R4 関西広域連合 第4章 薬事に関する法規と制度(問81-90)
問81
次の記述は、法第1条の条文である。( )の中に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。なお、複数箇所の( a )内は、いずれも同じ字句が入る。
この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による( a )上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、( b )の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその( c )が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、( a )の向上を図ることを目的とする。
a b c
1 保健衛生 指定薬物 必要性
2 保健衛生 指定薬物 新規性
3 保健衛生 麻薬 必要性
4 国民生活 麻薬 新規性
5 国民生活 大麻 利便性
医薬品医療機器等法第1条の条文に関する問題。
全国的に、第4章の初問として良く取り扱われてきたタイプの問題ですが、近年は出題されないエリアも見受けられます。
a 保健衛生
b 指定薬物
c 必要性
「必要性」はこれまで殆ど問われていない部分だが、選択肢の中からは常識的に選べるでしょう。
なお、同エリアではR2にも同じタイプの穴埋め問題があり、 「化粧品」「指定薬物」「研究開発」を選ぶ問題だった。
正解・・・1
問82
登録販売者に関する記述について、誤っているものを一つ選べ。
1 店舗販売業者は、その店舗において業務に従事する登録販売者に対し、厚生労働大臣に届出を行った研修実施機関が行う研修を毎年度受講させなければならない。
2 販売従事登録を受けようとする者は、法施行規則に基づく申請書を、販売従事登録を受けようとする者の居住地の都道府県知事に提出しなければならない。
3 登録販売者は、第二類医薬品を購入しようとする者に対し、適正な使用に関する事項に関する正確かつ適切な情報の提供に努めなければならない。
4 登録販売者は、法施行規則第159条の8第1項の登録事項に変更を生じたときは、30日以内に、登録を受けた都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
5 登録販売者が、偽りその他不正の手段により販売従事登録を受けたことが判明したとき、都道府県知事はその登録を消除しなければならない。
1 正しい。「登録販売者の研修」は令和4年手引き改訂で追加されました。
2 誤り。「居住地の都道府県知事」が×。
販売従事登録を受けようとする者は、法施行規則に基づく申請書を従事する薬局又は医薬品の販売業の店舗の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。例えば、群馬在住の人が隣県の埼玉県に勤務している場合、埼玉県にて販売従事登録を行います。
3 正しい。
4 正しい。登録事項に変更が生じた場合は30日以内に届け出が必要(例えば、本籍地都道府県名や氏名性別など)。なお、(自宅)住所地の変更は、届け出の必要はない。
5 正しい。
正解・・・2
問83
医薬品の定義と範囲に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 「やせ薬」を標榜したもの等、人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている「無承認無許可医薬品」は、医薬品に含まれない。
b 人の疾病の診断に使用されることを目的とする検査薬であって、機械器具等でないものは、医薬品に含まれる。
c 日本薬局方に収められている物は医薬品に該当する。
d 医薬品は、法に基づく医薬品の「製造業」の許可を受けた者でなければ製造をしてはならない。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正
医薬品の定義(医薬品医療機器等法法第2条第1項)は以下のように規定されている。
一 日本薬局方に収められている物
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)⇒社会通念上いわゆる医薬品と認識される物の多くがこれに該当
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)⇒人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物のうち、第1号及び第2号に規定されているもの以外のもの。該当するものとしては、「やせ薬」を標榜したもの等、「無承認無許可医薬品」が含まれる。
a 誤り。ここは迷いやすいポイント。「無承認無許可医薬品」は、上記医薬品の定義の「三」に該当する。
b 正しい。
c 正しい。
なお、日本薬局方とは、厚生労働大臣が医薬品の性状及び品質の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、保健医療上重要な医薬品(有効性及び安全性に優れ、医療上の必要性が高く、国内外で広く使用されているもの)について、必要な規格・基準及び標準的試験法等を定めたものである。
収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されているものも少なくない。(というか大部分が日本薬局方に記載されている)
d 正しい。
正解・・・3
問84
毒薬・劇薬に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。
a 毒薬は、単に毒性が強いものだけでなく、薬用量と中毒量が接近しており安全域が狭いため、その取扱いに注意を要するもの等が指定される。
b 現在のところ、毒薬に該当する一般用医薬品はないが、劇薬に該当する一般用医薬品はある。
c 劇薬については、それを収める直接の容器又は被包に、黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。
d 劇薬を、14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)
毎年のように出題される毒薬・劇薬に関する問題。
a 正しい。
b 誤り。毒薬又は劇薬は、要指導医薬品に該当することはあるが、現在のところ、一般用医薬品のものはない。なお、要指導医薬品の勃起障害改善薬のガラナポーンは劇薬に指定されている。
c 誤り。これは「毒薬」における記載内容。劇薬の場合、白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載される。
↓ある劇薬指定薬品(医療用)の箱への表示例
d 正しい。14歳以上の者であっても、安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。
正解・・・2
問85
法第50条の規定に基づき、要指導医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載されていなければならない事項の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。ただし、厚生労働省令で定める表示の特例に関する規定は考慮しなくてよい。
a 「要指導医薬品」の文字
b 製造販売業者の氏名又は名称及び住所
c 日本薬局方に収載されている医薬品については「日本薬局方」の文字
d 製造番号又は製造記号
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
医薬品の直接の容器又は被包への「法定表示事項」に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。なお、ここは良く問われているポイントで、「製造業者」と書かれていたら誤りなので注意を。
c 正しい。
d 正しい。
正解・・・5
問86
医薬部外品に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 医薬部外品には、化粧品的な使用目的を有する製品はない。
b 医薬部外品を製造販売する場合には、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとに承認を得る必要がある。
c 一般小売店で医薬部外品を販売する場合は、医薬品の販売業の許可が必要である。
