R5 愛知県(東海・北陸地区共通)第4章 薬事関連法規・制度 (PM問21-30)

問21(医薬品の定義)問29(化粧品)は難しい。

問 21
販売従事登録に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者は販売従事登録を受けることができない。

b 2以上の都道府県において登録販売者として医薬品の販売に従事しようとする者は、それぞれの都道府県知事の登録を受ける必要がある。

c 都道府県知事は、登録販売者が偽りその他不正の手段により販売従事登録を受けたことが判明したときは、その登録を消除しなければならない。

d 登録販売者は、転居により住所を変更したときは、30日以内に、その旨を登録を受けた都道府県知事に届け出なければならない。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤


登録販売者の販売従事登録に関する問題

a 正
b 誤 販売従事登録は、いずれか一つの都道府県知事の登録のみを受けることができる。例えば、従事する勤務先が愛知、岐阜両県にあるとしても、販売従事登録はどちらか一つの県でのみで行う。(なお、販売従事登録後は全国どこでも登録販売者として従事できる)
c 正
d 誤 「住所地」の変更は届け出の必要はない。なお、「本籍地都道府県名」が変更になった場合は届け出が必要である。

正解・・・4


問 22
医薬品に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 医薬品には、人の身体に直接使用されない殺虫剤や器具用消毒薬も含まれる。

b 医薬品は、人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であり、機械器具も医薬品に含まれる。

c 製造販売元の製薬企業、製造業者のみならず薬局や医薬品の販売業者においても、着色のみを目的として、厚生労働省令で定めるタール色素以外のタール色素が使用されている医薬品は、販売してはならない。

d 全ての医薬品は、品目ごとに、品質、有効性及び安全性について審査等を受け、その製造販売について厚生労働大臣の承認を受けたものでなければならない。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


医薬品に関する問題
a,bの判断の根拠は医薬品の定義・法第2条第1項である。
dの「厚生労働大臣の承認を要せずに製造販売できる医薬品」は殆ど出題されておらず難しい。

医薬品の定義(医薬品医療機器等法法第2条第1項)は以下のように規定されている。

日本薬局方に収められている物
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)☜「二」は社会通念上、いわゆる医薬品と認識されているもの
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)☜この「三」に無承認医薬品も含まれる

a 正 上記定義の「二」に該当する。
b 誤 機械器具は医薬品に含まれない。
c 正
d 誤 「全ての医薬品」から誤りと判断したい。一般に販売・処方されている医薬品の範囲であれば、ほぼ正しい記述とも言えるが、厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品については、当該基準への適合認証をもって承認を要さないものがある。(例えば、精製水やワセリン、乳糖や添加物成分など)
また、医薬品の定義(法第2条第1項の三)においては、いわゆる怪しい「無承認医薬品」も(広義の)医薬品に含まれ、そのような医薬品は国の審査や、厚生労働大臣の承認を受けたものではないので、不適切な記述とも捉えることもできる。

正解・・・3


問 23
要指導医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医師等の診療によらなければ一般に治癒が期待できない疾患(例えば 、がん、心臓病等)に対する効能効果は、要指導医薬品において認められていない。

b 薬局では要指導医薬品の特定販売を行うことができる。

c 要指導医薬品は、販売の際、適正な使用のために登録販売者の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が必要なものである。

d 医師等の管理・指導の下で患者が自己注射を行う医薬品は、要指導医薬品に該当する。

  a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤


要指導医薬品に関する問題。

a 正
b 誤 要指導医薬品は特定販売(≒ネット販売)はできない。(第一類医薬品は可)
c 誤 要指導医薬品では、販売・授与や相談対応は「登録販売者」ではなく「薬剤師」が対面で行う。
d 誤 「要指導医薬品」ではなく「医療用医薬品」である。一般用医薬品・要指導医薬品では、注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられていない。

