H30 千葉県(東京・神奈川・埼玉共通) 第4章 薬事関連法規・制度 問51-60
特別難しい問題はない(但し問55 特定販売は注意)
問51 医薬品医療機器等法に基づき店舗販売業者が行う一般用医薬品のリスク区分に応じた情報提供等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 第一類医薬品を販売又は授与する場合には、その店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師に、書面を用いて、必要な情報を提供させなければならない。
b 指定第二類医薬品を販売又は授与する場合には、当該指定第二類医薬品を購入しようとする者等が、禁忌事項を確認すること及び当該医薬品の使用について薬剤師又は登録販売者に相談することを勧める旨を確実に認識できるようにするために必要な措置を講じなければならない。
c その店舗において第三類医薬品を購入した者から相談があった場合には、その店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させなければならない。
a b c
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 正 誤 正
4 誤 正 誤
5 誤 誤 正
一般用医薬品のリスク区分に応じた情報提供等に関する問題。
a 正しい。第一類医薬品なので薬剤師が対応する。「書面」を用いることと、「義務」(~ればならない)も正誤のポイントである。
b 正しい。指定第二類医薬品の「情報提供を行うための設備から7メートル以内の範囲に陳列」「禁忌事項の確認」については頻出。
c 正しい。たとえ、第2,3類医薬品でも相談があった場合は情報提供は義務である。
正答・・・1
問52 店舗販売業者が要指導医薬品を販売したときに書面に記載しなければならない事項として、医薬品医療機器等法施行規則第146条第3項に規定されていないものはどれか。
1 品名
2 数量
3 販売した日時
4 購入者の年齢
5 購入者が情報提供の内容を理解したことの確認の結果
要指導医薬品又は第一類医薬品の販売記録に関する問題。
とりあえず、このタイプの問題では「購入者の住所・氏名の確認は義務ではない」点を押さえておこう。そして今回の購入者の年齢の確認も義務ではなく、あくまで任意である。
正答・・・4
問53 医薬品の陳列若しくは配置に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 配置販売業者は、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品を混在させないように配置しなければならない。
b 薬局開設者は、購入者の利便性等を考慮し、薬効分類が同じである第一類医薬品と要指導医薬品を、区別することなく陳列することができる。
c 薬局開設者は、要指導医薬品を薬局等構造設備規則に規定する要指導医薬品陳列区画の内部の陳列設備、かぎをかけた陳列設備、又は要指導医薬品を購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列しなければならない。
d 店舗販売業者は、第三類医薬品を、薬局等構造設備規則に規定する「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
医薬品の陳列若しくは配置に関する問題。
a 正しい。配置薬販売業も、店舗販売業と同様に、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品を混在させないように配置しなければならない。
b 誤り。これはすぐにおかしいとわかるでしょう。
c 正しい。
d 誤り。これは指定第二類医薬品に関する内容である。
正答・・・2
問54 医薬品医療機器等法施行規則第149条の10の規定に基づき、配置販売業者が、一般用医薬品を配置するときに添える書面に記載しなければならない事項として、誤っているものはどれか。
1 区域管理者の氏名
2 取り扱う一般用医薬品の区分
3 配置に従事する登録販売者の外部研修の受講履歴
4 第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品の情報の提供に関する解説
5 個人情報の適正な取扱いを確保するための措置
配置販売業者が、一般用医薬品を配置するときに添える書面に関する問題。
これは今まで殆ど出題されていない内容なので迷ったかも。但し、消去法的にでも正答に導きたい。
正答・・・3
問55 医薬品医療機器等法施行規則第147条の7の規定に基づき、店舗販売業者が行う特定販売に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 当該店舗に貯蔵し、又は陳列している一般用医薬品のみ販売することができる。
b 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告する場合には、店舗の主要な外観の写真を表示しなければならない。
c 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告する場合には、特定販売を行う医薬品の使用期限を表示しなければならない。
d 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告する場合には、現在勤務している薬剤師又は登録販売者の氏名及び写真を表示しなければならない。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 正 誤 正
5 誤 正 誤 正
特定販売(いわゆるネット販売)に関する問題。
初めての受験生は、実際にネット販売を行っているサイトを確認してみると良い
a 正しい。いわゆるドロップシッピングのような販売は認められておらず、貯蔵又は陳列していない医薬品は販売できない。
(2019/6/23追記:このケースでは「店舗販売業」なので一般用医薬品のみが特定販売の対象だが、もし「薬局」の場合は、「一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品」が特定販売の対象になるので注意)
b 正しい。広告に関して、昨年は「医薬品の陳列の状況を示す写真 」の有無が問われていたが、今年は「店舗の主要な外観の写真」が問われている。一般用医薬品の陳列の状況を示す写真はもちろん、薬局の主要な外観の写真も表示する必要がある。
(なお、ネット販売を行うには実店舗での販売実施も必要だが、形式的な店舗販売のためか、郊外の流通センターにあったり、陳列の状況を示す写真は、驚くほど貧弱な陳列写真のところがある。)
