H27 愛知県(東海・北陸共通)第4章 薬事関係法規・制度(PM問31-40)
問31(医薬品の種類)は細かい知識が問われている。
問39(医薬品の使用期限)は頻出。
問 31 次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 日本薬局方に収載されている医薬品はすべて医療用医薬品であり、一般用医薬品はない。
b 薬局においては、着色のみを目的として、厚生労働省令で定めるタール色素以外のタール色素が使用されている医薬品を販売してはならない。
c 検査薬や殺虫剤、器具用消毒薬のように、人の身体に直接使用されないものはすべて医薬部外品に該当する。
d 日本薬局方とは、医薬品医療機器等法の規定に基づいて、保健医療上重要な医薬品について、必要な規格・基準及び標準的試験法等を定めたものである。
1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)
日本薬局方、不正表示医薬品、不良医薬品に関する問題。
誤りの選択肢の方が見つけやすい。
タール色素に関しては、それ程出題されていないが、試験対策として割り切って憶えれば良い。なお、東海北陸地区では昨年もタール色素の知識が問われていた。
a 誤り。
b 正しい。
c 誤り。一般用医薬品に該当するものが多数ある。
d 正しい。
正答・・・3
問 32 毒薬・劇薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 毒薬を収める直接の容器又は被包には、黒地に白枠、白字をもって、品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。
b 一般用医薬品で毒薬又は劇薬に該当するものは一部に限られている。
c 業務上毒薬又は劇薬を取り扱う者は、それらを他の物と区別して貯蔵、陳列しなければならず、特に毒薬を貯蔵、陳列する場所については、かぎを施さなければならない。
d 毒薬又は劇薬を、18歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。
1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)
毒薬・劇薬に関する問題。この分野は毎年必ず出題されると思って良い。
a 正しい。
↓ある毒薬(医療用医薬品)の表示例。黒地に白枠、白字をもって、品名及び「毒」の文字が記載されている。
b 誤り。一般用医薬品で毒薬又は劇薬に該当するものはない。
c 正しい。毒薬の貯蔵には鍵が必要。
d 誤り。×18歳未満→〇14歳未満。この数値については度々出題されているので必ず憶える。
正答・・・1
問 33 生物由来の原材料及び生物由来製品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 一般用医薬品に生物由来の原材料を用いることはできない。
b 生物由来製品には、植物に由来するもののみを原料として製造される医薬品も含まれる。
c 生物由来の原材料(有効成分に限らない。)が用いられるものであっても、現在の科学的知見において、感染症の発生リスクの蓋然性が極めて低いものについては、生物由来製品として指定の対象とならない。
d 生物由来製品は、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
生物由来製品に関する問題。aの判断は特に迷う。
生物由来製品の定義は以下のとおり
「人その他の生物(植物を除く。)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けを含む。)をされる医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するもの」
なお、現在のところ、一般用医薬品、要指導医薬品で生物由来製品に指定されたものはない。
a 誤り。一般用医薬品に生物由来の原材料を用いることはできる。例えば、ジリュウ(地竜)、ゴオウ(牛黄)は生物由来の原材料である。
b 誤り。
c 正しい。
d 正しい。
正答・・・3
問 34 薬局における要指導医薬品及び一般用医薬品のリスク区分に応じた情報提供及び陳列に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 第3類医薬品は、薬局等構造設備規則に規定する「情報提供を行うための設備」から7メートル以内の範囲に陳列しなければならない。
b 第2類医薬品を販売する場合には、書面を用いた情報提供を行わなければならない。
c 第1類医薬品、第2類医薬品及び第3類医薬品を混在しないように陳列しなければならない。
d 要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与しない時間は、要指導医薬品又は一般用医薬品を通常陳列し、又は交付する場所を閉鎖しなければならない。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
医薬品のリスク区分に応じた情報提供及び陳列に関する問題
a 誤り。これは指定第二類医薬品に関する内容。
b 誤り。書面を用いた情報提供が必要なのは、要指導医薬品と第一類医薬品。
c 正しい。これは簡単でしょう。
d 正しい。例えば、薬剤師不在時にネット等で閉められた売り場を見たことがある人も多いでしょう。
正答・・・4
問 35 医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 要指導医薬品は、一般用医薬品へ分類が変更されることはない。
b 効能効果の表現に関しては、医療用医薬品では通常、診断疾患名で示されているのに対し、 一般用医薬品では、一般の生活者が判断できる症状で示されている。
c 一般用医薬品では、注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられていない。
d 要指導医薬品は、医師等の診療によらなければ一般に治癒が期待できない疾患(例えば、がん、心臓病等)に対する効能効果が認められている。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正
これはサービス問題と言っても良いでしょう。
a 誤り。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。
正答・・・1
問 36 第1欄の記述は、医薬品医療機器等法第66条の条文である。( )に入れるべき字句の正しい組み合わせは第2欄のどれか。
第1欄 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、( a )、 効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、( b )又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、 医師その他の者がこれを( c )したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、 又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 (略)
第2欄
a b c
1 使用方法 曖昧 推奨
2 製造方法 虚偽 保証
3 製造方法 曖昧 保証
4 製造方法 虚偽 推奨
5 使用方法 虚偽 保証