正解・・・4


問 24
医薬品医療機器等法に基づく毒薬及び劇薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 要指導医薬品で劇薬に該当するものはない。

b 毒薬又は劇薬を、14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。

c 店舗管理者が登録販売者である店舗販売業者は、劇薬を開封して販売してはならない。

d 劇薬については、直接の容器又は被包に赤地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。

 (a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)


毎年のように出題される毒薬・劇薬に関する問題。

a 誤 手引きには「毒薬又は劇薬は、要指導医薬品に該当することはあるが、現在のところ、毒薬又は劇薬で、一般用医薬品のものはない」と記載されており誤り。なお、(出題はされないが)勃起障害改善薬で、実際に劇薬扱いの要指導医薬品がある。
b 正 14歳以上の者であっても、安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている点も押さえておく。
c 正 なお、管理者が薬剤師であれば、劇薬を開封して販売することは可。
d 誤 劇薬については、容器等に白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。
↓ある劇薬指定薬品(医療用)の箱への表示例
劇薬表示2(医療用)

↓ある「毒薬」指定の医療用医薬品の箱


正解・・・2


問 25
毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際に、医薬品医療機器等法第46条第1項の規定により、当該医薬品を譲り受ける者から交付を受ける文書に記載されていなければならない事項として、誤っているものはどれか。

1 使用目的
2 譲受人の氏名
3 譲受人の生年月日
4 譲受人の職業
5 譲受人の住所


今年度は毒薬・劇薬に関する問題が2問出題されていた。

この問題は「毒薬又は劇薬を14歳未満の者に交付することは禁止されている」点を知っていると、むしろ間違いやすいと言える。譲受人の生年月日年齢文書への記載事項には含まれていないので注意。

規定では以下の通りである。
「毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、当該医薬品を譲り受ける者から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業が記入され、署名又は記名押印された文書の交付を受けなければならない。」

⇒それらしい項目が並んでいるが、「職業」は結構迷いやすい項目なので注意を。

正解・・・3


問 26
一般用医薬品のリスク区分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 第2類医薬品のうち、「特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの」を「指定第2類医薬品」としている。

b 第3類医薬品は、保健衛生上のリスクが比較的低い一般用医薬品であるが、副作用等により身体の変調・不調が起こるおそれはある。

c 第3類医薬品は、保健衛生上のリスクが比較的低い一般用医薬品であるため、第2類医薬品に分類が変更されることはない。

d 第1類医薬品には、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあるすべての一般用医薬品が指定される。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


一般用医薬品のリスク区分に関する問題。

a 正
b 正
c 誤 日常生活に支障を来す程度の副作用を生じるおそれがあることが明らかとなった場合には、分類が変更されることもある。
d 誤 「すべて」が誤り。第一類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうちその使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するものである。(他にも、スイッチOTC等の一般用医薬品として使用経験の少ないものも指定される)

正解・・・1


問 27
医薬部外品に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 医薬部外品を販売する場合には、店舗の所在地の都道府県知事による販売業の許可が必要である。

b 衛生害虫類(ねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物)の防除のため使用される製品群には、直接の容器又は直接の被包に「指定医薬部外品」と記載されていなければならない。

c 医薬部外品は、その効能効果があらかじめ定められた範囲内であって、成分や用法等に照らして人体に対する作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められている。

d かつては医薬品であったが医薬部外品へ移行された製品群がある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


医薬部外品人体に対する作用が緩和であることを要件として、あらかじめ定められた範囲内で医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められています。

①人の疾病の診断・治療・予防(作用の穏やかな胃腸薬・整腸剤など)
②吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
③あせも、ただれ等の防止
④脱毛の防止、育毛又は除毛
⑤ねずみ、はえ、蚊、のみ等の防除

