R2 関西広域連合 第3章 主な医薬品とその作用 (問41-50)

問42(アレルギー)は難しい。

問41
比較的体力がある40歳代の女性、30代後半から子育てや仕事で忙しく、肩こりやのぼせ、月経不順、月経痛がひどく、月経前になるとそれらの症状がさらにひどくなるという。今回もひどい月経痛で漢方薬を求めて来店した。この人に最も適切な漢方処方製剤を一つ選べ。

1 当帰芍薬散
2 柴胡桂枝乾姜湯
3 桂枝加芍薬湯
4 桂枝茯苓丸
5 猪苓湯


婦人用薬に関する問題。
まずは、月経不順等に関する内容から、当帰芍薬散桂枝茯苓丸に絞れるように。
「月経不順」や「肩こり」などは、どちらの漢方にも記載があるが、桂枝茯苓丸が「比較的体力がある」人向け、当帰芍薬散が「体力虚弱」向けのイメージを持っていれば判断できる。

正答・・・4


問42
アレルギーに関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a アレルゲンが体内に入り込むと、その物質を特異的に認識した免疫アルブミンにより肥満細胞が刺激される。

b アレルギーの発症に関わるマスト細胞は、肥満細胞ともいい、肥満症にも関与している。

c 肥満細胞から遊離したヒスタミンは、血管拡張や血管透過性亢進等の作用を示し、アレルギー症状を引き起こす。

d 蕁麻疹については、アレルゲンとの接触以外に、皮膚への物理的な刺激によって生じるものも知られている。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 正 誤 誤
5 正 誤 誤 正


アレルギーに関する問題。
あまり問われたことがない内容が多く、難易度は高い。

a 誤り。✖免疫アルブミン→〇免疫グロブリンにより肥満細胞が刺激される。
b 誤り。肥満細胞の名称は、ヒスタミンやプロスタグランジン等の生理活性物質を細胞内に貯蔵するために細胞自体が大きくなることから付いたものであり、肥満症との関連性はない。
c 正しい。
d 正しい。蕁麻疹についてはアレルゲンとの接触以外に、皮膚への物理的な刺激等によってヒスタミンが肥満細胞から遊離して生じるもの(寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、心因性蕁麻疹など)も知られている。

正答・・・3


問43
登録販売者が、顔、首、手の甲などに痒みがある顧客からの相談を受ける際、各々の顧客への対応について、正しいものの組合せを一つ選べ。

a 眠くならない飲み薬を希望されたので、ヒスタミンの作用を抑える働きのあるメキタジンを含有する製品を推奨した。

b 「屋外で作業をすると症状が出ることが多い」と言っておられるので、アレルギーの一種である日光蕁麻疹の可能性も考えた。

c 漢方薬を希望されたので、体質や体力と症状を確認し、茵蔯蒿湯を推奨した。

d 漢方処方製剤ではない一般用医薬品のアレルギー用薬を販売したが、4週間続けて使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるようお願いした。

1(a、b) 2(b、c) 3(b、d) 4(c、d)


アレルギー用薬に関する問題。

a 誤り。メキタジンは抗ヒスタミン成分であり眠気を催す恐れがある。
b 正しい。
c 正しい。茵蔯蒿湯は蕁麻疹向けの漢方薬としても知られる。
d 誤り。✖4週間→、長期の連用は避け、5~6日間使用しても症状の改善がみられない場合には、医師の診療を受けるなどの対応が必要。

正答・・・2


問44
鼻炎用点鼻薬に含まれる成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a ナファゾリン塩酸塩は、アドレナリン作動成分であり、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられる。

b フェニレフリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。

c グリチルリチン酸二カリウムは、アレルギー性鼻炎にも用いられるが、かぜ薬や胃薬、鎮咳去痰薬などにも含まれている可能性があるので、総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある。

d リドカイン塩酸塩は、鼻粘膜の神経伝導を不可逆的に遮断することで鼻汁の分泌を抑える。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正


鼻炎用点鼻薬に関する問題。

a 正しい。ナファゾリン塩酸塩はアドレナリン作動性成分で市販の点鼻薬にもよく配合されている。
b 正しい。フェニレフリン塩酸塩に関する内容。
c 正しい。 グリチルリチン酸二カリウムは抗炎症成分。
d 誤り。リドカイン塩酸塩は局所麻酔成分。×不可逆的→〇可逆的である。

