生薬・漢方に関する問題が多く難易度も高い。全問正解は厳しい。

問81 次の表は、ある一般用医薬品の外用痔疾用薬(坐剤)に含まれている成分の一覧である。この外用痔疾用薬(坐剤)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1回量 1個(1.4g)中
リドカイン・・・・・・・・・・60mg
プレドニゾロン酢酸エステル ・・1mg
イソプロピルメチルフェノール・ 2mg
アラントイン・・・・・・・・・20mg
トコフェロール酢酸エステル・・60mg
l-メントール・・・・・・・・10mg

1 痔に伴う痛み・痒みを和らげることを目的として、リドカインが配合されている。

2 痔による肛門部の炎症や痒みを和らげることを目的として、プレドニゾロン酢酸エステルが配合されている。

3 痔疾患に伴う局所の感染を防止することを目的として、イソプロピルメチルフェノールが配合されている。

4 血管収縮作用による止血効果を目的として、アラントインが配合されている。

5 肛門周囲の末梢血管の血行を改善する作用を期待して、トコフェロール酢酸エステルが配合されている。


外用痔疾用薬(坐剤)に含まれている成分に関する問題

1 正 リドカイン局所麻酔成分。なお、リドカインのアナフィラキシーに関する内容も比較的良く出題されている。
2 正 プレドニゾロン酢酸エステルはステロイド性抗炎症成分。なお、長期連用は避ける必要がある。
3 正 イソプロピルメチルフェノールは殺菌消毒成分である。
4 誤 アラントイン組織修復成分で、痔による肛門部の創傷の治癒を促す効果を期待して用いられる。なお、止血効果を目的として配合されるものとしては、アドレナリン作動成分(テトラヒドロゾリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩など)がある。
5 正 トコフェロール酢酸エステルはビタミンEである。



正解・・・4


問82 内用痔疾用薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 乙字湯は、体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。

b セイヨウトチノミは、トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子を基原とする生薬で、主に止血効果を期待して用いられる。

c オウゴンは、シソ科のコガネバナの周皮を除いた根を基原とする生薬で、主に抗炎症作用を期待して用いられる。

d 内用痔疾用薬は、比較的緩和な抗炎症作用、血行改善作用を目的とする成分のほか、瀉下・整腸成分等が配合されたもので、外用痔疾用薬と併せて用いると効果的なものである。

  a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正 


内用痔疾用薬及びその配合成分等に関する問題

a 正 関連記事:乙字湯
b 誤 後半が誤り。「止血作用」ではなく「抗炎症作用」を期待して用いられる。
c 正
d 正

正解・・・1


問83 泌尿器用薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a サンキライは、ツツジ科のクマコケモモの葉を基原とする生薬で、利尿作用のほかに、経口的に摂取した後、尿中に排出される分解代謝物が抗菌作用を示し、尿路の殺菌消毒効果を期待して用いられる。

b 日本薬局方収載のウワウルシ及びカゴソウは、いずれも煎薬として残尿感、排尿に際して不快感のあるものに用いられる。

c 八味地黄丸は、体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れに適すとされる。

d 牛車腎気丸は、体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)に適すとされる。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 誤


泌尿器用薬及びその配合成分等に関する問題

a 誤 これは尿路消毒成分ウワウルシに関する記述である。サンキライ(山帰来)はユリ科のSmilax glabra Roxburghの塊茎を基原とする生薬で、利尿作用を期待して用いられる。
b 正
c 正 八味地黄丸牛車腎気丸は同様な内容が書かれているが、「夜間尿」「軽い尿漏れ」のキーワードから八味地黄丸だと判断したい。どちらのキーワードも八味地黄丸のみに記載されていて、牛車腎気丸との違いとして役立つので覚えておきたい。
なお、特に男性の前立腺肥大による排尿トラブル(夜間頻尿、尿の切れが悪い等)に用いられる漢方薬として知られているが、近年はテレビ通販CMで、「八味地黄丸が唯一「夜間尿」の効能が認めらた漢方・・・」といった過剰なプロモーションが行われている。
d 正

正解・・・3


問84 婦人薬及びその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 女性ホルモン成分は、膣粘膜又は外陰部に適用されるものがあり、これらの成分は適用部位から吸収されて循環血液中に移行する。

b 鎮静、鎮痛のほか、女性の滞っている月経を促す作用を期待して、コウブシが配合されている場合がある。

c 胃腸症状に対する効果を期待して、ソウジュツが配合されている場合がある。

d 鎮静作用を期待して、カノコソウが配合されている場合がある。

a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 正 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 正
5 正 正 正 誤


