R5 関西広域連合 第3章 主な医薬品とその作用 (問31-40)

鎮咳去痰薬(問31)、鎮静系の生薬(問38)は難しい

問31
呼吸器官に作用する薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、延髄の咳嗽中枢に作用する麻薬性鎮咳成分である。

b メチルエフェドリン塩酸塩は、交感神経系を抑制して気管支を拡張させる作用がある。

c キサンチン系成分は、心臓刺激作用も示すことから、副作用として動悸が現れることがある。

d クロルフェニラミンマレイン酸塩は、気道粘膜からの粘液の分泌を促進し、痰を出しやすくする。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 正 誤


呼吸器官に作用する薬の配合成分に関する問題。特にc,dは、かなり細かい知識が問われており難しい。

a 誤 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物麻薬性鎮咳成分である。
b 誤 メチルエフェドリン塩酸塩はアドレナリン作動成分で、交感神経系を刺激(×抑制)して気管支を拡張させる作用がある。
c 正 ジプロフィリン、テオフィリン(第5章で登場)等のキサンチン系成分は、自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる成分である。キサンチン系成分は心臓刺激作用を示し、副作用として動悸が現れることがある。
d 誤 手引本文に書かれている内容だが、あまり問われていないポイントで判断は難しい。クロルフェニラミンマレイン酸等の抗ヒスタミン成分では、気道粘膜での粘液分泌を抑制することで痰が出にくくなることがある。

正解・・・5


問32
咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤として、次の記述にあてはまる最も適切なものを一つ選べ。

体力中程度をめやすとして、気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う不安神経症、神経性胃炎、つわり、咳、しわがれ声、のどのつかえ感に適すとされる。

1 麻杏甘石湯
2 響声破笛丸
3 半夏厚朴湯
4 五虎湯
5 甘草湯


漢方処方製剤に関する問題。

咽喉・食道部に異物感」「のどのつかえ感」などの特徴的なキーワードから容易に、半夏厚朴湯と選びたい。
なお、平成の試験では、半夏厚朴湯は、カンゾウ(甘草)を含まない漢方薬として頻出だった。(令和では出題率は低下傾向)

正解・・・3


問33
胃に作用する薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a スクラルファートは、マグネシウムを含む成分であるため、透析を受けている人では使用を避ける必要がある。

b ピレンゼピン塩酸塩は、血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人では、生じた血栓が分解されにくくなることが考えられる。

c ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)は、消化管内容物中に発生した気泡の分離を促すことを目的として配合されている場合がある。

d ウルソデオキシコール酸は、胆汁の分泌を促す作用(利胆作用)があるとされ、消化を助ける効果を期待して用いられる。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤


胃に作用する薬の配合成分に関する問題

a 誤 「マグネシウム」ではなく、「アルミニウム」である。胃粘膜保護・修復成分のスクラルファートアルジオキサ等は、アルミニウムを含むことから「透析療法中の方は使用を避ける」とされている点は5章頻出。
b 誤 これは、胃に作用する薬の中では「セトラキサート塩酸塩」に関する記述である。セトラキサート塩酸塩は、体内で代謝されてトラネキサム酸(主にかぜ薬分野で登場する抗炎症成分)を生じることから、血栓のある人、血栓を起こすおそれのある人では、生じた血栓が分解されにくくなることが考えられる。(トラネキサム酸にそのような働きがあるとされている)
c 正 関連記事:ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)
d 正

正解・・・3


問34
整腸薬又は止瀉薬及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 腸内殺菌成分の入った止瀉薬は、下痢の予防で服用したり、症状が治まったのに漫然と服用したりすると、腸内細菌のバランスを崩し、腸内環境を悪化させることがある。

b トリメブチンマレイン酸塩は、消化管の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整する作用があるが、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがある。

c ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、効き目が強すぎて便秘が現れることがあり、まれに重篤な副作用としてイレウス様症状を生じることがある。

d ベルベリン塩化物は、海外において長期連用した場合に精神神経症状が現れたとの報告があるため、1週間以上継続して使用しないこととされている。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正


整腸薬又は止瀉薬及びその配合成分に関する問題

a 正 
b 正 関連記事:トリメブチンマレイン酸塩
c 正 なお、。ロペラミド塩酸塩は代表的な止瀉薬成分(「トメダイン」など)で、食あたりや水あたりによる下痢(感染性胃腸炎)が疑われる場合は適応対象ではない点は頻出。

d 誤 ベルベリン塩化物(腸内殺菌成分)ではなく、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマス(収斂成分)を含む成分に関する記述である。

正解・・・3


問35
瀉下薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 酸化マグネシウムは、腸内容物の浸透圧をさげることにより、糞便中の水分量を増やす作用がある。

b センノシドが配合された瀉下薬については、妊婦又は妊娠していると思われる女性では、使用を避けるべきである。

c ビサコジルを含む腸溶性製剤は、胃内でビサコジルが溶け出すおそれがあるため、服用後1時間以内は牛乳の摂取を避けることとされている。

d ジオクチルソジウムスルホサクシネートは、糞便中の水分量を増して柔らかくすることによる瀉下作用を期待して用いられる。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 誤 正


瀉下薬の配合成分に関する問題

a 誤 「浸透圧をさげる」ではなく「浸透圧を高める」である。
↓酸化マグネシウムが瀉下薬(便秘薬)として配合された製品

b 正 センノシド・センナのような、刺激性瀉下成分が配合された瀉下薬は、腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがある。
c 正 関連記事:ビサコジル(大腸刺激性瀉下成分)
d 正 関連記事: ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)

