購入する商品やサービスに加えて、関連するものを紹介し、組合せで購入してもらうことを「クロスセル」といいます。
顧客により多くの充実した商品やサービスを利用してもらい、顧客関係性を強化すると同時に、顧客1人当たりの売上高や増加し、収益性も高めることができます。

身近な例では、家電量販店でパソコンを買った時に、その主な使用用途から、プリンターやウイルスソフトを紹介されたり、アパレルショップで、アウターに合ったインナーを提案されたり等、経験したことがある人も多いでしょう。
また、ネット通販においても良く活用されていて、アマゾンでの関連商品のレコメンドが気になったことある人も多いはずです。

この「クロスセル」の考えが、OTC医薬品についても当てはめることが可能です。

具体的には、花粉症シーズンでは、アレジオン10やアレグラ等の内服薬と同時に、

〇鼻閉が強ければ、ナザールAR等のステロイド性点鼻薬
〇目の痒みが強ければ、アルガード等の点眼薬
〇内服で効果がもの足りなければ、漢方薬(小青竜湯)

等で、関連商品の推奨を行い、購入者の症状を緩和に役立て、且つ購入単価向上につながります。

他にも、ケナログ等の口内炎の外用薬にビタミン剤も合わせて販売したり、総合風邪薬に、うがい薬や、トローチ、漢方薬を組み合わせて販売することも考えられます。

一方で、OTC医薬品のクロスセルを行う上での課題・問題点として

①販売員は、高い商品・疾患知識だけでなく、高いコミュニケーション能力を備えておく必要がある。
②OTC医薬品は決して安価ではないので、負担感が大きい。
③場合によっては、顧客から営利目的の印象を与え、信頼性を低下させる恐れがある。
④当然医薬品なので、効果が重複し、不必要なものは提案してはいけない。

これらの点をクリアするには、特に、顧客のニーズ・困っている点を聞き出すことが一番大事ですので、販売者のコミュニケ―ション能力を高めることが重要になります。
その為、社内で様々な事例を共有したり、ロールプレイを定期的に行うなど、スキルアップに励むと良いでしょう。
とにかく、顧客のメリットを最重視し、安易な営利目的にならないことに注意が必要です。

もし、的確なアドバイスや、医薬品の推奨ができれば、とても喜んでもらえ、顧客満足度を高めることができます。また販売者のモチベーションアップに繋がります。

なお、組み合わせ販売については、登録販売者試験でも触れられており、手引きには

「組み合わせた医薬品について、購入者等に対して情報提供を十分に行える程度の範囲内であって、かつ、組み合わせることに合理性が認められるものでなければならない。したがって、効能効果が重複する組合せや、相互作用等により保健衛生上の危害を生じるおそれのある組合せは不適当である。」

との記載があります。原則この点も考慮して販売を行うことが必要です。