婦人薬及びその配合成分等に関する問題
なお、b~dの生薬は、更年期障害、血の道症への効能を持つ「命の母A」に配合されている生薬である。但し、出題頻度は高くないので直前期で余裕がなければ後回しで良いでしょう。

a 正 なお、一般用医薬品の女性ホルモン製剤としては、エチニルエストラジオール、エストラジオールを含有する軟膏剤「ヒメロス」を知っておくと良い。
「ヒメロス」は不感症や冷感症、婦人更年期障害(のぼせ、ほてり、冷え、イライラ等)に効能を持つ外用薬。ヒメロスを、直接膣粘膜・外陰部に塗布することで、女性ホルモン(卵胞ホルモン)を補充し、諸症状の改善が期待され用いられる。この場合、外陰部への局所的な働きのほか、粘膜から吸収されることで全身的な作用も期待されている。
b 正 コウブシ(香附子)に関する記述である。
c 正 ソウジュツ(蒼朮)に関する記述である。
d 正 カノコソウ(鹿子草)に関する記述である。なお、特異な匂いから鎮静作用があると言われている。

正解・・・1


問85 次の記述にあてはまる漢方処方製剤として、最も適切なものはどれか。

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症に適すとされるが、胃腸の弱い人では悪心(吐きけ)、嘔吐、胃部不快感、下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。まれに重篤な副作用として、肝機能障害、腸間膜静脈硬化症を生じることが知られている。

1 柴胡桂枝乾姜湯
2 加味逍遙散
3 温清飲
4 温経湯
5 桃核承気湯


まず、更年期障害や月経不順、血の道症などの語句から婦人向けの漢方薬が候補になり、さらに「精神不安やいらだちなどの精神神経症状」のキーワードから、容易に加味逍遙散を選択できるように。更年期女性のイライラに用いられる漢方として良く知られている。

また、副作用の腸間膜静脈硬化症について、第5章でたまに問われることがあります。特にサンシシ(山梔子)を含む漢方薬で報告が多い副作用ですが、余裕があればリンク記事で確認を。

正解・・・2


 問86 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ケトチフェンフマル酸塩が配合された内服薬を服用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。

b 抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑える作用以外に、抗アドレナリン作用も示すため、起立性低血圧、めまい、ふらつきが現れることがある。

c ベラドンナ総アルカロイドは、鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液の分泌を抑えるとともに、鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって、鼻汁分泌やくしゃみを抑える目的で用いられる。

d 鼻粘膜の血管を拡張させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として、フェニレフリン塩酸塩が配合されている場合がある。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)


内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)及びその配合成分に関する問題

a 正 なお、ケトチフェンフマル酸塩は、以前ザジテン🄬として販売されていたが、眠気が強いためか内服薬製品は販売終了になったようです。
b 誤 抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑える作用以外に抗コリン作用も示すため、排尿困難や口渇便秘等の副作用が現れることがある。参考記事:抗ヒスタミン薬の抗コリン作用
c 正 なお、ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン成分である。
d 誤 前半が誤り。鼻粘膜の血管を「拡張させる」ではなく、「収縮させる」が正しい。なお、フェニレフリン塩酸塩はアドレナリン作動成分である。

正解・・・2


問87 内服アレルギー用薬として使用される漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 消風散は、比較的体力があるものの鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎に適すとされる。

b 辛夷清肺湯は、体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)に適すとされる。

c 荊芥連翹湯は、体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、水虫に適すとされる。

d 当帰飲子は、体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、痒みに適すとされる。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(b、d)


内服アレルギー用薬(鼻症状、皮膚症状)として使用される漢方処方製剤に関する問題
この分野の漢方薬の詳細な知識が問われるのは珍しく、判断は難しい。
なお、手引きでは、辛夷清肺湯葛根湯加川芎辛夷荊芥連翹湯は主に鼻の症状向け、十味敗毒湯当帰飲子皮膚症状向けの漢方として記載されている。

a 誤 これは鼻症状の緩和に用いる葛根湯加川芎辛夷に関する記述である。
b 正 なお、辛夷清肺湯も、葛根湯加川芎辛夷と同様な慢性鼻炎、蓄膿症に用いるとされているが、「濃い鼻汁」「ときに熱感を伴う」のキーワードから2者を区別できるように。
他に、基本的に一般用医薬品は慢性疾患は対象外としているが、鼻の症状向けの漢方薬では(例外的に)「慢性鼻炎」というワードが登場することも押さえておきたい。
c 誤 これは十味敗毒湯に関する記述である。「化膿性皮膚疾患」から容易に判断したい。
荊芥連翹湯は、体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきびに適すとされる。
d 正 当帰飲子は皮膚疾患向けの漢方だが、キーワードとしては「冷え性で、皮膚が乾燥するものの湿疹」あたりで覚えると良い。