正解・・・3


問36
次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものを一つ選べ。

体力中程度以下で、ときに便が硬く塊状なものの便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでもの、食欲不振、腹部膨満、腸内異常醗酵、痔などの症状の緩和に適すとされる。

1 六君子湯
2 大黄牡丹皮湯
3 人参湯
4 麻子仁丸
5 桂枝加芍薬湯


漢方処方製剤に関する問題
適応が多岐にわたり、学習不足だと決して容易ではないが、「便が硬く塊状なものの便秘」や「ふきでもの(にきび)」という特徴的なキーワードから、麻子仁丸を選択したい。

正解・・4


問37
胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a チキジウム臭化物には、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがある。

b ブチルスコポラミン臭化物は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることが知られている。

c ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれがある。

d パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と異なり、眼圧を上昇させる作用はない。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正


胃腸鎮痛鎮痙薬の配合成分に関する問題

a 正 チキジウム臭化物は抗コリン成分であり、このような副作用を生じる恐れがある。
b 正 なお、ブチルスコポラミン臭化物は市販薬・医療用ともに現在でも使用されている代表的な胃腸鎮痛鎮痙成分。試験対策的にはアナフィラキシーに関するこのような問いは、まず正しいと思って良いでしょう(100%生じないと断言できる成分は基本的にない)
c 正 なお、「頻脈」ではなく「徐脈」で引っ掛けの場合があるので注意。ロートエキス抗コリン成分(相対的に交感神経系を優位≒脈が速くなる)であることと、結びつけると覚えやすい。
d 誤 パパベリン塩酸塩は、抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないが、眼圧を上昇させる作用を示すことが知られている。
 
正解・・・3


問38
一般用医薬品の強心薬に配合される生薬成分のうち、鎮静作用を目的として配合されるものの組合せを一つ選べ。

a ロクジョウ
b シンジュ
c センソ
d ジンコウ

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


強心薬や、小児鎮静薬(小児五疳薬)に配合される生薬成分に関する問題である。
具体的には、六神丸や救心などに配合されている成分が登場するが、細かい薬効が問われており難問である。
鎮静系の生薬を覚えるよりも、出題頻度が高く強心作用の印象を結び付けやすい、センソ、ロクジョウを除外する方が現実的。

a 誤 ロクジョウ(鹿茸)は、ロクジョウは、シカ科の(中略)動物の雄鹿の角化していない幼角を基原とする生薬で、強心作用の他、強壮血行促進等の作用があるとされる。
b 正 シンジュ(真珠)は、ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質を基原とする生薬で、鎮静作用等を期待して用いられる。
c 誤 センソ(蟾酥)は、ヒキガエル科のアジアヒキガエル等の耳腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量で強い強心作用を示す。
d 正 ジンコウ(沈香)は、ジンチョウゲ科のジンコウ、その他同属植物の材、特にその辺材の材質中に黒色の樹脂が沈着した部分を採取したものを基原とする生薬で、鎮静、健胃、強壮などの作用を期待して用いられる。 

正解・・・4


問39
一般用医薬品の苓桂朮甘湯に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。

a 体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏に適すとされる。

b 利尿作用により、水毒(漢方の考え方で、体の水分が停滞したり偏在して、その循環が悪いことを意味する。)の排出を促す。

c 強心作用が期待される生薬を含んでいる。

d 構成生薬としてカンゾウを含むため、高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けた人では、偽アルドステロン症を生じやすい。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 正 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正


強心薬の分野で登場する苓桂朮甘湯に関する問題。この漢方だけにスポットを当てた出題は珍しい。

a 正
b 正
c 誤 この内容は頻出。 苓桂朮甘湯は(強心薬の分野で登場する漢方処方だが)強心作用が期待される生薬は含まれていない
d 正

正解・・・1


問40
次の成分の一般用医薬品の高コレステロール改善薬を購入しようとする者への登録販売者の説明について、適切なものの組合せを一つ選べ。

6カプセル中:
成分 分量
パンテチン 375 mg
大豆油不けん化物 600 mg
トコフェロール酢酸エステル 100 mg

a 腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがある成分が含まれています。
b 末梢血管における血行を促進する成分が含まれています。
c 尿が黄色くなる成分が含まれていますが心配ありません。
d 1年くらい服用を続けても症状・コレステロール値に改善が見られない時には、服用を中止し、医療機関を受診してください。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


コレステロール改善薬に関する問題。
全国的には2問出題されることもある分野だが、当ブロックは前年同様に1問でした。
登場する各薬剤の特徴が覚えにくい分野だが、前年同様に細かい知識が問われ、対応は難しい。

a 正 これは大豆油不けん化物(ソイステロール)に関する記述である。
b 正 これはトコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)に関する記述である。
c 誤 リボフラビン(ビタミンB2)に関する記述だが、含まれていない。
d 誤 「1年くらい」が長すぎで誤り。
生活習慣の改善を図りつつ、しばらくの間1~3ヶ月)、高コレステロール改善薬の使用を続けてもなお、検査値に改善がみられない時には、遺伝的又は内分泌的要因も疑われるため、いったん使用を中止して医師の診療を受けるなどの対応が必要である。

正解・・・1

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