R2 千葉県(東京・神奈川・埼玉共通) 第3章 主な医薬品とその作用 (問71-80)

例年にないマイナー成分からの出題で難しい(問74,79,80)

問71
次の表は、ある一般用医薬品の制酸薬に含まれている成分の一覧である。この制酸薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

3錠中
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物(水溶性アズレン) 6mg
アルジオキサ 150mg
水酸化マグネシウム 450mg
沈降炭酸カルシウム 900mg
合成ヒドロタルサイト 780mg
ロートエキス 30mg

a 胃粘膜保護・修復成分が含まれている。
b 胃液分泌抑制成分は含まれていない。
c アルミニウムを含む成分は含まれていない。
d 心臓病の診断を受けた人は、症状の悪化を招くおそれがある。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)


制酸薬に含まれている成分に関する問題。

a 正しい。この中で、アズレンスルホン酸ナトリウムアルジオキサは胃粘膜保護・修復成分に該当する。
b 誤り。ロートエキスは胃液分泌抑制成分に該当する。
c 誤り。アルジオキサはアルミニウムを含む成分。スクラルファートとともにアルミニウムを含むことから「透析療法中の方は使用を避ける」は5章頻出。
d 正しい。この中の成分ではロートエキスに関する内容。

正答・・・3


問72
胃の薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a センブリは、苦味による健胃作用を期待して用いられるほか、日本薬局方収載のセンブリ末は瀉下薬として用いられる。

b ユウタンは、クマ科のヒグマその他近縁動物の舌を乾燥したものを基原とする生薬で、香りによる健胃作用を期待して用いられる。

c 人参湯は、体力虚弱で、疲れやすくて手足などが冷えやすいものの胃腸虚弱、下痢、嘔吐、胃痛、腹痛、急・慢性胃炎に適すとされる。

d 平胃散は、体力中等度以下で腹部筋肉が弛緩する傾向にあり、胃痛又は腹痛があって、ときに胸やけや、げっぷ、食欲不振、吐きけなどを伴うものの神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に適すとされる。

  a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 正
5 誤 誤 誤 正


胃の薬及びその配合成分に関する問題。
細かな知識が問われているので、しっかり読み取るように。

a 誤り。センブリは健胃成分。センブリ末は止瀉薬(下痢止め)としても用いられる。
b 誤り。×舌⇒〇胆汁。また、ユウタン(熊胆)は苦みによる健胃作用を期待して用いられる。
c 正しい。
d 誤り。これは大正漢方胃腸薬にも含まれる安中散に関する内容。平胃散のキーワードとしては「食べすぎによる胃のもたれ」。

正答・・・2


問73
腸の薬の配合成分とその作用に関する組合せの正誤について、正しい組合せはどれか。

配合成分 作用
a ロペラミド塩酸塩 ――――――― 瀉下
b マルツエキス ――――――――― 瀉下
c 次硝酸ビスマス ―――――――― 止瀉
d ヒマシ油 ――――――――――― 止瀉

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正


腸の薬の配合成分とその作用に関する問題。
瀉下薬⇒便秘薬。止瀉薬⇒下痢止め薬。試験対策上はこれでOKです。

a 誤り。ロペラミド塩酸塩は代表的な止瀉薬成分。なお、食あたりや水あたりによる下痢(感染性胃腸炎)が疑われる場合は適応対象ではない点も憶えておきたい。市販薬ではトメダインが有名。

b 正しい。マルツエキスは乳幼児受けの便秘薬として知られる。主成分の麦芽糖が腸内細菌で発酵して生じるガスにより便通が促される。
c 正しい。次硝酸ビスマスは止瀉成分。現在は殆ど見かけない。
d 誤り。ヒマシ油は小腸刺激性の瀉下成分(但し、現在殆ど使用されることはない)。試験では駆虫薬の分野で良く登場する。

正答・・・2


問74
胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ジサイクロミン塩酸塩は、交感神経の伝達物質であるアドレナリンと受容体の反応を妨げることで、胃痛、腹痛を鎮める。

b パパベリン塩酸塩は、自律神経を介して胃腸の痙攣を鎮める抗コリン成分であり、副作用として眼圧を上昇させる。

c ブチルスコポラミン臭化物は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じる。

d アミノ安息香酸エチルは、局所麻酔成分であるため、痛みが感じにくくなることで重大な消化器疾患や状態の悪化等を見過ごすおそれがある。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)


胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する問題。

a 誤り。ジサイクロミン塩酸塩は抗コリン成分なので「交感神経の伝達物質であるアセチルコリンと受容体の反応を妨げる」なら正しい。なお、この成分は現在市販薬としては恐らく販売されているものがない。
b 誤り。パパベリン塩酸塩は消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示す。また「抗コリン成分と異なり胃液分泌を抑える作用は見出されない」点も併せて押さえておく。眼圧上昇に関する内容は正しい。
c 正しい。ブチルスコポラミン臭化物は市販薬・医療用ともに現在でも使用されている代表的な胃腸鎮痛鎮痙成分。アナフィラキシーに関するこのような出題はまず正しいと思って良いでしょう(100%生じないと断言できる成分は基本的にない)
d 正しい。アミノ安息香酸エチルは局所麻酔成分で試験では頻出。

