R1 千葉県(東京・神奈川・埼玉共通) 第5章 医薬品の適正使用・安全対策(問101-110)

問109(授乳中)問110(偽アルドステロン症)は迷うが、3章に比べると頻出知識が多数。過去問対策をしていれば8問以上正答できる。

問101
一般用医薬品(人体に直接使用しない検査薬を除く。)の添付文書に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 販売名に薬効名が含まれている場合には、薬効名の記載は省略されることがある。

b 添付文書の内容は、医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、1年に1回定期的に改訂がなされている。

c 病気の予防・症状の改善につながる事項(いわゆる「養生訓」)は、症状の予防・改善につながる事項について一般の生活者に分かりやすく示すために、必ず記載しなければならない。

d 副作用については、まず一般的な副作用について発現部位別に症状が記載され、そのあとに続けて、まれに発生する重篤な副作用について副作用名ごとに症状が記載されている。

  a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正


一般用医薬品の添付文書に関する問題。これは容易判断できるように。

a 正しい。販売名に薬効名が含まれている場合には(「○○○胃腸薬」など)、薬効名の記載は省略されることがある。
b 誤り。添付文書の改訂に関して「必要に応じて随時改訂」される点は頻出。「毎年改訂」や「定期的に改訂」、「1年毎に改訂」ときたら誤り。
c 誤り。
d 正しい。
↓ある一般用医薬品添付文書の副作用記載例
①まず一般的な副作用について発現部位別に症状が記載されます。(皮ふ・・かゆみなど)
②その後に、まれに発現する重篤な副作用について、副作用名ごとに症状が記載されます。(アナフィラキシー・・胸苦しさなど)
  


正答・・・5


問102
次の医薬品成分のうち、一般用医薬品の添付文書等において、妊娠期間の延長、胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加のおそれがあるため、「次の人は服用しないこと」の項目中に、「出産予定日12週以内の妊婦」と記載することとされている成分はどれか。

1 アミノ安息香酸エチル
2 ブロモバレリル尿素
3 ロペラミド塩酸塩
4 ビタミンA
5 アスピリンアルミニウム


添付文書の「してはいけないこと」に関する問題。
これはほぼサービス問題と思って良いでしょう。

まず、添付文書の「使用上の注意」の中で「してはいけないこと」「相談すること」「その他の注意」があることは区別できるように(標識マークも問われることがある)

今回は、その中で「してはいけないこと」に関する問題が数問続きます。

この問題については、「出産予定日12週以内の妊婦」「胎児の動脈管の収縮・早期閉鎖」から、アスピリンイブプロフェンといった解熱鎮痛成分だろうとすぐに思いつきたい。それがわかれば、選択肢の中からアスピリンアルミニウム(試験対策上アスピリンと同じと考えてOK)を容易に選べる。


正答・・・5


問103
次の医薬品成分のうち、一般用医薬品の添付文書等において、「次の人は使用しないこと」の項目中に「ぜんそくを起こしたことがある人」と記載することとされている外皮用薬の成分として、正しいものの組合せはどれか。

a デキサメタゾン
b テルビナフィン塩酸塩
c ピロキシカム
d フェルビナク

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)


添付文書の「してはいけないこと」に関する問題。
これもほぼサービス問題と思って良いでしょう。

いわゆるアスピリン喘息の知識があれば容易に判断できる。
外皮用薬の成分として問われているのでインドメタシンフェルビナクケトプロフェンピロキシカムが候補となる。
↓インドメタシンが配合された外用解熱鎮痛消炎薬。


正答・・・5


問104
次の医薬品成分等と、一般用医薬品の添付文書等において、「次の人は使用(服用)しないこと」と記載することとされている基礎疾患等の組合せの正誤について、正しい組合せはどれか。

医薬品成分等 基礎疾患等
a プソイドエフェドリン塩酸塩 ―― 高血圧
b アセトアミノフェン ―― 心臓病
c メキタジン ―― 甲状腺機能障害
d 芍薬甘草湯―― 糖尿病

  a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正


添付文書の「してはいけないこと」に関する問題。
決して易しくはないが、この程度のレベルは正答したい。

a 正しい。プソイドエフェドリン塩酸塩は第5章で超頻出。「心臓病」「高血圧」「甲状腺機能障害」「糖尿病」の診断を受けた人の他、「前立腺肥大による排尿困難 」の症状のある人も使用しないことと記載されている。
b 誤り。
c 誤り。
d 誤り。こむら返りの漢方として有名な芍薬甘草湯は、心臓病の症状を悪化させるおそれがあるため、「心臓病」の人は使用しないことと記載されている(カンゾウを多く含んでいるため) 。糖尿病の記載はない。

正答・・・3


問105
次の一般用医薬品の漢方処方製剤のうち、その添付文書等において、「本剤を服用している間は、次の医薬品を服用しないこと」の項目中に「他の瀉下薬(下剤)」と記載することとされている製剤として、正しいものの組合せはどれか。

a 十味敗毒湯
b 三黄瀉心湯
c 桃核承気湯
d 七物降下湯

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)


