H28 山形県(北海道・東北)第3章 主な医薬品とその作用(AM 問51-60)
極端な日本語表現が多く、選択が容易な問題が多い。
問 51 口内炎と口内炎用薬の配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 口内炎は、1~2週間で自然寛解し、1ヶ月以上にわたって症状が長引くことはない。
b シコンは、組織修復促進、抗菌などの作用を期待して用いられる。
c セチルピリジニウム塩化物は、患部からの細菌感染を防止することを目的として配合される。
d 一般用医薬品の副作用として口内炎が現れることはない。
a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正
口内炎に関する問題。出題範囲の生薬を全て憶えるのは無理があるが、シコン(紫根)は重要かつ出題頻度も高いので、知識は必ず押さえておく。
1 誤り。通常の口内炎であれば1~2週間で自然寛解するが、長期化する場合や再燃を繰り返す場合は、薬の副作用や悪性腫瘍等の他の疾患が原因の場合もある。
2 正しい。シコン(紫根)はムラサキ科のムラサキの根を基原とする生薬。組織修復促進、抗菌などの作用を期待される。紫雲膏に含まれる生薬としても知られる。
3 正しい。セチルピリジニウム塩化物は市販トローチに良く用いられている殺菌消毒成分。
4 誤り。
正答・・・4
問 52 次の記述は、禁煙補助剤に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a 咀嚼剤は、1度に2個以上使用することで、禁煙達成を早める。
b 脳梗塞・脳出血等の急性期脳血管障害がある人でも、使用を避ける必要はない。
c うつ病と診断されたことのある人では、禁煙時の離脱症状により、うつ病を悪化させることがある。
d 1日1回皮膚に貼付することによりニコチンが皮膚を透過して血中に移行するパッチ製剤がある。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
禁煙補助剤(一般薬によるニコチン置換療法)に関する問題。これはサービス問題。簡単すぎる。
a 誤り。
b 誤り。
c 正しい。
d 正しい。
正答・・・4
問 53 ビタミン成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a ビタミン成分は、多く摂取することで適用となっている症状の改善が早まる。
b ビタミンB2は、脂質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。
c ビタミンB12は、タンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持に重要な栄養素である。
d ビタミンCは、体内の脂質を酸化から守る作用(抗酸化作用)を示し、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。
a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 正 正 誤
ビタミン成分に関する問題。特にビタミンB群は、働き・特徴が憶えにくいが、地道にやるしかない。
a 誤り。ビタミンA、ビタミンD等の脂溶性ビタミンでは、過剰摂取により過剰症を生じるおそれがある。
b 正しい。ビタミンB2に関する内容。
c 誤り。これはビタミンB6に関する内容。
d 正しい。ビタミンCに関する内容。
正答・・・4
問 54 滋養強壮保健薬に配合されるアミノ酸成分等に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a システインは、髪や爪、肌に存在するアミノ酸の一種で、皮膚におけるメラニンの生成を抑えるとともに、皮膚の新陳代謝を活発にしてメラニンの排出を促す働きがあるとされる。
b アミノエチルスルホン酸(タウリン)は、肝臓機能を改善する働きがあるとされる。
c アスパラギン酸ナトリウムは、アスパラギン酸が生体におけるエネルギーの産生効率を高めるとされ、骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促す等の働きを期待して用いられる。
d コンドロイチン硫酸は、軟骨組織の主成分で、軟骨成分を形成及び修復する働きがあるとされる。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正
滋養強壮保健薬に配合されるアミノ酸成分に関する内容。
a 正しい。
b 正しい。アミノエチルスルホン酸(タウリン)は栄養ドリンクでお馴染みの成分。
c 正しい。アスパラギン酸ナトリウムは骨格筋の疲労の原因となる乳酸の分解を促す働きが期待される。
d 正しい。
正答・・・1
問 55 第1欄の記述は、漢方処方製剤に関するものである。第1欄の記述に該当する漢方処方製剤として正しいものは第2欄のどれか。
第1欄
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に 伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の 弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。 構成生薬としてカンゾウ、マオウ、ダイオウを含む。
第2欄
1 小柴胡湯
2 大柴胡湯
3 防風通聖散
4 葛根湯
5 黄連解毒湯
この程度の漢方薬の問題は容易に判断できるように。
まず「肥満症」のキーワードから防風通聖散と大柴胡湯に絞れるように。
そして、「皮下脂肪が多く」のキーワードから、防風通聖散を選ぶ。
なお、大柴胡湯の手引きの記載内容は以下のとおり
「体力が充実して脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こリ・頭痛・便秘、神経症、肥満症に適すとされる・・・」
正答・・・3
問 56 次の記述は、漢方に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a 漢方処方を構成する生薬には、複数の処方で共通しているものがある。
b 漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていないので、生後3ヶ月未満の乳児にも使用してもよい。
c 小柴胡湯とインターフェロン製剤は、相互作用を起こすため併用を避ける必要がある。
