ薬
4 トリメトキノール塩酸塩水和物が配合された鎮咳去痰薬
5 マルツエキスが配合された瀉下薬


「高齢者」「心悸亢進、血圧上昇、糖代謝促進を起こしやすい」の記述から、アドレナリン作動成分、またはマオウ(麻黄)が配合されているものが選択候補となる。
この中で該当するのは、気管支拡張成分でアドレナリン作動成分のトリメトキノール塩酸塩水和物

正解・・・4


問59
一般用医薬品の添付文書に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

( a )を主な成分とする一般用医薬品を服用すると、排尿筋の( b )と括約筋の( c )が起こり、尿の貯留を来すおそれがある。特に前立腺肥大症を伴っている場合には、尿閉を引き起こすおそれがあるため、その添付文書等において、「相談すること」の項目に「次の症状がある人」として「排尿困難」と記載することとされている。
なお、構成生薬として( d )を含む漢方処方製剤についても、同様の記載がされている。

  a b c d
1 ジフェニドール塩酸塩 弛緩 収縮 マオウ
2 ジフェニドール塩酸塩 収縮 弛緩 カンゾウ
3 ジプロフィリン 弛緩 収縮 マオウ
4 ジプロフィリン 収縮 弛緩 マオウ
5 ジプロフィリン 弛緩 収縮 カンゾウ


抗めまい成分のジフェニドール塩酸塩が、抗ヒスタミン、抗コリン成分と同様な副作用(頭痛、排尿困難、眠気、散瞳、口渇など)が現れるおそれがあることと、排尿困難がおきる薬理作用を理解しているかがポイントとなる。

a ジフェニドール塩酸塩
b 弛緩
c 収縮
d マオウ

正解・・・1


問60
一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ピロキシカムが配合された外用鎮痛消炎薬は、一定期間又は一定回数使用しても症状の改善がみられない場合、ほかに原因がある可能性があるため、「長期連用しないこと」とされている。

2 無水カフェインを主薬とする眠気防止薬は、カフェインが胃液の分泌を亢進し、症状を悪化させるおそれがあるため、胃酸過多の症状がある人は「服用しないこと」とされている。

3 麻子仁丸は、鎮静作用の増強が生じるおそれがあるため、「服用前後は飲酒しないこと」とされている。

4 アスピリンは、外国において、ライ症候群の発症との関連性が示唆されているため、15歳未満の小児は「使用(服用)しないこと」とされている


一般用医薬品の添付文書の「してはいけないこと」に関する問題。

1 正しい。関連記事:ピロキシカム(外用消炎鎮痛成分)
2 正しい。関連記事:カフェイン
3 誤り。これはブロモバレリル尿素アリルイソプロピルアセチル尿素に関する記述である。なお、麻子仁丸は主に便秘に使用される漢方処方製剤。
4 正しい。関連記事:アスピリン

正解・・・3

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