正答・・・5


問75
浣腸薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 浣腸薬は、繰り返し使用しても、直腸の感受性の低下は生じない。

b ビサコジルは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。

c ソルビトールは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。

d グリセリンが配合された浣腸薬が、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊を引き起こすおそれがある。

  a b c d
1 誤 誤 正 誤
2 誤 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 正 正 誤
5 正 正 誤 正


浣腸薬及びその配合成分に関する問題。

a 誤り。繰り返し使用すると直腸の感受性の低下(いわゆる慣れ)が生じて効果が弱くなる恐れがある。
b 誤り。これは炭酸水素ナトリウムに関する内容。。ビサコジルは大腸刺激性瀉下成分。
c 正しい。
d 正しい。グリセリンに関する内容。


正答・・・2


問76
心臓などの器官や血液に作用する薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ロクジョウは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、若しくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬で、強心作用のほか、強壮、血行促進等の作用があるとされる。

b 強心薬に配合されるジンコウは、鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して、小児鎮静薬にも配合される。

c ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を静める等の作用があるとされる。

d 苓桂朮甘湯は、強心作用が期待される生薬を含み、強心作用と尿量増加(利尿)作用により、水毒(漢方の考え方で、体の水分が停滞したり偏在して、その循環が悪いことを意味する。)の排出を促す。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 正 誤
5 正 誤 誤 正


心臓などの器官や血液に作用する薬に関する問題。
苓桂朮甘湯は昨年に続いて出題された。a,b,cは具体的な製品として「救心」や「六神丸」に配合されている成分である。

a 正しい。ロクジョウ(鹿茸)に関する内容。
b 正しい。ジンコウ(沈香)に関する内容。
c 正しい。ゴオウ(牛黄)に関する内容。
d 誤り。 苓桂朮甘湯には強心作用が期待される生薬は含まれていない。後半部分は手引きのとおり
なお、手引きの記述は以下のとおりで、一般にめまいや耳鳴り向けの漢方薬として知られている。

「体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるも のの立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸 、息切れ、神経症、神経過敏に適すとされる。強心作用が期待される生薬は含まれず、主に尿量増加(利尿)作用により、水毒の排出を促すことを主眼とする」

正答・・・3


問77
高コレステロール改善薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ポリエンホスファチジルコリンは、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。

b リノール酸は、末梢組織におけるコレステロールの吸収を抑えることを主な目的として配合される。

c パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、高密度リポタンパク質(HDL)産生を高める作用があるとされる。

d リボフラビン酪酸エステルは、コレステロールからの過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされ、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として用いられる。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 正 誤 誤


高コレステロール改善薬の配合成分に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。リノール酸は、コレステロールと結合して、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。
c 正しい。
d 誤り。これは「末梢血管における血行を促進」からビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)とすぐに判断できるように。

正答・・・2


問78
貧血用薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ビタミンB12は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。

b 硫酸銅は、補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で配合されている場合がある。

c 鉄製剤服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が良くなる。

d マンガンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成物質であり、エネルギー合成を促進する目的で、硫酸マンガンが配合されている場合がある。

1(a、c) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


貧血用薬及びその配合成分に関する問題。この分野は昨年に続いて今年も出題された。

a 誤り。ビタミンB12は、正常な赤血球の形成に働く。なお、胃を切除しているとビタミンB12の小腸での吸収が不足し、これが原因で貧血を生じることがある(ビタミン欠乏性貧血、悪性貧血)。
b 正しい。
c 誤り。タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなる。(但し、実際には影響は小さく、それ程気にしなくても良いとも言われている。)
d 正しい。

正答・・・4


問79
循環器用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 七物降下湯は、体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるものの高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適すとされる。

b ルチンは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。

c 日本薬局方収載のコウカを煎じて服用する製品は、冷え症及び血色不良に用いられる。

  a b c
1 正 正 正
2 正 誤 誤
3 誤 誤 正
4 誤 正 誤
5 誤 正 正


循環器用薬に関する問題。この分野ではユビデカレノン(コエンザイムQ10)は頻出だが、今回は出題されていない。
マイナーな漢方で、同じような適応(高血圧の随伴症状)が記載されている三黄瀉心湯と七物降下湯の違いを問われると厳しい。

a 誤り。これは三黄瀉心湯に関する内容。
b 正しい。ルチンに関する内容。
c 正しい。コウカ(紅花)に関する内容。
↓コウカの生薬画像


正答・・・5


問80
痔の薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 内用痔疾用薬に含まれるカイカは、主に止血効果を期待して配合されている。

b 内用痔疾用薬に含まれるセイヨウトチノミは、主に抗炎症作用を期待して配合されている。

c 外用痔疾用薬に含まれる卵黄油は、粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる、粘膜の保護・止血を目的として配合されている。

d 芎帰膠艾湯は、体力中等度以上で大便が硬く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされている。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 正 誤 誤
3 正 正 正 正
4 誤 誤 正 誤
5 正 誤 誤 正


痔疾用薬に関する問題。特にマイナーな芎帰膠艾湯の判断で迷ったでしょう。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。卵黄油は、タンニン酸などと一緒に収斂保護止血成分として手引きに記載されている。
d 誤り。これは乙字湯に関する内容。なお、芎帰膠艾湯の手引きの記載は以下のとおりで、乙字湯に比べ、痔に関する記載は少ない。

「体力中等度以下で冷え症で、出血傾向があり胃腸障害のないものの痔出血、貧血、月経異常・不正出血、皮下出血に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感、腹痛、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。」

正答・・・1

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