d すべての漢方薬は作用が穏やかで、副作用が少ない。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
漢方薬に関する総合的知識を問う問題だが、簡単すぎる。
漢方薬の適用年齢の下限が設けられていない場合については超頻出。
a 正しい。これはすぐに判断できたでしょう。例えばカンゾウ(甘草)は多くの漢方薬に配合されている。
b 誤り。漢方処方製剤は、用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合(実際殆どないが)であっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないことになっている。
c 正しい。小柴胡湯とインターフェロン製剤の相互作用については、第5章でも良く出題されている。
d 誤り。
正答・・・2
問 57 消毒薬の以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a クレゾール石鹸液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して比較的広い殺菌消毒作用を示す。
b エタノールやイソプロパノールは、アルコール分が微生物のタンパク質を変性させ、それらの作用を消失させることから、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用を示す。
c 次亜塩素酸ナトリウムは、アルカリ性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒なガスを発生させるため、混ざらないように注意する必要がある。
d ジクロルイソシアヌル酸ナトリウムは、塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられており、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多い。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 正 正 誤
5 誤 誤 正 誤
消毒薬に関する問題。
次亜塩素酸ナトリウムの知識は販売現場でも特に重要です。ウイルス全般にも有効とされノロウイルス対策でも使用されています。
a 誤り。クレゾール石鹸液は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用を示すが、ウイルスに対する殺菌消毒作用はない。
b 正しい。
c 誤り。×アルカリ性→〇酸性。他に、次亜塩素酸ナトリウムは、強い酸化力により一般細菌類、真菌類だけでなく、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用を持つ点や、金属腐食性も押さえておきたい。
d 正しい。有機塩素系殺菌消毒成分であるジクロルイソシアヌル酸ナトリウムは、(次亜塩素酸ナトリウムに比べ)塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられている。
正答・・・3
問 58 殺虫剤に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 ハエ、ダニ、蚊等の衛生害虫の防除を目的とする殺虫剤には、医薬品に該当するものはない。
2 殺虫剤使用に当たっては、殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましい。
3 燻蒸剤使用に当たっては、燻蒸処理が完了するまでの間、部屋を締め切って退出する必要がある。
4 蒸散剤は、殺虫成分を基剤に混ぜて整形し、加熱したとき又は常温で徐々に揮散するようにしたものである。
殺虫剤に関する問題。
1 誤り。例えば、代表的な有機リン系殺虫成分であるジクロルボスは、防虫プレート「バポナ」の主成分として知られる。平成29年1月現在、第1類医薬品区分である。
2 正しい。
3 正しい。ライオンオフィシャルムービー↓
4 正しい。
正答・・・1
問 59 一般用検査薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 専ら疾病の診断に使用されることが目的とされる医薬品のうち、人体に直接使用されることのないものを体外診断用医薬品という。
b 検体中に存在しているにもかかわらず、その濃度が検出感度以下であったり、検出反応を妨害する他の物質の影響等によって、検査結果が陰性となった場合を擬陰性という。
c 体外診断用医薬品は、一般用医薬品のみである。
d 検査に用いる検体は、尿、糞便、鼻汁、唾液、涙液など採取に際して侵襲(採血や穿刺等)のないものである。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 正
一般用検査薬に関する問題。
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。当然、医療用医薬品扱いの検査薬も多くある。
d 正しい。
正答・・・1
問 60 次の記述は、妊娠検査薬に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。
a 妊娠検査薬は、通常、実際に妊娠が成立してから1週目前後の尿中ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)濃度を検出感度としている。
b 検体としては、尿中hCGが検出されやすい就寝直前に採取した尿が向いている。
c 妊娠の確定診断には、尿中ホルモン検査だけでなく、専門医による問診や超音波検査などの結果から総合的に妊娠の成立を見極める必要がある。
d 妊娠が成立していたとしても、正常な妊娠か否かについては、妊娠検査薬による検査結果では判別できない。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
妊娠検査薬に関する問題。
aの妊娠検査薬の検出感度に関する問題は、あまり出題頻度は高くない内容ですが、一般常識的に期間が短かすぎると判断できたでしょう。
a 誤り。×1週目前後→〇4週目前後。なお、実際の検査時期としては、月経予定日が過ぎて概ね1週目以降の検査が推奨されている。
b 誤り。早朝尿(起床直後の尿)の方が尿中hCGが検出されやすい。
c 正しい。
d 正しい。
正答・・・4
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