亀苓膏(グワイリンゴウ)は、特に中国の広東地域(広州や香港など)で食べられている伝統的な薬膳系スイーツで、亀板(キバン・亀の腹側の甲羅)や、土茯苓(ドブクリョウ)などの数種類の生薬を煮込んで作られたゼリー状の食べ物です。

日本では「亀ゼリー」という通称で呼ばれることが多く、特に近年は旅系YouTubeで度々登場しているようで、「亀ゼリー」なら知っているという方も多いかもしれません。

一応薬膳系スイーツですので、この亀苓膏(グワイリンゴウ)には、様々な効能が謳われていますが、蒸し暑い中国の広東地域で良く食べられていることにも関係して 、特に夏バテ予防(滋養効果)があるといわれています。また、亀の腹甲にはコラーゲンが豊富に含まれていることから、美肌効果もあるとも言われています。

そして、今回は実際に香港の涼茶舗(リョウンチャーポウ)で食べてみた、亀苓膏(亀ゼリー)を紹介したいと思います。(涼茶舗・・・広東地域で見られる漢方茶を提供するお店)

訪れたお店は、香港島の銅鑼湾(コーズウェイベイ)にある、1904年創業の恭和堂という有名店です。

こちらのお店は日本のガイドブックにも良く紹介されていますが、一応この店のご先祖が亀ゼリーを生み出したと言われており、亀ゼリーの元祖という位置づけになっているようです。

そして、こちらがお店のメニューですが、左上に亀ゼリーが一番大きく書かれていて、お店のメインであるのがわかります。この説明文を見ると、亀板(亀の腹甲)のほか、土茯苓や甘草など、20種類以上の生薬が使われていること、そして様々な効能が書かれています。
また、亀ゼリーは冷たいのと、温かいのを選べるそうですが、温かい方を食べるのが一般的なようです。

そして物価の高い香港で気になるお値段は、1カップで72香港ドル。当時のレートだと日本円で1,440円と、なかなか失敗が許されない価格となっています。
この値段の高さにやや焦りを感じつつ、さらにこれでまずかったらどうしようと不安になりながら注文した温かい亀ゼリーですが、テーブルに届いたのがこちら。
実は食べる前の写真がピンボケしていたので、少し上の部分を食べたあとの画像ですが、最初はカップに目一杯入った状態で、結構アツアツで届きます。

味については、事前にかなり苦いというのは知っていましたが、最初食べてみた感想は、とにかく苦くて食べきれるかが不安になりました。
あと独特の臭いというか土臭い感じが個人的にはしてしまいました。これについては、亀由来のものなのか、他の生薬のにおいなのかはちょっとわかりませんが・・・。
なお、ゼリーなのでプルルンとしていますが、これはゼラチン等を加えているのではなく、亀のコラーゲンにより、ゼリー状に固まるらしいです。
ボリュームも日本人には理解できない位に多く、この苦いゼリーを完食するのは罰ゲームに近いものがありますが、実はテーブルに蜜と砂糖?が準備されていますので、実際にはそれで甘味を加えながら食べることになります。
但し、それでも苦手な人には完食は結構きついかもしれません。(私はなんとか完食することはできました。なお、複数人でシェアするのは、お店には迷惑になるのでやめた方がいいです。)

なお、このお店のホームページ(https://kwt.my/products/?lang=zh-hans)によると、この亀ゼリーの効能効果は以下の通りです。

•身体排毒 (身体を解毒する)

•缓解消化不良 (消化不良を和らげる)

•健脾 (脾を健康にする)

•清热降火 (熱を取り除き、内部の熱を軽減する)

•促进休息和睡眠 (休息と睡眠を促進する)

•保健美容 (健康と美しさを保つ)

個人的には、一度食べればもう十分な亀ゼリーですが、お店には日曜日の11時という中途半端な時間にも関わらず、それなりにリピートしている感じの現地のお客さんもいて普通に食べていました。中には蜜もつけずに素で食べている人も。まあ、Googleの口コミを読むと、養生効果を感じながら、そのままで食べれてしまう人もそれなりにいるようですね。

また、店内のこちらで保温しているようでしたが、テイクアウトで買っていく方も結構います。

このように、今回紹介した亀ゼリー・亀苓膏(グワイリンゴウ)ですが、色々な旅行ガイドブックにも紹介されているものの、正直おいししいものではありませんので、特に滞在日数の限られた香港旅行期間中に敢えて食べることは(あくまで個人意見として)お薦めはしません。
それでも、養生系スイーツや薬膳料理などに興味のある方、ちょっと滞在中に夏バテかぁと感じた時は、一度試してみるのも面白いでしょう。

なお、亀苓膏(グワイリンゴウ)は、このお店以外にも、涼茶舗(リョウンチャーポウ)と呼ばれる漢方茶を提供するお店では普通に至る所で提供していますので、こちらもお店以外でも、食べれるところは沢山あります。
(日本でも、横浜中華街等で提供しているお店もあります)

また、香港の漢方食材を扱うお店では、缶詰やプラケース入りの亀苓膏(グワイリンゴウ)が販売されています。こちらは羅漢果も加えられて苦みが軽減されています。
時間の無い方は、お店で食べるよりも、このようなお土産で買って帰る方が現実的かもしれませんね。

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