どちらも鼻症状の緩和に用いられる。

辛夷清肺湯は、主に鼻症状(鼻閉・慢性鼻炎・蓄膿症)の緩和に用いれる漢方薬として知られています。
一般用医薬品としてはそれ程製品は多くありませんが、小林製薬の「チクナイン」が有名です。

構成生薬は、以下の9種類です。

辛夷(シンイ)、枇杷葉(ビワヨウ)、升麻(ショウマ)、知母(チモ)、麦門冬(バクモンドウ)、百合(ビャクゴウ)、石膏(セッコウ)、黄ごん(オウゴン)、山梔子(サンシシ)

この中で主薬になるのは、漢方名からもわかる通り、辛夷(しんい)です。主に鼻の通りを良くしたり、鼻水を抑える効果があると言われています。

ほかに辛夷を含む漢方薬として、葛根湯加川芎辛夷もあります。
その名称のとおり、葛根湯に川芎と辛夷を加えたものです。こちらも鼻づまりや蓄膿症に適するとされていますが、一般には辛夷清肺湯の方が、より鼻閉が強く慢性的な症状に選択されます。

他に知っておきたい構成生薬に石膏(セッコウ)があります。
これは含水硫酸カルシウム鉱石であり、中医学では「清熱薬」に分類されます。
辛夷清肺湯以外では、激しい咳に使用される麻杏甘石湯や、咽頭痛に使用される桔梗石膏などに含まれ、なんとなく「熱性」の症状に用いられているのがイメージできるでしょう。

出題の手引きの記載は以下のとおり

「体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸虚弱で冷え症の人では、胃部不快感等の副作用が現れやすいなど、不向きとされている。」

「鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症」については、葛根湯加川芎辛夷にも登場するキーワードなので、「濃い鼻汁」「熱感を伴う・・」より、辛夷清肺湯であることを区別して憶えましょう。

(葛根湯加川芎辛夷の手引きの記載は「比較的体力のあるものの鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。」で、似ています。)