「他の瀉下薬(下剤)」を服用している間は、服用しないこととされている医薬品について。
それほど深く考えずに、同じような効果が重複しないように下剤(便秘薬)として使用されている漢方薬を選べば良い。
そうすれば、まず婦人用薬で登場し、「便秘・打撲症」がキーワードの桃核承気湯はすぐに選べる。次に十味敗毒湯は「化膿性皮膚疾患」向けの漢方薬と知っていたら容易に除外できるはず。これで、もう一つは三黄瀉心湯とわかる。

正答・・・4


問106
次の記述のうち、一般用医薬品のかぜ薬の添付文書等において、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有することにより、使用上の注意に記載することとされている事項として、正しいものの組合せはどれか。

a 服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと。
b てんかんの診断を受けた人は、服用前に専門家に相談すること。
c 排尿困難の症状がある人は、服用前に専門家に相談すること。
d 牛乳によるアレルギー症状を起こしたことがある人は、服用前に専門家に相談すること。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)


添付文書の使用上の注意に関する問題。

まずクロルフェニラミンマレイン酸塩は頻出の抗ヒスタミン成分であることはすぐにわかるように。
市販薬では多岐に渡って色々な分野で使用されているが、特に総合感冒薬の鼻水を抑える成分として良く配合されている。他に目薬等の外用薬としても使用されている。


a 正しい。抗ヒスタミン成分の眠気の副作用は良く知られているので、これはすぐに選べるはず。
b 誤り。
c 正しい。クロルフェニラミンマレイン酸塩は古いタイプの抗ヒスタミン薬だが、「排尿困難」については、抗ヒスタミン薬の抗コリン作用で確認を。
d 誤り。この試験で「牛乳アレルギー」とくれば下痢止め薬のタンニン酸アルブミンがすぐ思いつくように。

正答・・・2


問107
次の記述のうち、一般用医薬品の鎮咳去痰薬(内服液剤)の添付文書等において、コデインリン酸塩を含有することにより、「使用上の注意」の項目中に「過量服用・長期連用しないこと」と記載することとされている理由として、正しいものの組合せはどれか。

a 腸管粘膜への刺激が大きくなり、腸管粘膜に炎症を生じるおそれがあるため。
b 依存性・習慣性がある成分が配合されており、乱用事例が報告されているため。
c 倦怠感や虚脱感等が現れることがあるため。
d 副腎皮質の機能低下を生じるおそれがあるため。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)


「使用上の注意」の「過量服用・長期連用しないこと」に関する問題。
麻薬性鎮咳成分のコデインリン酸塩ジヒドロコデインリン酸塩も同様)の知識があれば難しくない。
合わせて、第4章で頻出の厚生労働大臣が指定する濫用等の恐れがある医薬品も確認しておこう。

a 誤り。
b 正しい
c 正しい。
d 誤り。

正答・・・4


問108
次の医薬品成分のうち、一般用医薬品の添付文書等において、生じた血栓が分解されにくくなるため、「相談すること」の項目中に「次の診断を受けた人」として「血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)、血栓症を起こすおそれのある人」と記載することとされている内服薬の成分として、正しいものの組合せはどれか。

a トラネキサム酸
b 次硝酸ビスマス
c エテンザミド
d セトラキサート塩酸塩

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)


これも今までの過去問で度々出題されている内容なので落とさないように。

「相談すること」に「血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓静脈炎等)、血栓症を起こすおそれのある人」の記載がある成分は、抗炎症成分のトラネキサム酸と胃粘膜保護・修復成分のセトラキサート塩酸塩である。

セトラキサート塩酸塩は、体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから、この記載がある。
(但し、セトラキサート塩酸塩は現在殆ど市販薬として使用されていない。)

正答・・・3


問109
次の医薬品成分のうち、一般用医薬品の添付文書等において、乳汁中に移行する可能性があるため、「相談すること」の項目に「授乳中の人」と記載することとされている成分の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 止瀉薬に配合されたロペラミド塩酸塩
b 解熱鎮痛薬に配合されたアセトアミノフェン
c 鼻炎用内服薬に配合されたプソイドエフェドリン塩酸塩
d かぜ薬に配合されたトリプロリジン塩酸塩水和物

  a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤


これは難問。
殆どの薬は「相談すること」の項目に、「授乳中の人」と記載されているので、1(全て正しい)を選んでしまった受験生も多かったでしょう。
医療機関でも乳幼児の解熱剤として使用されているアセトアミノフェンには記載がない。

a 正しい。
b 誤り。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・3


問110
次の一般用医薬品の漢方処方製剤等のうち、その添付文書等において、偽アルドステロン症を生じやすいため、「相談すること」の項目中に「高齢者」と記載することとされているものはどれか。

1 半夏厚朴湯
2 小青竜湯
3 辛夷清肺湯
4 メトキシフェナミン塩酸塩
5 スコポラミン臭化水素酸塩水和物


偽アルドステロン症に関する内容から、カンゾウ(甘草)を含む漢方薬をさがしていけば良い。

まず、半夏厚朴湯カンゾウを含まない漢方薬として試験頻出なので容易に除外できてほしい。
また、鼻づまり向けの漢方薬として知られる辛夷清肺湯もカンゾウを含まず、花粉症・アレルギー性鼻炎向けの漢方として知られる小青竜湯が残る。

正答・・・2

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