医薬品医療機器等法(旧薬事法)の穴埋め問題。
aが迷う。この手の問題は、知らなければ最もらしいものを選ぶしかない。
a 製造方法
b 虚偽
c 保証
正答・・・2
問 37 医薬品等適正広告基準に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 漢方処方製剤では、使用する人の体質等を限定した上で特定の症状等に対する改善を目的として、効能効果に一定の前提条件が付されていることが多いが、そうした条件を省いて広告することは原則として認められていない。
b 一般用医薬品において、同じ有効成分を含有する医療用医薬品の効能効果をそのまま標榜すれば、承認されている内容を正確に反映した広告といえる。
c 医薬品の使用前・使用後を示した図画・写真等を掲げることは、その効能効果等の保証表現となり、不適当である。
d チラシやパンフレットの同一紙面に、医薬品と化粧品を併せて掲載することは認められていない。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正
医薬品等適正広告基準に関する問題
a 正しい。
b 誤り。
c 正しい。常識的に考えれば正しいと判断できるでしょう。(最近、第3類医薬品の通信販売番組で、ビフォーアフターを連想させるような内容を見かけるが、当然不適当)
d 誤り。ドラックストアのチラシを見たことがあれば容易に判断できる。
正答・・・4
問 38 濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品は、平成26年厚生労働省告示 第252号に掲げる有効成分(その水和物及びそれらの塩類を含む。)を含有する製剤とされているが、次のうちその成分として誤っているものはどれか。
1 エフェドリン
2 コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
3 アセトアミノフェン
4 ブロムワレリル尿素
5 メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)
濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品に関する問題
この中から対象外のものを選ぶとしたら、容易に解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンを選択できるように。
なお、指定されているものとしては、以下の6種類。
1)エフェドリン
2)コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
3)ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
4)ブロムワレリル尿素
5)プソイドエフェドリン
6)メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)
「濫用のおそれのある」というと怖いイメージがあるかもしれないが、それぞれ総合感冒薬や鎮咳去痰薬に使用されている成分。特にジヒドロコデインやメチルエフェドリンは良く使用されている。
なお、ブロムワレリル尿素は鎮静成分で、鎮静補助の目的で頭痛薬に配合されている。代表品は頭痛薬の「ナロンエース」。他にも一般用医薬品では珍しい鎮静剤である「ウット」にも配合されている。
正答・・・3
問 39 医薬品医療機器等法第50条の規定により、一般用医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載されていなければならない事項に、該当しないものはどれか。
1 製造番号又は製造記号
2 製造年月日
3 重量、容量又は個数等の内容量
4 製造販売業者の氏名又は名称及び住所
一般用医薬品の容器・外箱等への法定記載事項に関する問題。初見では難しいが、良く出題されている内容なので、次回以降は必ず正答できるように。
出題の手引きに書かれている法的記載事項は以下のとおり。
(j)にあるように、適切な保存条件の下で3年を超えて性状及び品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣の指定する医薬品における使用の期限は記載義務はない。
その為、以前は漢方薬等、使用期限の長いものには使用期限の記載のない製品もありました。
しかし、現在は、特に法定記載事項に定められていなくても、殆どの製品に使用期限は記載されています。(使用期限が書いていないような製品は、まず消費者が買わない。)
容器・外箱等への法定記載事項
(a) 製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
(b) 名称(日局に収載されている医薬品では日局において定められた名称、また、その他の医薬品で一般的名称があるものではその一般的名称)
(c) 製造番号又は製造記号
(d) 重量、容量又は個数等の内容量
(e) 日局に収載されている医薬品については「日本薬局方」の文字等
(f) 要指導医薬品である旨を示す識別表示
(g) 一般用医薬品のリスク区分を示す識別表示
(h) 日局に収載されている医薬品以外の医薬品における有効成分の名称及びその分量
(i) 誤って人体に散布、噴霧等された場合に健康被害を生じるおそれがあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(殺虫剤等)における「注意-人体に使用しないこと」の文字
(j) 適切な保存条件の下で3年を超えて性状及び品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣の指定する医薬品における使用の期限
(k) 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字
(l) 指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字
正答・・・2
問 40 医薬品医療機器等法に基づく行政庁の監視指導及び処分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 薬局開設者や医薬品の販売業者は、薬事監視員による立入検査や収去を拒んだり、妨げたりしても、虚偽の報告をしない限り、それらの行為に対する医薬品医療機器等法に基づく罰則を科せられることはない。
b 厚生労働大臣、都道府県知事、保健所を設置する市の市長及び特別区の区長は、その職員のうちから薬事監視員を命じ、監視指導を行わせることができる。
c 都道府県知事は、薬局開設者又は医薬品の販売業者(配置販売業者を除く。)に対して、その構造設備が基準に適合せず、又はその構造設備によって不良医薬品を生じるおそれがある場合、その構造設備の改善を命ずることができる。
d 厚生労働大臣は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、医薬品の販売又は授与を一時停止することを命ずることができる。
a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正
行政庁の監視指導に関する問題。
これもほぼサービス問題。特別知識がない場合でも、常識的に読み取って判断すればよい。
1 誤り。
2 正しい。
3 正しい。
4 正しい。
5 正しい。
正答・・・5
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