R5 千葉県(東京・神奈川・埼玉共通) 第4章 薬事関連法規・制度 (問41-50)
頻出の内容が多く、過去問対策が有効
問41
次の記述は、医薬品医療機器等法第1条の条文である。( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び( a )のために必要な規制を行うとともに、( b )の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、( c )を図ることを目的とする。
a b c
1 まん延の予防 指定薬物 保健衛生の向上
2 拡大の防止 指定薬物 健康の保持
3 拡大の防止 麻薬及び向精神薬 保健衛生の向上
4 まん延の予防 麻薬及び向精神薬 健康の保持
5 拡大の防止 指定薬物 保健衛生の向上
4章第1問目で良く出題されている医薬品医療機器等法(旧薬事法)第1条の条文の穴埋め問題。
令和に入ってからも、1年おきで出題されています。
a 拡大の防止
b 指定薬物
c 保健衛生の向上
なお、令和3年度は「保健衛生」「拡大の防止」「指定薬物」、令和元年度は「拡大の防止」「指定薬物」「研究開発の促進」、平成30年度は「再生医療等製品」「保健衛生」「指定薬物」の穴埋めだった。
正解・・・5
問42
登録販売者及び医薬品医療機器等法第36条の8に規定する販売従事登録に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。ただし、厚生労働省令で定める書類の省略に関する規定は考慮しなくてよい。
a 登録販売者とは、一般用医薬品の販売又は授与に従事しようとする者がそれに必要な資質を有することを確認するために都道府県知事が行う試験に合格した者をいう。
b 登録販売者は、住所に変更を生じたときには、30日以内に、その旨を登録を受けた都道府県知事に届け出なければならない。
c 医薬品医療機器等法施行規則第15条の11の3に基づき、薬局開設者は、その薬局において業務に従事する登録販売者に対し、厚生労働大臣に届出を行った者(研修実施機関)が行う研修を毎年度受講させなければならないこととされている。
d 販売従事登録を受けようとする者は、販売従事登録申請書を医薬品の販売又は授与に従事する薬局又は医薬品の販売業の店舗の所在地の都道府県知事(配置販売業にあっては、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県の知事)に提出しなければならない。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
登録販売者の販売従事登録に関する問題。令和4年度は出題されなかったが、近年はほぼ毎年出題されている分野です。
a 誤 これは令和3年度や、同年度・他ブロックでも類似の出題あり。
この問いの趣旨は「登録販売者として働く(販売従事する)ための規定」が聞かれていると理解すればOK。
(合格したら「登録販売者です」と言うことも多いが)「登録販売者」として一般用医薬品の販売・授与に従事しようとするものは、「試験に合格した者であって、都道府県知事の登録」を受けなければならないとされています(法第36条の8第2項)。
b 誤 登録事項に変更が生じた場合は30日以内に届け出が必要(例えば、本籍地都道府県名や氏名性別など)だが、(自宅)住所地の変更は届け出の必要はない。
c 正 「登録販売者の研修」は令和4年手引き改訂で追加されました。
d 正 販売従事登録を受けようとする者は、法施行規則に基づく申請書を従事する薬局又は医薬品の販売業の店舗の所在地の都道府県知事に提出しなければならない。例えば、東京都在住の人が隣県の埼玉県のドラックストアに勤務している場合は、埼玉県にて販売従事登録を行います。
また、よくあるひっかけ問題で(提出先が)「住所地の都道府県知事」ときたら誤りです。
正解・・・5
問43
一般用医薬品及び要指導医薬品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 一般用医薬品及び要指導医薬品における効能効果の表現は、診断疾患名(例えば、胃炎、胃・十二指腸潰瘍等)で示されている。
b 毒薬又は劇薬は、要指導医薬品に該当することがある。
c 卸売販売業者は、配置販売業者に対し、一般用医薬品及び要指導医薬品を販売又は授与することができる。
d 検査薬において、検体の採取に身体への直接のリスクを伴うものであって、血液を検体とするものは、一般用医薬品としては認められていないが、要指導医薬品としては認められているものがある。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 正 誤
一般用医薬品及び要指導医薬品に関する問題。
a 誤 これは医療用医薬品に関する記述。一般用医薬品及び要指導医薬品では、一般の生活者が判断できる症状(例えば、胃痛、胸やけ、むかつき、もたれ等)で示されている。
b 正
c 誤 卸売販売業者は、配置販売業者に一般用医薬品以外の医薬品を販売・授与してはならないとされている。これは「区域管理者が薬剤師でも、配置薬販売業では要指導医薬品を配置・販売することはできない。」を知っていれば対応できたでしょう。
d 誤 検体の採取に身体への直接のリスクを伴うものは、一般用医薬品・要指導医薬品としては認められていない。
正解・・・2
問44
毒薬及び劇薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 毒薬又は劇薬を、18歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。
b 劇薬を貯蔵、陳列する場所については、かぎを施さなければならない。
c 毒薬は、それを収める直接の容器又は被包に、黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。
