易しい問題ばかりで、全問正答が狙える。
問11
妊婦又は妊娠していると思われる女性及び母乳を与える女性(授乳婦)への医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 妊婦から、体の変調や不調に対して一般用医薬品を使用することにより症状を緩和したいという相談があった場合、一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、その対処が適切かどうかを含めて慎重に考慮する必要がある。
b 妊婦が医薬品を使用した場合に、血液-胎盤関門によって、どの程度医薬品成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多い。
c 便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
d 吸収された医薬品の一部が乳汁中に移行することが知られていても、通常の使用の範囲では具体的な悪影響は判明していないものもある。
a b c d
1 正 正 正 誤
2 誤 正 正 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 正
妊婦又は母乳を与える女性(授乳婦)と医薬品に関する問題
今回は出題されていないが、ビタミンA×胎児に先天異常を起こす危険性についても良く問われているので合わせて学習を
a 正
b 正 胎盤には、胎児の血液と母体の血液とが混ざらない仕組み(血液-胎盤関門)があるが、どの程度服用薬の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多い。
一般用医薬品においても、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
c 正 便秘薬のように、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。例えば、大腸刺激性成分の瀉下薬(センノシド、ピコスルファートナトリウムなど)には、腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれについて記載されている。
d 正 なお、ジフェンヒドラミン塩酸塩(乳児の昏睡)、ジヒドロコデイン塩酸塩(乳児のモルヒネ中毒)、ロートエキス(乳児の頻脈)、センノシド(乳児の下痢)などは、乳汁中への移行による具体的な影響について第3章・5章で出題されます。
正解・・・5
問12
医療機関で治療を受けている人等への医薬品の使用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 一般用医薬品の購入者等に対して、医療機関で治療を受ける際には、使用している一般用医薬品の情報を医療機関の医師や薬局の薬剤師等に伝えるよう説明する必要はない。
b 特定の症状がある人であっても、医療機関での治療を特に受けていない場合、一般用医薬品の使用について、注意する必要はない。
c 生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の使用により、その症状が悪化することがある。
d 過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)という場合には、どのような疾患について、いつ頃かかっていたのか(いつ頃治癒したのか)を踏まえ、購入者等が一般用医薬品の使用の可否を適切に判断することができるよう情報提供がなされることが重要である。
a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 正
医療機関で治療を受けている人等への医薬品の使用に関する問題
常識的に判断すれば良いでしょう。
a 誤 医療機関で治療を受ける際には、使用している一般用医薬品の情報を医療機関の医師や薬局の薬剤師等に伝えるよう説明することも重要である。
b 誤 「注意する必要はない」ではなく、「その症状を悪化させるおそれがある等、注意が必要なものがある。」
c 正
d 正 読み取りづらい文章だが、正しい記述である。
正解・・・4
問13
プラセボ効果(偽薬効果)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれる。
b プラセボ効果には、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)は関与していないと考えられている。
c プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れることもあるが、不確実であり、それを目的として一般用医薬品が使用されるべきではない。
d プラセボ効果によってもたらされる反応や変化には、不都合なもの(副作用)はない。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正
ほぼ毎年出題されているプラセボ(偽薬効果)に関する問題。
医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。プラセボ効果は、医薬品を使用したことによる楽観的な結果期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与していると考えられている。
a 正
b 誤 プラセボ効果は、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等も関与していると考えられている。
c 正 初学者は判断に迷うかもしれない。検査値等で客観的に測定可能な変化として現れることがある。
d 誤 プラセボ効果によってもたらされる反応や変化にも、望ましいもの(効果)と不都合なもの(副作用)がある。なお、プラセボ効果の不都合な例としては、例えば副作用が必要以上に強調されて販売された場合に、(実際には薬の作用とは関係ないが)体の不調を訴える等がわかりやすいでしょう。
正解・・・2
問14
医薬品の品質に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 医薬品は、高い水準で均一な品質が保証されていなければならない。
b 医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。
c 医薬品の外箱等に表示されている「使用期限」は、開封の有無にかかわらず製品の品質が保持される期限である。
d 医薬品を保管・陳列する際は、高温、多湿、直射日光等の下に置くことのないよう留意する必要はない。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)
医薬品の品質に関する問題
a 正
b 正
c 誤 表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である。(出題されないが)例えば、子供向けのかぜ薬シロップの場合、開封後は冷蔵保存で2-3か月が期限の目安とされる。
d 誤 「留意する必要はない」ではなく「留意する必要がある」。
正解・・・1
問15
適切な医薬品選択と受診勧奨に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a スポーツ競技者については、ドーピングに注意が必要であるが、一般用医薬品には、使用してもドーピングに該当する成分を含むものはない。
b 一般用医薬品の販売等に従事する専門家による情報提供は、必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合がある。
c 一般用医薬品を一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。
d 一般用医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して常に科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されている。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 正 正
適切な医薬品選択と受診勧奨に関する問題
なお、スポーツドーピングは令和4年度の手引き改訂で追加された内容である。
a 誤 一般用医薬品にも、使用すればドーピングに該当する成分を含んだものがあるため、スポーツ競技者から相談があった場合は、専門知識を有する薬剤師などへの確認が必要である。なお、出題されることはないが、一般用医薬品の成分でドーピングに該当するものとしては、メチルエフェドリン、プソイドエフェドリン、麻黄(エフェドリンを含む)等があり、興奮薬として分類されます。
b 正
c 正
d 正
正解・・・5
問16
一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a 一般用医薬品では、情報提供を受けた当人のみが医薬品を使用するとして、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。
b 一般用医薬品の購入者は、使用者の体質や症状等を考慮して製品を事前に調べて選択しているのではなく、宣伝広告や販売価格等に基づき漠然と製品を選択していることがあることにも留意しなければならない。
c 一般用医薬品は、家庭における常備薬として購入されることも多いため、一般用医薬品の販売等に従事する専門家は、その医薬品がすぐに使用される状況にあるかなどの把握に努めることが望ましい。
