R2 千葉県(東京・神奈川・埼玉共通) 第3章 主な医薬品とその作用 (問81-90)

問87~90(殺菌消毒・外用薬)では細かい知識・成分が問われているが、頻出知識で7割できれば御の字。

問81
外用痔疾用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ヒドロコルチゾン酢酸エステルは、痔による肛門部の炎症や痒みを和らげることを期待して配合されている。

b テトラヒドロゾリン塩酸塩は、止血効果を期待して配合されている。

c アラントインは、痔疾患に伴う局所の感染を防止することを期待して配合されている。

d クロルヘキシジン塩酸塩は、痔に伴う痛み・痒みを和らげることを期待して配合されている。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


外用痔疾用薬の配合成分に関する問題。

a 正しい。ヒドロコルチゾン酢酸エステルはステロイド性抗炎症成分
b 正しい。テトラヒドロゾリン塩酸塩はアドレナリン作動成分で、血管収縮作用による止血効果を期待して用いられる。
c 誤り。アラントインは 組織修復成分に分類される。
d 誤り。クロルヘキシジン塩酸塩は殺菌消毒成分に分類される。

正答・・・1


問82
婦人薬とその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a エチニルエストラジオールは、人工的に合成された女性ホルモンの一種であり、妊娠中の女性ホルモンの補充のために用いられる。

b 五積散は、体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちなものの月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)、痔疾、打撲症に適すとされる。

c 胃腸症状に対する効果を期待して、ソウジュツが配合されている場合がある。

d 鎮静作用を期待して、カノコソウが配合されている場合がある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


婦人薬とその配合成分に関する問題。
この試験で「打撲症」のキーワードがあれば桂枝茯苓丸桃核承気湯
現実的にはa,bの誤りを判断して回答できればよいでしょう。c,dの細かい生薬知識の暗記はつらい。

a 誤り。妊娠中の女性ホルモン成分の摂取によって胎児の先天性異常の発生が報告されており、妊婦は使用を避ける。余裕があればエストラジオールの記事も確認を。
b 誤り。婦人用薬の分野で「打撲症」「便秘」の記述もあることから桃核承気湯とわかる。なお桃核承気湯は2年連続出題された。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・5


問83
次の表は、ある一般用医薬品の内服アレルギー用薬に含まれている成分の一覧である。
この内服アレルギー用薬に関する次の記述について、誤っているものはどれか。

3カプセル中
メキタジン 4mg
プソイドエフェドリン塩酸塩 75mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ベラドンナ総アルカロイド 0.4mg
グリチルリチン酸二カリウム 60mg
無水カフェイン 90mg

1 ヒスタミンが受容体と反応するのを妨げる。
2 副交感神経系の働きを抑える。
3 鼻粘膜の血管を収縮させ、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる。
4 副作用として不眠や神経過敏が現れることがある。
5 セレギリン塩酸塩を服用している場合、体内でのプソイドエフェドリンの代謝が促進されて、作用が減弱するおそれがある。


内服アレルギー用薬に関する問題。これは迷ったでしょう。
セレギリン塩酸塩×プソイドエフェドリン塩酸塩に関する内容は、首都圏エリアの出題では初めて?

1 正しい。抗ヒスタミン成分に関する記述だが、メキタジンが含まれている。
2 正しい。抗コリン成分に関する記述と判断すれば、ベラドンナ総アルカロイド が含まれている。
3 正しい。アドレナリン作動成分に関する記述と判断すればプソイドエフェドリン塩酸塩メチルエフェドリン塩酸塩が含まれている。
4 正しい。これはプソイドエフェドリン塩酸塩に関する内容。
5 誤り。セレギリン塩酸塩を服用している場合、体内でのプソイドエフェドリンの代謝が妨げられて、副作用が現れやすくなるおそれが高く、使用を避ける。なお、セレギリン塩酸塩はパーキンソン病の治療薬。
↓プソイドエフェドリン塩酸塩含有の鼻炎用薬


正答・・・5


問84
次の表は、ある一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬に含まれている成分の一覧である。この鼻炎用点鼻薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

100mL中
クロモグリク酸ナトリウム 1000mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 250mg
ナファゾリン塩酸塩 25mg

a アレルギー性鼻炎のほか、蓄膿症などの慢性のものも対象となる。

b 過度に使用すると鼻粘膜の血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。

c 副作用として、鼻出血や頭痛が現れることがある。

d 肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示す。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 誤 誤


