R2 福岡県(九州地区・沖縄共通) 第4章 薬事関係法規・制度 (問111-120)
問117(広告)は新傾向
問111
登録販売者に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
なお、本設問において、「都道府県知事」とは、「都道府県知事(薬局又は店舗販売業にあっては、その薬局又は店舗の所在地が保健所設置市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)」とする。
ア 登録販売者試験の合格証を携帯すれば、登録販売者として勤務できる。
イ 登録販売者が店舗管理者になるために必要な従事期間は、連続して2年以上あることが必要である。
ウ 第二類医薬品又は第三類医薬品のみを販売する店舗販売業の店舗管理者は、登録販売者でなければならない。
エ 店舗管理者である登録販売者は、その店舗の所在地の都道府県知事の許可を受けなければ、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事してはならない。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 誤 誤 正
登録販売者に関する問題。
ア 誤り。医薬品の販売に従事しようとするものは、試験に合格し、都道府県知事に登録する必要がある。(販売従事登録)
イ 誤り。×連続して2年→〇通算して2年。いわゆる「見習い期間」に関するものである。
ウ 誤り。薬剤師でもかまわない。
エ 正しい。
正答・・・5
問112
毒薬及び劇薬に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 毒薬は、医薬品医療機器等法で「毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品」と定義されている。
2 毒薬及び劇薬は、単に毒性、劇性が強いものだけでなく、薬効が期待される摂取量(薬用量)と中毒のおそれがある摂取量(中毒量)が接近しており安全域が狭いため、その取扱いに注意を要するもの等が指定され、販売はもとより、貯蔵及びその取扱いは、他の医薬品と区別されている。
3 14歳以上の者であっても、不当使用が懸念される者に毒薬又は劇薬を交付することは禁止されている。
4 劇薬については、直接の容器又は被包に赤地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。
毎年のように出題される毒薬・劇薬に関する問題。今回は2題出題されている。
1 正しい。
2 正しい。
3 正しい。
4 誤り。✖「赤地に白枠、白字をもって」→〇「白地に赤枠、赤字をもって」
正答・・・4
問113
以下のうち、毒薬又は劇薬を販売又は譲渡する際に、医薬品医療機器等法第46条第1項の規定により、当該医薬品を譲り受ける者から交付を受ける文書に記載されていなければならないものとして誤っているものを一つ選びなさい。
1 使用の目的
2 譲受人の氏名
3 譲受人の住所
4 譲受人の職業
5 譲渡人の氏名
毒薬・劇薬に関する問題。
手引きの記載は「毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、当該医薬品を譲り受ける者から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業が記入され、署名又は記名押印された文書の交付を受けなければならない」
5は「譲受人」ではなく、「譲渡人」であることが引っ掛け。
正答・・・5
問114
以下のうち、特別用途食品でないものを一つ選びなさい。
1 病者用食品
2 妊産婦、授乳婦用食品
3 いわゆる健康食品
4 乳児用食品
5 えん下困難者用食品
特別用途食品に関する問題。これはサービス問題でしょう。
正答・・・3
問115
保健機能食品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨を表示するには、個別に生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性等に関する審査を受け、許可又は承認を取得することが必要である。
イ 特定保健用食品について、現行の許可の際に必要とされる有効性の科学的根拠のレベルに達しないものの、一定の有効性が確認されるものについては、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として許可されている。
ウ 栄養機能食品における栄養成分の機能表示に関しては、消費者庁長官の許可は要さないが、その表示と併せて、当該栄養成分を摂取する上での注意事項を適正に表示することが求められている。
エ 機能性表示食品は、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)という食品の機能性を表示することはできるが、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 正 正
保健機能食品(特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品)に関する問題。
ア 正しい。
イ 正しい。関連記事:特定保健用食品(トクホ)
なお、特定保健用食品(トクホ)は、特別用途食品制度と保健機能食品制度の両制度に位置づけられている。余裕があれば一緒に覚えて。
ウ 正しい。関連記事:栄養機能食品
例えば、葉酸の注意喚起表示は「本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません」 と書かれている。
エ 正しい。関連記事:機能性表示食品
機能性表示食品は特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)という食品の機能性を表示できるが、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない。
正答・・・1
問116
以下の医薬品の有効成分のうち、医薬品医療機器等法施行規則第15条の2の規定に基づき、その成分、その水和物及びそれらの塩類を含む製剤が濫用等のおそれのある医薬品として指定されているものでないものを一つ選びなさい。