d 一般用医薬品の販売等に従事する専門家からの情報提供は、説明内容が購入者等にどう理解されたかなどの実情を把握しながら行う必要はなく、専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでよい。
a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 正 正
一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する問題
まあ、常識的に読み取れば判断できるでしょう。
医薬品の販売等に従事する専門家が購入者等から確認しておきたい基本的なポイントは以下のような事項がある。
① 何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者等側のニーズ、購入の動機)
② その医薬品を使用するのは情報提供を受けている当人か、又はその家族等が想定されるか
③ その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか
④ その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか
⑤ その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか
⑥ その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品の使用や食品を摂取をしていないか
⑦ その医薬品がすぐに使用される状況にあるか
⑧ 症状等がある場合、それはいつ頃からか、その原因や患部等の特定はなされているか
a 誤 一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らない。
b 正
c 正
d 誤 専門家からの情報提供は、単に専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでなく、説明した内容が購入者等にどう理解され、行動に反映されているか、などの実情を把握しながら行うことにより、その実効性が高まるものである。
正解・・・4
問17
サリドマイド及びサリドマイド訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a サリドマイド訴訟は、妊娠している女性がサリドマイド製剤を使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
b サリドマイドは、催眠鎮静成分として承認され、鎮静作用を目的として胃腸薬にも配合されていた。
c サリドマイドには、副作用として血管新生を妨げる作用がある。
d サリドマイドの光学異性体のうち、R体のサリドマイドを分離して製剤化することで催奇形性を避けることができる。
a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 正 誤 正 正
5 誤 正 誤 正
薬害関連の問題は、前年に引き続き計4問出題されています。
まずはサリドマイド訴訟に関する問題。
これは、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊婦又は妊娠していると思われる女性が使用し、出生児に四肢欠損等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
なお、令和8年度手引き改訂により、「光学異性体」→「鏡像異性体(光学異性体)」となったため、解説もそれに合わせています。
a 正
b 正
c 正 なお、「血管新生を促進する作用」でひっかけの場合があるので注意する。
d 誤 まず、サリドマイドの副作用である血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの鏡像異性体(光学異性体)(R体、S体)のうち、S体のみが有する作用である点を知っておく必要がある。もう一方の異性体(R体)には血管新生を妨げる作用はなく、また、求められている鎮静作用はR体のみが有するとされている。
さらに「R体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられない。」点も出題されるので、知識はセットで押さえておこう。
ちなみに、鏡像異性体(光学異性体)とは、分子の化学的配列(炭素原子や水素原子等がどう並んでいるか)は同じだが、その分子構造が鏡像関係(鏡に映ったように左右対称の関係)にあり、互いに重ね合わせることができないものを言います。例としては、右手と左手の関係がわかりやすい。
なお、R体とS体が分離されていない混合体を「ラセミ体」と呼ぶことがある(手引きにも記載あり)。
正解・・・3
問18
キノホルム製剤及びスモン訴訟に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a スモン訴訟は、キノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b キノホルム製剤は、整腸剤として使用されていたが、現在、日本ではアメーバ赤痢にのみ使用されている。
c スモン患者に対する施策として、生物由来製品の安全対策強化、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設がなされた。
d スモン訴訟は、各地の地裁及び高裁において和解が勧められているが、いまだ全面和解には至っていない。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 誤 正 正
3 正 正 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 誤 正
次はスモン訴訟に関する問題。
整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症(スモン)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
a 正
b 誤
c 誤
d 誤 1977年10月に東京地裁において和解が成立して以来、各地の地裁及び高裁において和解が勧められ、1979年9月に全面和解が成立した。
正解・・・1
問19
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)訴訟、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)及びCJD訴訟に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a HIV訴訟は、血友病患者が、HIVが混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
b HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療・研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取り組みを推進している。
c CJDは、細菌でもウイルスでもない脂質の一種であるプリオンが原因とされている。
d CJD訴訟は、輸入販売業者及び製造業者が被告として提訴されたが、国は提訴されなかった。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)
HIV訴訟は、血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
また、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟は、脳外科手術等に用いられていたヒト乾燥硬膜を介してクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟を一因として、独立行政法人医薬品医療機器総合機構により、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。なお、医薬品副作用被害救済制度は、サリドマイド訴訟やスモン訴訟を契機として、1979年1980年に創設された。区別して憶えておこう。
*令和8年度手引き改訂で1979年→1980年に訂正された。
a 正
b 正
c 誤 これは超頻出。プリオンは「細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種」である。ほかにも「ヒト乾燥硬膜」を「ウシ乾燥硬膜」でひっかけの場合が良くあるので注意する。
d 誤
正解・・・1
問20
薬害及び薬害の訴訟に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a 薬害は、医薬品を十分注意して使用していれば、起こることはない。
b 登録販売者においても、薬害事件の歴史を十分に理解し、医薬品の副作用等による健康被害の拡大防止に関して、その責務の一端を担っていることを肝に銘じておく必要がある。
c C型肝炎訴訟を契機として、医師、薬剤師、法律家、薬害被害者などの委員により構成される医薬品等行政評価・監視委員会が設置された。
d 今まで国内で薬害の原因となったものは医療用医薬品のみである。
1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)
薬害及びC型肝炎訴訟に関する問題。
C型肝炎訴訟は出産や手術の際に特定のフィブリノゲン製剤や血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与を受けたことにより、C型肝炎ウイルスに感染したことに対する損害賠償訴訟である。
a 誤
b 正
c 正
d 誤
正解・・・4