鼻炎用点鼻薬に含まれている成分に関する問題。

a 誤り。この試験では、一般用医薬品は「慢性疾患」は対象外と憶えておけばすぐに判断できるでしょう。
b 正しい。二次充血より、アドレナリン作動成分のナファゾリン塩酸塩に関する内容。
c 正しい。
d 正しい。肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示すことからクロモグリク酸ナトリウムに関する内容。

正答・・・3


問85
眼科用薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 一般的に、点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より少ない。

b 人工涙液は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れやコンタクトレンズ装着時の不快感等には用いられない。

c 一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の治療を目的としているものはない。

d 洗眼薬は、主に抗菌成分が配合されており、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)に用いられるものである。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 正 正


眼科用薬に関する問題。
一般用医薬品の点眼薬は、その主たる配合成分から、人工涙液、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、アレルギー用点眼薬に大別されます。

a 誤り。1滴の薬液の量は約50μL であるのに対して、結膜嚢の容積は30μL 程度とされている。
b 誤り。人工涙液は、目の疲れやコンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる。代表製品は「ソフトサンティア」

c 正しい。
d 誤り。これは「抗菌性点眼薬」に関する内容。洗眼薬は、目の洗浄、眼病予防(水泳のあと、埃や汗が目に入ったとき等)に用いられるもので、涙液成分のほか、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分等が用いられる。

正答・・・2


問86
次の表は、ある一般用医薬品の点眼薬に含まれている成分の一覧である。この点眼薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

100mL中
ネオスチグミンメチル硫酸塩 1mg
イプシロン-アミノカプロン酸 1000mg
クロルフェニラミンマレイン酸塩 10mg
L-アスパラギン酸カリウム 200mg
タウリン 1000mg
コンドロイチン硫酸ナトリウム 100mg
(コンドロイチン硫酸エステルナトリウム)

a アセチルコリンの働きを抑え、目の調節機能を改善する。

b 炎症の原因となる物質の生成を抑え、目の炎症を改善する。

c アドレナリン作動成分により血管を収縮させて目の充血を除去する。

d 結膜や角膜の乾燥を防ぐ。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


一般用医薬品の点眼薬に含まれている成分に関する問題。
例年とは異なる形式の問題ですが、頻出成分をしっかり押さえていれば正答できる。

a 誤り。「目の調節機能を改善」からネオスチグミンメチル硫酸塩に関する内容。コリンエステラーゼの働きを抑え毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善するとされる。
b 正しい。抗炎症成分に関する内容だが、イプシロン-アミノカプロン酸が該当する。
c 誤り。アドレナリン作動成分(テトラヒドロゾリン塩酸塩など)が含まれていない。
d 正しい。コンドロイチン硫酸ナトリウムが該当する。
↓「疲れ目」向けを謳った点眼薬は、大抵ネオスチグミンメチル硫酸塩が含まれている。
 

正答・・・4


問87
殺菌消毒薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ヨードチンキは、ヨウ素をポリビニルピロリドン(PVP)と呼ばれる担体に結合させて水溶性とし、徐々にヨウ素が遊離して殺菌作用を示すように工夫されたものである。

b セチルピリジニウム塩化物は、陽性界面活性成分であり、石鹸との混合によって殺菌消毒効果が低下するので、石鹸で洗浄した後に使用する場合には、石鹸を十分に洗い流す必要がある。

c オキシドールの作用は、過酸化水素の分解によって発生する活性酸素による酸化、及び発生する水素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しいが、組織への浸透性は高い。

d アクリノールは、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌)に対する殺菌消毒作用を示し、比較的刺激性が低いため創傷患部にしみにくい。

  a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 誤
5 誤 正 正 誤


殺菌消毒薬の配合成分に関する問題。
ベンザルコニウム塩化物ベンゼトニウム塩化物の「陽性界面活性成分」である知識は過去にも問われているが、セチルピリジウム塩化物も「陽性界面活性成分」であるのは判断が難しいかったでしょう。

a 誤り。これはヨードチンキではなく、ポビドンヨードに関する内容。ヨードチンキはヨウ素及びヨウ化カリウムをエタノールに溶解させたもの。
b 正しい。なお、殺菌消毒成分のセチルピリジニウム塩化物はトローチ剤としてもよく使用されている。
c 誤り。オキシドール(過酸化水素)は作用の持続性は乏しく、また、組織への浸透性も低い。
d 正しい。