正答・・・1


問45
眼科用薬に関する記述について、正しいものの組合せを一つ選べ。

a コンタクトレンズ装着液の中には、医薬部外品として認められているものもある。

b 人工涙液は、主として結膜充血症状の改善に用いられる。

c 抗菌性点眼薬は、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎(まぶたのただれ)等に用いられる。

d 一般点眼薬は、主として、目の洗浄に用いられる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


眼科用薬に関する問題。
一般用医薬品の点眼薬の大別(人工涙液、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、アレルギー用点眼薬)については、あまり出題されていないので多少戸惑うかもしれない。

a 正しい。
b 誤り。一般用医薬品の点眼薬は、人工涙液、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、アレルギー用点眼薬に大別されるが、人工涙液涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾きコンタクトレンズ装着時の不快感等に用いられる

c 正しい。なお、抗菌成分としてはスルファメトキサゾールがある。

d 誤り。これは「洗眼薬」に関する内容。

正答・・・2


問46
点眼薬に関して相談を受けた際の登録販売者の対応に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 緑内障の改善を希望する人には、一般用医薬品には希望に添える薬剤はないので、医療機関を受診し、専門医の診療を受けるように促した。

b 目の痛みが激しいと訴える人には、抗炎症成分や組織修復成分を含有する点眼薬を勧めた。

c 視力の異常を訴える人には、アドレナリン作動成分含有の点眼薬を勧めた。

d 鶏卵によるアレルギーがある人には、グリチルリチン酸二カリウムを含有する点眼剤を勧めてはいけない。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤


眼科用薬と受診勧奨に関する問題。
b,cはあまり問われていなかった内容だが、常識的に考えれば受診勧奨になるのはわかるはず。

a 正しい。一般用医薬品の点眼薬には、緑内障の症状を改善できるものはない。
b 誤り。目の痛みが激しい場合には、急性緑内障、角膜潰瘍、眼球への外傷等を生じている可能性があり、受診勧奨する。
c 誤り。
d 誤り。この試験で「鶏卵アレルギー」とくればリゾチーム塩酸塩である。

正答・・・3


問47
きず口等の殺菌消毒成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a ヨウ素の殺菌力は、石鹸と併用すると低下する。

b ベンザルコニウム塩化物は、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用を示す。

c 消毒用エタノールは、手指・皮膚の消毒、器具類の消毒のほか、粘膜(口唇等)の消毒にも適している。

d オキシドールの作用は、持続性に乏しく、組織への浸透性も低い。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 正 誤 誤
5 正 誤 誤 正


きず口等の殺菌消毒成分に関する問題。このレベルは正答できるように。

a 正しい。
b 誤り。ベンザルコニウム塩化物は結核菌やウイルスには効果がない。
c 誤り。 エタノール(消毒用エタノール)は創傷面の殺菌・消毒にも用いられることがあるが、皮膚刺激性が強く、粘膜(口唇等)や目の周りへの使用も避ける。
d 正しい。オキシドール(過酸化水素水)に関する内容である。

正答・・・5


問48
外皮用薬として用いられる非ステロイド性抗炎症成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 分子内に副腎皮質ホルモンと共通する化学構造を持つ。

b 小児への使用についても有効性・安全性が確認されており、ケトプロフェンを主薬とする外皮用薬では、小児向けの製品が市販されている。

c ピロキシカムの副作用として光線過敏症が生じることがある。

d 喘息の既往歴がある人では、使用を避ける必要がある。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤


外皮用薬として用いられる非ステロイド性抗炎症成分に関する問題。

a 誤り。これは(ステロイドではなく)ステロイドに関する内容。
b 誤り。外皮用薬として用いられる非ステロイド性抗炎症成分は、小児への使用については有効性・安全性が確認されておらず 15歳未満の小児向けの製品はない。(インドメタシンは一部12歳から14歳まで向けの製品もあり)
c 正しい。光線過敏症とくればケトプロフェンはもちろん、ピロキシカムについても記載がある。
d 正しい。いわゆるアスピリン喘息に関連する内容。外皮用薬にも記載がある。

正答・・・3


問49
皮膚疾患に用いる代表的な抗菌成分のうち、細菌のタンパク質合成を阻害することにより抗菌作用を示す成分について、正しいものの組合せを一つ選べ。

a クロラムフェニコール
b 硫酸フラジオマイシン
c スルファジアジン
d バシトラシン

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


皮膚疾患に用いる抗菌成分に関する問題。あまり出題されている分野ではないので迷う。

a 正しい。
b 正しい。硫酸フラジオマイシンは市販薬にもよく使用されています。

c 誤り。スルファジアジンはサルファ剤で細菌のDNA合成を阻害することにより抗菌作用を示す
d 誤り。バシトラシンは細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示す。

正答・・・1


問50
みずむし・たむし等とその治療に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せを一つ選べ。

みずむし、たむし等は、( a )という真菌類の一種が皮膚に寄生することによって起こる表在性真菌感染症である。スリッパやタオルなどを介して、他の保菌者やペットから感染することも多い。
ブテナフィン塩酸塩は、( a )の( b )を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。

  a b
1 アクネ菌 細胞膜
2 アクネ菌 細胞壁
3 白癬菌 細胞壁
4 白癬菌 細胞膜
5 黄色ブドウ球菌 細胞膜


みずむし・たむし等とその治療に関する問題。
これはほぼサービス問題でしょう。

a 白癬菌
b 細胞膜

正答・・・4

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