例えば、整腸剤の新ビオフェルミンSの効能は「整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感」です。


a 誤 医薬部外品の販売等については、医薬品のような販売業の許可は必要なく、一般小売店で販売することができる。
b 誤 「指定医薬部外品」ではなく「防除用医薬部外品」と記載される。「指定医薬部外品」は、かつては医薬品であったが、医薬部外品へ移行された製品群について記載される。


c 正
d 正

正解・・・4


問 28
保健機能食品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨を表示するには、個別に生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性等に関する審査を受け、許可又は承認を取得することが必要である。

b 特定保健用食品において、現行の許可の際に必要とされる有効性の科学的根拠のレベルに達しないものの、一定の有効性が確認されるものについては、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として許可されている。

c 栄養機能食品における栄養成分の機能表示に関しては、消費者庁長官の許可は要さないが、その表示と併せて、当該栄養成分を摂取する上での注意事項を適正に表示することが求められている。

d 機能性表示食品は、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)という食品の機能性を表示することはできるが、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正


4種類の食品(特定保健用食品(トクホ)栄養機能食品機能性表示食品)、特別用途食品)に関する問題

a 正
b 正 なお、この条件で許可された特定保健用食品を「条件付き特定保健用食品」という。
c 正 例えば、「葉酸」を含む食品の栄養機能表示は「赤血球の形成を助ける栄養素です」「胎児の正常な発育に寄与する栄養素です」と記載され、注意喚起表示としては「本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません」と記載されている。

d 正



正解・・・5


問 29
1~5で示される効能効果のうち、化粧品の効能効果の範囲として誤っているものはどれか。

1 肌にはりを与える。
2 日やけによるシミ、ソバカスを薄くする。
3 毛髪をしなやかにする。
4 口唇を滑らかにする。
5 乾燥による小ジワを目立たなくする。


化粧品の効能効果として表示・標榜できる範囲に関する問題。これは難問である。

まず化粧品の定義は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」となっており、さらに「医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていない」とされています。

そして、このタイプの問題は、当ブロックでは令和3年にも出題されているが、「化粧品の効能効果の範囲」は、手引きに56種類も記載されており、全て覚えるのは現実的ではありません。そのため、解法としては、この中で最も「医薬品」「医薬部外品」っぽい効能を選んでいくことになります。

ポイントとしては、「人の疾病の診断、治療、予防に使用したり、人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことを目的とするものは化粧品に含まれない」ことから、逆にそのような表現の選択肢を、化粧品に該当しないものとして選べばよい。

そして、この選択肢のなかで「シミ・ソバカスを薄くする」は、身体的な構造に影響を及ぼすものであり、主に美化を目的とした化粧品の効能効果としては不適切になります。
と言っても、このタイプの問題は初学者にとっては、なかなか理解が難しいので、時間のない受験生は、ある程度割り切って対応しましょう。

なお、令和3年度も同様な出題があり「くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ」は医薬部外品の効能・効果の範囲であり、化粧品の効能効果としては誤りでした。


正解・・・2


問 30
医薬品医療機器等法に基づき店舗販売業者が行う要指導医薬品又は一般用医薬品のリスク区分に応じた情報提供等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 第1類医薬品を販売又は授与する場合には、その店舗において医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、書面を用いて、必要な情報を提供させなければならない。

b 指定第2類医薬品を販売又は授与する場合には、当該指定第2類医薬品を購入しようとする者等が、禁忌事項を確認すること及び当該医薬品の使用について薬剤師又は登録販売者に相談することを勧める旨を確実に認識できるようにするために必要な措置を講じなければ
ならない。

c その店舗において第3類医薬品を購入した者から相談があった場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させなければならない。

d 要指導医薬品を使用しようとする者が薬剤服用歴その他の情報を一元的かつ経時的に管理できる手帳(お薬手帳)を所持する場合は、必要に応じ、当該お薬手帳を活用した情報の提供及び指導を行わせることとされており、お薬手帳には、要指導医薬品についても記録することが重要である。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正


リスク区分に応じた情報提供等に関する問題。

a 誤 第1類医薬品では、「薬剤師」に必要な情報を提供させなければならない。
b 正 
c 正
d 正 なお、「お薬手帳」はR4手引き改訂で追加された内容です。

正解・・・4

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