鼻閉症状の緩和に用いられる。
第5章 塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)からの切り替え成分として問われる。

プソイドエフェドリン塩酸塩は、交感神経系のαアドレナリン作動性成分です。
鼻粘膜のαアドレナリン受容体を刺激して、鼻粘膜の血管を収縮させることにより鼻粘膜の充血や腫れを和らげ、特に鼻閉症状の緩和が期待されます。

その為、鼻炎用内服薬や、総合感冒薬への配合成分として使用されています。

鼻炎用内服薬では割と配合されていて、例えば、パブロン鼻炎カプセルS(大正製薬)、コンタック600プラス(グラクソ)、プレコール持続性鼻炎カプセル(第一三共)等に含まれています。
 
一方、総合感冒薬では、ベンザブロックLプラス(銀のベンザ)に配合されている程度です。

医療用医薬品としては、単剤の製品は恐らく存在しませんが、2013年に発売されたアレルギー性疾患治療剤「ディレグラ配合錠」に、フェキソフェナジン(アレグラ)と一緒に配合されています。
抗ヒスタミン薬のフェキソフェナジンで鼻水・くしゃみを抑える他に、鼻炎に伴う鼻閉を緩和する目的で配合されています。

一般用医薬品としては、2015.9現在、指定第二類医薬品に分類されています。
アドレナリン作動性成分であることから、「心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では、症状を悪化させる」おそれがあり、そのような方は使用を避けるとされています。

特に、高血圧、心臓病の治療を受けている人が、市販薬を買いにくる事は意外と多いので注意が必要です。

その他に、後述するパーキンソン病治療薬(セレギリン塩酸塩)との禁忌や、塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)からの代替の経緯など、販売サイドとして色々気を揉む部分があり、個人的には販売しづらい成分です。コンビニでの、限られた品揃えにも向かないでしょう。


登録販売者試験では、第3章よりも、第5章(医薬品の適正使用・安全対策)で良く出題されます。

「塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)については、2003年8月までに、配合された一般用医薬品による脳出血等の副作用症例が複数報告されたため、代替成分としてプソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)への速やかな切替えにつき指示がなされた。」

塩酸フェニルプロパノールアミンは、米国では鼻炎薬以外にも、高用量で食欲抑制剤としても用いられていました。しかし脳出血との関連性が指摘されるようになり、自主的な販売中止となって、日本でも同様な流れになりました。
(日本では、PPAを含む製剤として「ダンリッチ」が、医療用感冒薬として有名でしたが、これを契機に販売終了となりました。)

他に難易度の高い内容ですが、第3章において、「パーキンソン病治療薬であるセレギリン塩酸塩服用中は使用を避ける」も出題されることがあります。

「パーキンソン病の治療のため医療機関でセレギリン塩酸塩等のモノアミン酸化酵素阻害剤が処方されて治療を受ている人が、プソイドエフェドリン塩酸塩が配合された鼻炎用内服薬を使用した場合、体内でのプソイドエフェドリンの代謝が妨げられて、副作用が現れやすくなるおそれが高く、使用を避ける必要がある」

なお、副作用としては、自律神経を介して、めまいや頭痛、排尿困難が現れることがあります。

ちなみに、セレギリン塩酸塩の代表的販売名は「エフピーOD錠」です。他にジェネリック医薬品は「セレギリン塩酸塩」の名称がそのまま用いられます。

セレギリン塩酸塩(エフピー)

パーキンソン病の薬物治療において、一般的にある程度進行してから用いる薬ですので、服用患者さんが市販品を求めることは稀なケースでしょう。しかし、プソイドエフェドリン塩酸塩含有製剤を取り扱う場合は、一応知っておくべき知識です。