正答・・・1


問88
外皮用薬に配合されている抗炎症成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ステロイド性抗炎症成分は、体の一部分に生じた湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等の一時的な皮膚症状(ほてり・腫れ・痒み等)の緩和を目的とする。

b ステロイド性抗炎症成分は、末梢組織(患部局所)における免疫機能を高める作用により、痒みや発赤などの皮膚症状を改善することを目的とする。

c デキサメタゾンは、分子内に副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)と共通する化学構造を持たずに抗炎症作用を示す非ステロイド性抗炎症成分である。

d ケトプロフェンは、医療用医薬品の有効成分であるフェノフィブラートを含有する脂質異常症用薬(内服)でアレルギー症状を起こしたことがある人に対して、使用を避けることとされている。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 正 誤
5 正 誤 誤 正


過去に出題されたことがないdがまともに判断できた受験生はいなかったと思われるが、比較的容易なa,bが判断できれば正答できる。
ステロイド性抗炎症成分の出題ポイントも確認を。

a 正しい。
b 誤り。「免疫機能を高める」が不適。好ましくない作用として末梢組織の「免疫機能を低下させる」作用もある。
c 誤り。デキサメタゾンはステロイド性抗炎症成分。(ではない)
d 正しい。手引きには以下の記載がある。
チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート(いずれも医療用医薬品の有効成分)又はオキシベンゾン、オクトクリレン(化粧品や医薬部外品に紫外線吸収剤として配合される化合物)のような物質でアレルギー感作された人は、それらと分子の化学構造が類似しているケトプロフェンでもアレルギーを起こすおそれが大きいことから、これらの成分でアレルギー症状(発疹・発赤、痒み、かぶれ等)を起こしたことがある人については、使用を避けることとされている。
⇒なお、フェノフィブラートは脂質異常症(特に中性脂肪)に用いられる医療用医薬品で、現在でも普通に使用されている。チアプロフェン酸・スプロフェンは医療用医薬品として用いられる非ステロイド性抗炎症成分だが、現在殆ど見かけなくなっている。

正答・・・5


問89
外皮用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ウフェナマートは、炎症を生じた組織に働いて、細胞膜の安定化、活性酸素の生成抑制などの作用により、抗炎症作用を示すと考えられている。

b イブプロフェンピコノールは、イブプロフェンの誘導体であり、筋肉痛、関節痛、肩こりに伴う肩の痛み、腰痛に用いられる。

c テシットデシチンは、局所麻酔成分であり、きり傷、擦り傷等の創傷面の痛みや、湿疹、皮膚炎等による皮膚の痒みを和らげることを目的として配合されている場合がある。

d ユーカリ油は、皮膚に温感刺激を与え、末梢血管を拡張させて患部の血行を促す効果を期待して配合されている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

 


外皮用薬の配合成分に関する問題。
これは難しい。マイナー成分も含め幅広い知識が求められている。

a 正しい。ウフェナマートステロイド性抗炎症成分で、皮膚の炎症や痒み向けの成分。おむつかぶれにも使用できるような「ノンステロイド」を訴求した商品に良く使用されている。この作用機序に関しては昨年も出題されていた。
b 誤り。イブプロフェンピコノールイブプロフェンの誘導体だが、にきび治療薬として用いられる。
c 正しい。テシットデシチンは局所麻酔成分。殆ど出題されたことがないので迷ったでしょう。
d 誤り。これは温感刺激成分(カプサイシン、ノニル酸ワニリルアミドなど)に関する内容。ユーカリ油は冷感刺激成分。

正答・・・2


問90
角質軟化薬及びにきび用薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ホモスルファミンは、細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

b クロラムフェニコールは、細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

c 尿素は、角質層の水分保持量を高め、皮膚の乾燥を改善することを目的として用いられる。

d バシトラシンは、皮膚の角質層を構成するケラチンを変質させることにより、角質軟化作用を示す。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


角質軟化薬及びにきび用薬の配合成分に関する問題。毎年出題されるような分野ではないので難易度は高かったでしょう。
クロラムフェニコール、バシトラシンは平成29年以来の出題。

a 誤り。ホモスルファミンは抗菌成分。サルファ剤に該当し細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す。 
b 正しい。クロラムフェニコールは抗菌成分。市販薬では「クロマイN軟膏」に配合されている。
c 正しい。尿素は市販薬では代表的な保湿成分。
d 誤り。バシトラシンは抗菌成分。細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

正答・・・3

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