d 劇薬を一般の生活者に対して販売する際、譲受人から交付を受ける文書には、当該譲受人の症状の記載は不要である。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
毎年のように出題される毒薬・劇薬に関する問題。
a 誤 「18歳未満」ではなく「14歳未満」である。
b 誤 毒薬の貯蔵、陳列する場合「かぎ」が必要。一方、劇薬に関しては必ずしも必要ではない。
c 正
↓ある「毒薬」指定の医療用医薬品の箱
なお、劇薬の場合、白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載される。
↓ある劇薬指定薬品(医療用)の箱への表示例
d 正 毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、当該医薬品を譲り受ける者(購入者)から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業が記入され、署名又は記名押印された文書の交付を受けなければならない。(症状の記載は必要ない)
正解・・・5
問45
一般用医薬品のリスク区分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 第一類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するものが含まれる。
b 第二類医薬品は、その成分や使用目的等から、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがあり、保健衛生上のリスクが比較的高い一般用医薬品である。
c 第三類医薬品は、第一類医薬品及び第二類医薬品以外の一般用医薬品で、副作用等により身体の変調・不調が起こるおそれのないものである。
d 第三類医薬品である医薬品の分類が、第一類医薬品又は第二類医薬品に変更されることはない。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)
一般用医薬品のリスク区分に関する問題
a、bの判断が微妙に迷うが、消去法で正答できる。
a 正
b 正
c 誤 後半部分が誤り。(第三類医薬品でも)日常生活に支障を来す程度ではないが、副作用等により身体の変調・不調が起こるおそれはある。
d 誤 第三類医薬品について、日常生活に支障を来す程度の副作用を生じるおそれがあることが明らかとなった場合には、第一類医薬品又は第二類医薬品に分類が変更されることもある。
正解・・・1
問46
次のうち、医薬品医療機器等法第50条に基づき、医薬品の直接の容器又は被包に記載されていなければならない事項として誤っているものはどれか。ただし、厚生労働省令で定める表示の特例に関する規定は考慮しなくてよい。
1 製造番号又は製造記号
2 指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字
3 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字
4 重量、容量又は個数等の内容量
5 製造業者の氏名又は名称及び住所
一般用医薬品の直接の容器又は被包への「法定表示事項」に関する問題。
容器。外箱等への法定表示事項は以下の通り
(a) 製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
(b) 名称
(c) 製造番号又は製造記号
(d) 重量、容量又は個数等の内容量
(e) 日局に収載されている医薬品については「日本薬局方」の文字等
(f) 「要指導医薬品」の文字である旨を示す識別表示
(g) 一般用医薬品のリスク区分を示す字句識別表示
(h) 日局に収載されている医薬品以外の医薬品における有効成分の名称及びその分量
(i) 誤って人体に散布、噴霧等された場合に健康被害を生じるおそれがある(中略)医薬品(殺虫剤等)における「注意-人体に使用しないこと」の文字
(j) 適切な保存条件の下で3年を超えて性状及び品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣の指定する医薬品における使用の期限
(k) 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字
(l) 指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字
5が誤りで、「製造業者」ではなく「製造販売業者」が正しい。これは良くあるひっかけ選択肢なので注意を。
なお、「店舗専用」とは「配置販売が出来ない」という理解で良いが、現在その表示を見かけることは、ほぼないので迷いやすい選択肢である。
正解・・・5
問47
医薬部外品及び化粧品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬部外品を製造販売する場合には、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとに許可が必要である。
b 医薬部外品を販売する場合には、都道府県知事による販売業の許可が必要である。
c 化粧品の直接の容器又は直接の被包には、「化粧品」の文字の表示が義務付けられている。
d 化粧品において、医薬品的な効能効果を表示・標榜することは、一切認められていない。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 誤 誤
医薬部外品及び化粧品に関する問題。
a 誤 ×品目ごとに許可→〇品目ごとに承認
「医薬部外品を製造販売する場合」は、「製造販売業の許可が必要で、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとに承認を得る必要がある」