c 正しい。初めて解いた受験生は意外に思うかもしれないが正しい。実際には店舗概要のページ等に、「使用期限まで〇〇日以上ある医薬品をお届けします。」というような形で記載すれば良いことになっている。(H27 東京 問56、H27 福岡 問114)
d 誤り。よくあるひっかけ問題。勤務者の氏名だけで良く「顔写真」は必要ないことを押さえておく。
正答・・・1
問56 次の成分(その水和物及びそれらの塩類を含む。)を有効成分として含有する製剤のうち、濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(平成26年厚生労働省告示第252号)として、正しいものの組合せはどれか。
a アセトアミノフェン
b コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
c プソイドエフェドリン
d インドメタシン
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
厚生労働大臣が指定する濫用の恐れがある医薬品に関する問題。
毎年出題されると思って全て憶えておきたい。
濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品は以下のとおり(その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤も含む)。
・エフェドリン
・コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ブロムワレリル尿素
・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)
正答・・・3
問57 医薬品の広告に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品の効能、効果等について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
b 一般用医薬品の販売広告としては、製薬企業等の依頼によりマスメディアを通じて行われるもののほか、薬局、店舗販売業又は配置販売業において販売促進のため用いられるチラシやダイレクトメール(電子メールを含む)も含まれる。
c 漢方処方製剤の効能効果は、配合されている個々の生薬成分が相互に作用しているため、それらの構成生薬の作用を個別に挙げて説明することは不適当である。
a b c
1 正 正 正
2 正 正 誤
3 正 誤 誤
4 誤 正 誤
5 誤 誤 正
医薬品の広告に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
正答・・・1
問58 医薬品の販売方法等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a キャラクターグッズ等の景品類を提供して販売することは、不当景品類及び不当表示防止法の限度内であっても認められていない。
b 購入者の利便性のため異なる複数の医薬品を組み合わせて販売する場合、購入者に対して情報提供を十分に行える程度の範囲内であって、かつ、組み合わせることに合理性が認められるものでなければならない。
c 医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められていない。
a b c
1 正 誤 正
2 正 誤 誤
3 正 正 正
4 誤 正 正
5 誤 正 誤
医薬品の販売方法等に関する問題。
a 誤り。キャラクターグッズ等の景品類を提供しての販売は、不当景品類及び不当表示防止法の限度内であれば認められている。
b 正しい。
c 正しい。なお、医薬品を懸賞や景品として授与することに関して「サンプル品(試供品)を提供するような場合を除き・・・」という例外の記載があったが、平成30年の手引き改定により、サンプル品に関する記述が削除されている。
正答・・・4
問59 医薬品医療機器等法に基づく行政庁の監視指導及び処分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。なお、本設問において「都道府県知事」とは、「都道府県知事(薬局又は店舗販売業にあっては、その薬局又は店舗の所在地が保健所設置市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)」とする。
a 都道府県知事は、店舗販売業における一般用医薬品の販売等を行うための業務体制が、 基準(薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令)に適合しなくなった場合、店舗管理者に対して、その業務体制の整備を命ずることができる。
b 都道府県知事は、当該職員(薬事監視員)に、薬局に立ち入り、不良医薬品の疑いのある物を、試験のため必要な最少分量に限り、収去させることができる。
c 都道府県知事は、当該職員(薬事監視員)に、薬局に立ち入り、帳簿書類を収去させることができる。
a b c
1 正 正 正
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 正 誤
5 正 誤 誤
薬局・店舗販売業者に対する行政庁の監視指導及び処分に関する問題。
a 誤り。よくあるひっかけ問題で、命じる相手が違っている。×店舗管理者→〇「医薬品の販売業者」(薬局なら薬局開設者)
b 正しい。(薬事監視員に)無承認無許可医薬品、不良医薬品又は不正表示医薬品等の疑いのある物品を、試験のため必要な最少分量に限り、収去(持ち帰り)させることができる。
c 誤り。(薬事監視員は)帳簿書類は「検査」することはできるが、収去まで定められていない。
正答・・・4
問60 医薬品の苦情相談窓口に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 生活者から行政庁へ寄せられた医薬品販売業者が行う広告や医薬品の販売方法に関しての苦情や相談の内容から、薬事に関する法令違反につながる情報が見出されることがある。
b 独立行政法人国民生活センターは、生活者へのアドバイスを行っているが、行政庁へ通報することはない。
c 医薬品の販売関係の業界団体・職能団体においては、一般用医薬品の販売に関する苦情を含めた様々な相談を購入者等から受け付ける窓口を設置し、業界内における自主的なチェックと自浄的是正を図る取り組みもなされている。
a b c
1 正 正 正
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 正 誤
5 正 誤 誤
医薬品の苦情相談窓口に関する問題。
国民生活センターはそれ程出題されている訳ではないが、問題としての難易度は高くない。
a 正しい。
b 誤り。生活者へのアドバイスのほか、必要に応じて行政庁への通報や問題提起を行っている。
c 正しい。
正答・・・2