d 衛生害虫類の防除のために使用される製品群については、直接の容器又は直接の被包に「指定医薬部外品」と識別表示がなされている。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正
医薬部外品は人体に対する作用が緩和であることを要件として、あらかじめ定められた範囲内で医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められています。
①人の疾病の診断・治療・予防(作用の穏やかな胃腸薬・整腸剤など)
②吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
③あせも、ただれ等の防止
④脱毛の防止、育毛又は除毛
⑤ねずみ、はえ、蚊、のみ等の防除
例えば、医薬部外品の整腸剤:新ビオフェルミンSの効能は「整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感」です。
一方で、化粧品は、「頭皮、毛髪を清浄にする」「フケ、カユミを抑える」等の身体の美化・清潔の範囲内における効能効果は認められるが、医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていない。
a 誤り。化粧品としての使用目的を有する製品について、医薬部外品の枠内で、薬用化粧品類、薬用石けん、薬用歯みがき類等として承認されているものがある。例えば、ニキビケアでTVCMで有名な某洗顔剤は、化粧品的な使用目的も有するが、薬用化粧品(医薬部外品)扱いになっている。
b 正しい。
c 誤り。医薬部外品の販売で、医薬品の販売業の許可は不要(コンビニ等でも普通に販売しています)。
d 誤り。×「指定医薬部外品」→〇「防除用医薬部外品」
正解・・・3
問87
化粧品に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことを目的としているものは化粧品に含まれない。
b 化粧品は、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つ」の範囲内においてのみ効能効果を表示・標榜することができる。
c 法第61条の規定に基づき、化粧品の直接の容器又は直接の被包には、「化粧品」の文字の表示が義務付けられている。
d 化粧品の成分本質(原材料)については、原則として医薬品の成分を配合してはならないこととされており、配合が認められる場合にあっても、添加物として使用されているなど、薬理作用が期待できない量以下に制限されている。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正
化粧品に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。「化粧品」の文字の表示義務はない。(「医薬部外品」はある)
d 正しい。
正解・・・2
問88
食品及び「医薬品の範囲に関する基準」(昭和46年6月1日付け薬発第476号厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」の別紙)に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 食品安全基本法や食品衛生法では、食品とは、医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品以外のすべての飲食物をいう。
b 食品として販売されている製品であっても、その成分本質、効能効果の標榜内容等に照らして医薬品とみなされる場合には、無承認無許可医薬品として、法に基づく取締りの対象となる。
c 調理のために使用方法、使用量等を定めている場合を除き、服用時期、服用間隔、服用量等の医薬品的な用法用量の記載は、医薬品に該当するとみなされる要素となる。
d 錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の形状については、食品である旨が明示されている場合に限り、当該形状のみをもって医薬品への該当性の判断がなされることはない。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正
aの食品安全基本法、食品衛生法における「食品」の定義はよく問われています。初めて読んだ受験生は??な内容かもしれないが、割り切って憶えるしかない。
a 正しい。手引きに「食品とは、医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品以外のすべての飲食物をいう。」(食品安全基本法、食品衛生法)と書かれている。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。
正解・・・5
問89
保健機能食品等の食品に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 栄養機能食品は、栄養成分の機能表示と併せて、当該栄養成分を摂取する上での注意事項を適正に表示することが求められている。
b 機能性表示食品は、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示し、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などについて、厚生労働大臣へ届け出られたものである。
c 特別用途食品(特定保健用食品を除く。)は、乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復の用に供することが適当な旨を医学的・栄養学的表現で記載し、かつ、用途を限定したものである。
d 保健機能食品は、あくまで食生活を通じた健康の保持増進を目的として摂取されるものであり、食品として販売に供されるものについて、健康の保持増進効果等につき虚偽又は誇大な表示をすることは禁止されている。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 誤 正
4種類の食品(特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品)の違いに関する問題
a 正しい。例えば、「葉酸」を含む食品の栄養機能表示は「赤血球の形成を助ける栄養素です」「胎児の正常な発育に寄与する栄養素です」
また、注意喚起表示としては「本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません」と記載されている。
b 誤り。厚生労働省が×。機能性表示食品は事業者の責任において、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたもの。(審査・許可を受けている訳ではない)
c 正しい。「特別用途食品」に関する記述だが、具体例としては、経口補水液OS‐1®がある。
d 正しい。
正解・・・1
問90
薬局に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。
a 薬局において、一般の生活者に対して一般用医薬品の販売を行う場合には、薬局の開設許可と併せて、医薬品の店舗販売業の許可を受ける必要がある。
b 薬局で薬事に関する実務に従事する薬剤師を管理者とすることができない場合には、その薬局において一般用医薬品の販売又は授与に関する業務に従事する登録販売者を管理者にすることができる。
c 薬局の管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないよう、その薬局に勤務するその他の従業者を監督するなど、薬局の業務につき、必要な注意をしなければならない。
d 健康サポート薬局とは、患者が継続して利用するために必要な機能及び個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能を有する薬局をいう。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤
dの健康サポート薬局は令和4年手引き改訂で追加されました。
a 誤り。薬局における一般生活者への医薬品の販売行為は、薬局の業務に付随して行われる行為であるので、別に医薬品の販売業の許可は必要としない。
b 誤り。薬局の管理者は、薬剤師でなくてはならない。登録販売者は不可。
c 正しい。
d 正しい。
正解・・・4