1 エフェドリン
2 メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内服液剤に限る。)
3 プソイドエフェドリン
4 コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
5 アリルイソプロピルアセチル尿素
厚生労働大臣が指定する濫用の恐れがある医薬品に関する問題。
濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品は以下のとおり(その水和物及びそれらの塩類を有効成分として含有する製剤も含む)。
・エフェドリン
・コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
・ブロムワレリル尿素
・プソイドエフェドリン
・メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)
正答・・・5
問117
以下のうち、医薬品等の広告として適切でないものの組み合わせを下から一つ選びなさい。
ア 商品名を連呼する音声広告
イ 医薬品について、食品的又は化粧品的な用法が強調されている広告
ウ 化粧品について、その製造販売届書に記載されている効能又は効果の記載
エ 薬局で販売している医薬品の品目一覧
1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)
医薬品の広告に関する問題。
新タイプの問題だが、この問題で何を問いたいのか、分かりづらかった受験生も多かったでしょう。
ア 不適切。
イ 不適切。
正答・・・1
問118
一般用医薬品の広告に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1 店舗販売業者が作成するチラシやパンフレットであれば、医薬品の有効性が確実であることを保証するような広告を行うことができる。
2 医薬関係者や医療機関が推薦している旨の内容は、事実であっても、原則として広告することは不適当である。
3 生命関連製品としての信用や品位が損なわれることのないよう、節度ある適切な内容や表現が求められる。
4 医薬品の使用前・使用後に関わらず図面・写真等を掲げる際には、効能効果の保証表現となるものは認められない。
医薬品の広告に関する問題。
これはほぼサービス問題。
1 誤り。常識的におかしいと判断できるでしょう。
2 正しい。医薬関係者、医療機関、公的機関、団体等が、公認、推薦、選用等している旨の広告については、一般の生活者の当該医薬品に対する認識に与える影響が大きいことにかんがみて、仮に事実であったとしても、原則として不適当とされている。
(例外)市町村が行う衛生害虫類駆除事業に際して特定の殺虫剤・殺そ剤の使用を住民に推薦するときのような、特別な場合を除く。
3 正しい。
4 正しい。いわゆるビフォー・アフターのような写真等による表現は不適当(実際にはグレーな広告もあるが・・)
正答・・・1
問119
以下のうち、店舗販売業者による一般の生活者に対する医薬品の適正な販売又は授与の方法として正しいものを一つ選びなさい。
1 在庫が多かったことを理由に、効能効果が重複する医薬品を組み合わせて販売した。
2 購入者が別の購入者に医薬品を業として転売すると推定されたので、その購入者の求めに応じずに医薬品を販売しなかった。
3 医薬品を景品として授与した。
4 医薬品を多量に購入する者に対して、積極的に事情を尋ねることをしなかった。
医薬品の適正な販売又は授与の方法に関する問題。
まあ、常識的に考えれば判断できるでしょう。
1 誤り。医薬品の組み合わせ販売は、購入者の利便性を考慮して行われるものであり、販売側の都合による抱き合わせ、在庫処分
等の目的で組み合わせを行うことは、厳に認められない。
2 正しい。医薬品の無許可販売につながる恐れがあるため、慎重に対応するべきである。
3 誤り。。キャラクターグッズ等の景品類の提供は、不当景品類及び不当表示防止法の限度内であれば認められているが、医薬品を懸賞や景品として授与することは、原則として認められていない。
4 誤り。積極的に事情を尋ねるなど慎重に対処し、状況によっては販売を差し控える。
正答・・・2
問120
医薬品医療機器等法に基づく行政庁による監視指導及び処分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。
なお、本設問において、「都道府県知事」とは、「都道府県知事(薬局又は店舗販売業にあっては、その薬局又は店舗の所在地が保健所設置市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)」とする。
ア 都道府県知事は、医薬品の販売業者が、医薬品医療機器等法の規定を遵守しているかどうかを確かめるために必要があると認めるときは、薬事監視員に、その医薬品の販売業者が医薬品を業務上取り扱う場所に立ち入らせ、従業員その他の関係者に質問させることができる。
イ 厚生労働大臣は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して、医薬品の販売又は授与を一時停止すること、その他保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための応急措置を採るべきことを命ずることができる。
ウ 都道府県知事は、店舗販売業者に対して、その構造設備が薬局等構造設備規則に適合せず、又はその構造設備によって不良医薬品を生じるおそれがある場合は、その構造設備の改善を命ずることができる。
エ 薬剤師や登録販売者を含む従業員が、薬事監視員の質問を受けた際に、その答弁が医薬品の販売業者に不利益になる際には、答弁の拒否を行うことは認められている。
ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 誤 誤
行政庁による監視指導及び処分に関する問題。
ア 正しい。
イ 正しい。
ウ 正しい。
エ 誤り。薬剤師や登録販売者を含む従業員が、薬事監視員の質問に対して正当な理由なく答弁しなかったり、虚偽の答弁を行った場合には、「五十万円以下の罰金に処する」こととされている。
正答・・・1