正解・・・5


問88 鼻に用いる薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品の点鼻薬の使用が適当である。

b 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎並びに蓄膿症である。

c セチルピリジニウム塩化物は、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されている。

d クロモグリク酸ナトリウムは、肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し、花粉、ハウスダスト等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される。

  a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 誤 誤 誤


鼻に用いる薬及びその配合成分に関する問題

a 誤 鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合には、一般用医薬品により対処を図ることは適当でなく、医療機関における治療(ステロイド性抗炎症成分を含む点鼻薬の処方等)が必要となる。 
b 誤 後半が誤り。一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれに伴う副鼻腔炎であり、蓄膿症などの慢性のものは対象となっていない
c 誤 セチルピリジニウム塩化物殺菌消毒成分である。
d 正 クロモグリク酸ナトリウムはヒスタミンの遊離を抑える成分(抗アレルギー成分)である。


正解・・・4


問89 眼科用薬の配合成分とその配合目的の組合せの正誤について、正しい組合せはどれか。

配合成分 配合目的
a スルファメトキサゾール ―――― ウイルス感染による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状を改善する。
b イプシロン‐アミノカプロン酸 ― 炎症の原因となる物質の生成を抑え、目の炎症 を改善する。
c ネオスチグミンメチル硫酸塩 ―― 毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善する。
d パンテノール ――――――――― 末梢の微小循環を促進させることにより、結膜 充血、疲れ目の症状を改善する。

  a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 誤 正
3 誤 正 正 誤
4 正 誤 正 正
5 正 正 誤 誤


眼科用薬の配合成分に関する問題

a 誤 スルファメトキサゾールはサルファ剤(抗菌成分)で、細菌感染(×ウイルスや真菌)による結膜炎やものもらい(麦粒腫)、眼瞼炎などの化膿性の症状の改善を目的に用いられる。

b 正 イプシロン-アミノカプロン酸は、抗炎症成分である。なお、下記成分表の製品のように、有効成分ではなく添加物として記載されていることもある。
c 正 ネオスチグミンメチル硫酸塩コリンエステラーゼの働きを抑え毛様体におけるアセチルコリンの働きを助けることで、目の調節機能を改善するとされる。なお、「疲れ目」向けを謳った点眼薬は、大抵ネオスチグミンメチル硫酸塩が含まれている。
d 誤 パンテノールはビタミン成分で、自律神経系の伝達物質の産生に重要な成分で、目の調節機能の回復を促す効果を期待して用いられる。


正解・・・3


問90 外皮用薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a イブプロフェンピコノールは、イブプロフェンの誘導体であり、にきび治療薬に用いられるが、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。

b ステロイド性抗炎症成分は、広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象としている。

c クロタミトンは、皮膚に軽い灼熱感を与えることで痒みを感じにくくさせる効果を期待して配合されている場合がある。

d テシットデシチンは、患部のタンパク質と結合して皮膜を形成し、皮膚を保護する作用を示す。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 正 誤 正


外皮用薬の配合成分に関する問題
テシットデシチンは令和2年にも出題されたことはあるが、全国的にも殆ど出題されていない成分で、判断は難しい。

a 正 イブプロフェンピコノールは、(解熱鎮痛成分の)イブプロフェンの誘導体であるが、外用での鎮痛作用はほとんど期待されない。吹き出物に伴う皮膚の発赤や腫れを抑え、専らにきび治療薬として用いられる。
b 誤 外皮用薬で用いられるステロイド性抗炎症成分は、体の一部分に生じた湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等の一時的な皮膚症状(ほてり・腫れ・痒かゆみ等)の緩和を目的とするものであり、広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものではない。 
c 正 関連記事:クロタミトン

d 誤 テシットデシチンは局所麻酔成分である。手引きではリドカインジブカイン等と一緒に記載されているが、佐藤製薬のタクト🄬ローションという痒み止めに配合されている。

正解・・・1

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