なお、「化粧品を製造販売する場合」は「製造販売業の許可を受けた者が、あらかじめ品目ごとの届出を行う必要がある」。また「厚生労働大臣が指定する成分を含有する化粧品である場合は、品目ごとの承認を得る必要がある」点も合わせて押さえておきたい。
→届出と承認のひっかけに注意しよう。
b 誤 医薬部外品、化粧品の販売等については、医薬品のような販売業の許可は必要なく、一般小売店において販売等することができる。
c 誤 「化粧品」の文字の表示は義務つけられていない。(医薬部外品は文字の表記が義務つけられている)
d 正
正解・・・3
問48
保健機能食品等の食品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 食品衛生法において、食品とは、医薬品及び医薬部外品以外のすべての飲食物であると規定されている。
b 特別用途食品は、乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復の用に供することが適当な旨を医学的・栄養学的表現で記載し、かつ、用途を限定したもので、健康増進法の規定に基づく許可又は承認を受け、「特別の用途に適する旨の表示」をする食品である。
c ビタミンDを栄養成分として含有している栄養機能食品に栄養表示する場合は、「ビタミンDは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。」と栄養成分の機能の表示を行わなければならない。
d マグネシウムを栄養成分として含有している栄養機能食品に栄養表示する場合は、「マグネシウムは、骨の形成や歯の形成に必要な栄養素です。マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。」と栄養成分の機能の表示を行わなければならない。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤
4種類の食品(特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品)、特別用途食品)の違いは、細かい知識を問われると混乱しやすいので注意。
aの食品安全基本法、食品衛生法における「食品」の定義はよく問われています。
マグネシウムの栄養表示は、ほとんど問われていなかったので難易度は高い。
a 誤 手引きには「食品とは、医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品以外のすべての飲食物をいう。」(食品安全基本法、食品衛生法)と書かれている。
b 正 なお、具体例としては、経口補水液OS‐1®がある。
c 誤 「ビタミンD」ではなく「ビタミンC」に関する記述である。ビタミンDでは「腸管のカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。」と記載される。
d 正
↓マグネシウムを含む「にがり」の栄養機能食品の表示
正解・・・3
問49
薬局に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 医薬品を取り扱う場所であって、薬局として開設の許可を受けていないものについては、病院又は診療所の調剤所を除き、薬局の名称を付してはならない。
b 医薬品をあらかじめ小分けし、販売する行為が認められている。
c 一般用医薬品の販売を行うためには、薬局の開設の許可と併せて店舗販売業の許可も受けなければならない。
d 調剤を実施する薬局は、医療法に基づく医療提供施設として位置づけられている。
1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)
薬局に関する問題
a 正
b 誤 (分割販売は可能だが)医薬品をあらかじめ小分けし、販売する行為は、無許可製造、無許可製造販売に該当するため、認められない。
c 誤 薬局における医薬品の販売行為は、薬局の業務に付随して行われる行為であるので、医薬品の販売業の許可は必要としない。
d 正
正解・・・2
問50
薬局に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。なお、本設問において、「薬剤師不在時間」とは、医薬品医療機器等法施行規則第1条第2項第2号で規定されるものとする。
a 開店時間のうち、当該薬局において調剤に従事する薬剤師が当該薬局以外の場所においてその業務を行うため、やむを得ず、かつ、一時的に当該薬局において薬剤師が不在となる時間を薬剤師不在時間という。
b 薬剤師不在時間内に限り、登録販売者でも第一類医薬品を販売することができる。
c 薬局開設者は、薬剤師不在時間内は、調剤室を閉鎖するとともに、調剤に従事する薬剤師が不在のため調剤に応じることができない旨等、薬剤師不在時間に係る掲示事項を当該薬局内の見やすい場所及び当該薬局の外側の見やすい場所に掲示しなければならない。
d 薬剤師不在時間内は、当該薬局の管理を行う薬剤師が、薬剤師不在時間内に当該薬局において勤務している従事者と連絡ができる体制を備えなければならない。
a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 誤 誤
5 正 正 誤 正
H30手引き改訂で追加された「薬剤師不在時間」は、ここ5年で4回出題されている。
「薬剤師不在時間」とは、例えば、緊急時の在宅対応や急遽日程の決まった退院時カンファレンスへの参加のため、一時的に(予定されたものではない)当該薬局において薬剤師が不在となる時間が該当する。
a 正
b 誤 薬剤師不在時間内であっても、登録販売者が販売できる医薬品は、第二類医薬品又は第三類医薬品である。
c 正
↓掲示例
d 正
正解・・・1